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榊原伸予さんニューヨーク個展記念スペース ~第二部~

第40回

NFTを始めてみたいなと思われる方は、まずこちらをご覧ください。

第一部はこちらをどうぞ。

前回の記事では、榊原伸予さん(@Nobuyo_Art)が個展をするためにニューヨークに到着し、その雰囲気を味わっているところまでをお伺いしました。 

今回は2022/8/23~2022/8/27において展示会をニューヨークで行っています。

建物に入ったところ

その途中にオープニングパーティーをした8/25の次の日に現地にスペースをつなぎ、いつものメンバーと一緒にお話をお伺いしました。

その模様を記事に残したいと思います。
スペース中は、いつものメンバー
Futuremanさん(@Futureman_3)
NAOMARIAさん(
@naomaria_JPN
MIHOさん(
@genki_art)
といっしょにお話していましたが、榊原さんのお祝い報告ということで榊原さんにスポットをあてた記事にしています。
ご一緒にお話しいただいて誠にありがとうございました。

それではどうぞ


榊原伸予さん(以下:榊)おはようごさいます、いやこんばんはかな。

構想中(以下:構)こんばんは、お忙しいところ、現地からスペースにご参加いただきましてありがとうございます。こちらは21時ですがそちらは?

榊:こちらは朝の8時です。今日も展示会が続けてあります。

構:どのような会場ですか?

榊:ちょっと前にJCATのグループ展をしていまして、とても素敵な場所です。二間続きの会場で、入り口にまず作品が飾ってありまして、奥の部屋は大きな窓があります。光が柔らかく差し込み、作品が映えます。天井がとても高く、美術館くらいあります。とても素敵なギャラリーです。

天井も高く雰囲気最高

構:このあたりはギャラリーがたくさんあるのですよね。

榊:チェルシーはギャラリー街でたくさんあります。そこに来られるお客様は芸術に対する造詣が深い方が多く、とても刺激があります。

構:お客様もそれは格式の高い方が来られるのでしょうね。

榊:カジュアルな雰囲気ですよ。高校生くらいのカップルが来てくれたり、アートディーラーさんと思しき方もおられれば、資産家さんだろうという方もおられたり。

大盛況!

構:そういう方にしっかりアピールですね!

榊:売り込むことはせず、自然な雰囲気でお話しします。ゆったり絵を見ていただきます。英語での絵の説明は難しいですけれど、堅苦しい話より、まずは普通の会話をして仲良くなってもらうイメージです。最後、お帰りになるときに、そうそうこれいただくわ、という感じで。

構:売れたのですか?

榊:売れましたよ。

構:おめでとうございます!

榊:私の作品が売れたということは、ニューヨークの方に認めてもらえたという証拠、実績になると思い、励みになります。

構:お買い上げいただく方とは、どのようなお話をしていましたか?

榊:日本と違って、あなたってどういう人とか、精神的なことをよく聞かれます。あと、日本画に対することを知りたがっておられました。日本画って何?描き方や筆についてなどです。

あと、どうやって表現する?なぜ花を描く?などです。

構:海外の方にとって、日本画というジャンルが珍しいのかもしれないですね。

榊:言葉は知っておられましたね。”Nihonga”を”ナホガ”っておっしゃってました。技法聞かれるとは思ってなかったので、ちょっと説明にしどろもどろになってしまいました。

岩絵の具を使う文化、ナチュラルピグメント(天然の顔料)、という言葉に喜ばれました。珍しいので惹かれるのかな。海外の方はトレンドとして自然派志向、オーガニックを意識する人が多いからもしれないですね。

構:日本画の歴史はとても長いですが、今になって日本画の良さがわかってもらえるいい機会になりそうですね。アートとしてトレンドに合うのが一番の流行る理由にもなりますからね。

榊:珍しいものなので、日本画の言葉を訳すのがとても難しかったです。

構:英語でお話しするのは海外に進出している感があり素晴らしいですね。

榊:お越しいただいている方は、私があまり英語をしゃべれないのがわかっているので、優しく見守ってくれました。日本の文化が好きっておっしゃっている方が来てくださっているのだと思います。

着物を見て素晴らしいって言ってくださいました。着物を見て、個展を開いているアーティストとすぐわかってくださったようで。アメリカではアーティストに対するリスペクトがとてもあります。今回でもそれをとても感じられました。

構:アーティストが尊敬されるというのはとても素晴らしいことですね。

榊:はい。ニューヨークにはたった一週間しかいることができないのでとても濃厚な時間を過ごしています。始まってみるとあっという間です。準備は長かったのに。作品制作、梱包、発送、資料作り。コロナでとても大変で時間がかかりましたが、現地に来ると本当に一瞬です。

構:文字通り夢のような時間を過ごされていますね。

そちらの気候はどうですか?やっぱり同じく暑いですか?

榊:日本の湿気の多い酷暑と比べると、ニューヨークは暑いといっても湿気が少なく過ごしやすいです。

ただ、こちらに来た気分を忘れたくなく、日本画を描いてみたのですがすぐに乾いちゃって。ホテルがある程度乾燥しているとかあるのかもしれませんが描く感覚が違うと思いました。

本格的に描いておられますね

日本の各土地でも違うかもしれませんが、日本でのいつもの使い方だとちょっと違うので描き分けないといけない、これは発見でした。気づけることが楽しかったです。海外に来たんだと。

構:日本の画材が日本で発展するという、歴史と理由があるんですね、それはすごい。

榊:西洋では油絵が主流です。地域に合った技法が発展するのでしょうね。アメリカでの日本画における画材の耐久性が気になりました。美術館でしたら空調で適切な湿度管理がされるのでしょうか、今回お買い上げいただいた作品は個人のおうちで飾ることになると思います。

その場合は耐久性としてはどうなるんだろうと気になりました。額装をお願いするようにお伝えしないといけないなと気になりました。

構:榊原さんの作品を海外に展開したいなら、これからの課題ですね。

榊:もう課題ばかりです。英語もそうだし。オープニングパーティーも英語だけでしました。

構:パーティを催すのは日本では少な目かもしれないですね、どのような感じでしたか?

榊:ワインを飲みながら作家(私)も一緒に作品を観て楽しんでもらいました。そこで絵を一緒に描くイベントを催しました。

作品ページのQRコードが入ったポストカードをお渡して、お客様に白紙の面にボールペンで花を書いていただき、私が色を塗ってサインしてお渡ししました。お客様自身のために描いてくれたっていうスペシャル感を感じてもらえたようで、とても喜んでもらいました。

たくさん描けるように、今回は水彩で色を塗りましたが、お客様と一つの作品を創る体験ができて私としても楽しかったです。

とても素敵な佇まいです

構:素敵ですね。英語でスピーチもしたんですよね。

榊:暗記したのを話しました。全然うまく喋れてないですけれど、お客様は優しく見守ってくださいました。質問もしてもらえたのですが、聞かれたことに対して返答するのは難しかったです。

もっと勉強してフランクに話しできるようになりたいです。普段のお話をして、そこから作品に対する話ができるように。

構:NFTもSNSではありますが、一緒に人と会話して人となりを気に入ってもらえた上で作品を気に入ってもらえるようになりますからね。いきなり買ってくださいではなかなか買ってもらえないですからね。

榊:そうですね。NFTといえば、個展用に名刺作っていますが、@HEXANFTが海外で買えるようになってたらQRコード付けたのになって思いました。

構:ほんとに今ちょうど、XYMに対応するっていう運営さんのアナウンスがあったのでこれからの展開に期待ですね。暗号通貨での対応が進めば海外の人も日本の口座作る必要がないので、広まれば海外の人も入ってきやすくなります。これは楽しみなアナウンスです。そうなれば名刺に記載できますね。

榊:そうなんですね、楽しみです。そうそう、NFTやっててよかったことがありまして。

日本での出来事なのですが、友達の飲食店に遊びに行ったら、その飲食店オーナーの20代の息子さんがどんな絵を描いているんですか?って聞いてくれまして。こんな絵を描いていますよって話したのですが、
「NFTやってるんですか?HEXAですか?」
「地元ではそんな話できる人がいないのでとても新鮮です!」
って言ってくださり、若い子と話が盛り上がってうれしかったです。

NFTやっててよかったです。してなければ息子さんとの接点もなかったわけで。

構:HEXAのこともご存じだったのですね。着実に浸透していますね。若い方たちも入ってきたら、また海外の方も入ってきたら、もっともっと盛り上がりますよね。夢があります。

これからも海外で展開していこうと思っておられますか?

榊:もちろんです。今回の個展は思い出作りではありません。次につなげていきたいと思っています。JCATさん主催で個展を開催していただいたのですが、他にもニューヨークで個展をしたい人は当然いるので、続けて個展を催すことはもうできないと思っています。

ですので、海外で個展をしたいなと思ったら自分で探さないといけないと考え、今回他のギャラリー巡りをしてコネクションを創ろうとしました。それも今回の目的です。ですが、一見でやろうとしてもなかなか難しいです。

これだけの規模の個展を開いてくださるJCATさんはやはり地元に根差して活動されているわけで、素晴らしい団体であることを痛感しました。

私のための個展でプロモーションもすばらしいし、現地に必ずスタッフさんがいてくれて、現地で受付しているときもアートラバーの方に対して個展していることをアナウンスしたり、フェイスブック更新したりPR活動をスタッフさんがずっとしてくれていました。会場で手持ちぶさたになっていることは全くありませんでした。

JCATさんがいままで現地で活動しているので、固定のファンの方にたくさんおこしいただけました。JCATの看板があるから来てくれています。

現地での地道なPRのおかげです。作品を飾る設営もパーティもJCATから大人数でお越しくださっています。受付に変な人が入らないように門番してくださっています。会場風景写真も撮ってくださっていました。

設営風景

そういった手助けの上に展示会ができていることを痛感します。それらを自分自身でやろうとすれば、一人ではやっぱり困難であり、チームやオーガナイザーが必要です。

隣にもギャラリーあってみてきたのですが、作品がぎゅうぎゅう詰めに飾られていまして、オーナさんと思しき方が座っておられまして。扉も閉まっていて作品を観てみようという気持ちにはならなかったです。

ニューヨークで展示会をやったというだけの思い出作りにしかならないと思います。私がしたいのはそれでないですね。お越しいただく方と会話をして楽しんでいただく。そういった意味で思いを形にしていただくギャラリーさん選びは重要です。

実際に現地に来て課題が改めて満載になりました。

基本的にアメリカでの展示会場は展示のしかたがゆったりしているものです。壁には少ない枚数の作品が飾られています。集中して気になる作品を観てもらえるような配置になっていますね。来てみて気づくことがありました。

日本では間隔が狭いところが多いですね。

構:今回現地でギャラリー開拓は難しかったということですが、日本に戻ってニューヨークのギャラリーを探してみてはいかがですか?

榊:日本を出る前にそれはしたけれど、ネットで見ても、それはいいところだけしか見ることができないです。実際の配置、考え方、活動というのはわからなかったですね。

できるだけギャラリー巡りをして、いい雰囲気の場所を探したいけれどもう日本に帰らないといけないです。ギャラリーを探すのが目標だったけれど、今回、それは達成できませんでした。

構:気軽に行ける場所ではないから難しいところではありますね。ですが、短い時間の中で実際に現地でトライして、難しい、それがわかっただけでも収穫だと思います。思い出作りではないことがまず榊原さんの中にあるからこその結果ですよ。

榊:来年、グループ展することが決まっています。そのときコロナが落ち着いて飛行機代など安くなっていればまたいけるかもしれないですね。それまでに検討することが、もしかしたらできるかもしれないですね。

構:世界を志す方に一言お話しいただけますか?

榊:少ないですが、売れた経験から言うとじっくり見てもらって普段のお話をして買う気のある方は、私自身のことを細かく聞いてくれて、最後に作品いただくよっていう流れでした。ゆったりした時間をお客様と共有するのが大事だと思いました。

アーティストさんで海外に展開したい!という方もおられると思います。この経験を包み隠さず広めたいと思ってますので、聞いてくださればお話いたします。是非とも仲良くしてくださいね。

構:そういうオープンなところが榊原さんのいいところだなっていつも思います。

これから、作品を買ってくださった方と打ち合わせですか?

榊:そうなんですよ。うれしいことです。

構:是非ともこれからにつながるいい話ができますように。今回はお忙しい中、ありがとうございました。念願のニューヨークでの展示会おめでとうございます。

榊:ありがとうございました!


スペース終了後…

このスペースの後、榊原さんは作品を買っていただいたコレクターさんとおはなしに出かけたようです。どのようなお話をされたのでしょうか。

構:展覧会お疲れさまでした。あの後作品を買ってくださった方とお会いしたのですよね。

榊:はい。そのアートコレクターさんは2020年の2月のJCATのグループ展で私の絵を購入下さってる方なんです (この時の展覧会には私は渡米してません) 。お買い上げいただいたときに、Nobuyoの展示がある時には必ず連絡くれるように、とその時おっしゃってたそうです。

その後コロナが世界を覆い、リアルな展覧会は出来なくなり、2年半経ってやっとお目にかかる事ができました。私の絵には、光や空気の流れがあるところが好きだとおっしゃってました。

この方との約束と言うのは、メトロポリタン美術館に連れて行ってもらうという事でした。そこで、展示物を見ながら、そしてカフェでお茶しながら、今このグローバルな時代に生きてる自分達のアートとは? これから大事な事は? なんていう話をしてました。

ニューヨークのアートラバーの生の声を聞くことができて、次への展望が開けてきました。今回の事を活かして、次回、来年7月のJCATグループ展覧会の作品作るから楽しみにしていて下さいと約束してお別れしました。

これがスペースが終わった8/26金曜日午前中の出来事です。それから午後からギャラリー売り込みまわりに行って来ました。

構:すごく楽しい時間を過ごされたんですね。ずっと榊原さんの作品を楽しみにされていたのか。画家冥利に尽きますね。

そのあとギャラリー回りをしたのですね。確か、ギャラリーからはなかなか受け入れてもらえないようだ、とはお聴きしていたのですが。

榊:今回、レンタルギャラリー(一週間いくらで貸してくれるところ)では無くて、所属アーティストとして展示させて頂けるコマーシャルギャラリー(企画画廊)を探すというのが目標でした。次の展開の為に。

ここチェルシー地区はギャラリー街です

ギャラリーリストを元に、
アッパーイーストサイドで2件
チェルシーで13件
ギャラリー巡りして来ました。ところが行くところ全部閉まっていまして。コロナ倒産なのかな⁈ と、思ってたらどうやらサマーバケーション中らしかったです。

それでも開いてたギャラリーに入って売り込むと、もれなく『あ〜、自分はただのスタッフだから。ディレクターいないから』の答えでした。でも、これは想定済みです。売り込みってこういうものだと聞いてました。

それでもポートフォリオと名刺を渡してもらえるようお願いして置いて来ました。ですが一軒だけ、アートディレクターさんとマネージャーさんの名刺を頂けたギャラリーがありました。

ニューヨーク在住のJCATの方に聞いたら、これだけでも凄い事らしいです。今までもチェルシーのギャラリーに売り込みしたアーティストは何人もいるけど、『話しも聞いてもらえなかった。全滅!』って人ばかりだったらしくて。

名刺をゲット出来ただけでも次に繋がる糸口は掴んでるよって。だから、ギャラリーを探し出せなかったのは事実なんだけど、自分としては完敗って言う残念感はなく、むしろ『やれるだけの事はやったよ。次に向けてアクション起こすよ』 って感覚なのです。

そのポジティブ感が伝わるといいなあ。そのアートディレクターさんにも改めてメールを送らせて頂く予定です。良いご縁になるといいな。

構:すごいじゃないですか。スペースではとにかくギャラリー回りは難しくってこのあたりは手詰まり感がありましたよね。素晴らしい結果でしたね。おめでとうございます!

これからどういった展開があるのか本当に楽しみです。来年までのモチベーションができましたね!これからの榊原さんのご活躍を楽しみにしています。


念願の海外での個展を実現させた榊原さんですが、それだけで満足せずに、次の一歩を着実に踏み出されていますね。

そんな画家さんと仲良くお話しできることは非常に光栄なことです。これからも変わらず応援したいと思います。


今回の展示会をyoutube配信してくださった方がおられました。

ニューヨークで乾杯 ☆ Cheers in New York 様です。
展示会場であるNoho M55 Galleryまでの道順、建物内の雰囲気、作品の並びまで、海外のギャラリーに行ったことのない私はとても楽しんで観ることができました。

とてもいい天気で光が差し込み、会場内の作品がさらに映えていました。

※掲載の許可をいただいております。快諾いただきまして誠にありがとうございます。


今回は以上となります。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。


@HEXANFT:NFTマーケットプレイス

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