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なには友あれ
「お兄ちゃんが一番好きだった食べ物って何だった?ケーキ以外で。」
先日、主人が唐突に聞いてきた。
『えーーと、(;´・ω・) バズは…?』
みんなが大好きなケーキを抜いて”他で”、と聞かれているのだけども、私の脳内でバズの食べるシーンは、ケーキも”一緒”。だから困った。
『ケーキも何も同じだよ、あの子。”食べ方”がどれも同じようにガーッと食べるからね(*^^*)』
そこからまた話が広がる。
「他の子たちは?」
『えーっと、ミルクとニコルの食いしん坊コンビは”何でも”食べるから、これまた”同じ”。ピースだね、”あのオヤツが大好きな食べ物”ってすぐに言えるのは(笑)ライトは固いのが好きだね…』
「同じように」横並びだと、抽出できない。
偏食をするピースのこの偏りだけが、私の頭にデータとして残されている事が、とても分かり易かった(*^^*)
『いや、だから…いらないって(^-^;』
「だっていっぱいあるからさぁ…ほら('ω')ノ」
ワン散歩中のルート、知人宅で久々に彼女に会った。その庭に目をやると、大きな袋が歪に膨らんでいるのが分かる。
「そんなに食べられないからさぁ、ね。処理が大変だけど…(笑)」
『いらないよ(笑)』
そう言ったって、彼女はわざわざ持ってくる事も分かっていて、飼い猫と挨拶が出来たピース、彼女に散々ナデナデされて嬉しそうだったニコルのお礼として「ありがとね~」と言って、散歩に戻った。
数日続いた暑さと打って変わって風が冷たい。
空もどんよりしていて、深く眠れなかった事が影響してか、幾らか気分も閉じがちな様に感じていた。
組を入れ替え、2陣目のライトとミルクの散歩が終わる頃、丁度我が家の前でピッタリ合う様なタイミングで、向こうから歩いてくる彼女の姿が見えた。
(凄いなぁ、ほんとにピッタリだ…)
少しばかり身体の老化も抱えながら、ゆっくり向かってくる彼女。家の前で落ち合う。
『すごいねぇ、ほんとにピッタリじゃん(*^^*)』
「うん、そろそろ帰ってくるんじゃないかな~と思ってさ…」
案の定ビニル袋に入れたタケノコを持って、わざわざ来てくれた。
「あ、あれ?バズがいない。。?」
『うん。バズ、この間死んだんだよ』
「えーーっ、そうだったの」
ワンの散歩中、健康の為に色んな人が歩いていて挨拶を交わすけども、2回に分けて散歩している事もあり、大体は気付かれない。私はそれをいい事に自分からは言ったりしない。
バズをよく知る人たちにまだ会っていなかった、という理由もあるけども、彼女には「さすがだな…」と思わざるを得なかった。
数年前までに、既に飼い犬3頭を亡くしている”先輩”。今はネコ一匹になってしまい、たまに会えば我が家のワン達を可愛がってくれる。バズは外でよく吠えたのだけども、まだワン達がいた頃に、彼女と先輩ワン達に触れさせてもらった経緯がある。
「さっきも2匹でニコルとピースだったし、これはミルクとライト…でしょう?バズがいない」
いつもは、”これは誰だ?”と言いながら触っているのに、この時は全て特徴から「個」を割り出した、白しかいない…と。
バズのその時の簡単な話をしていると、今度は杖を突きながらチョビチョビ歩く仲良しのおばあちゃんが通りかかる。デイサービスを利用し始めた事は昨年から聞いていて、少しでも自分の足で歩く様に心がけている事を彼女の前でも説明してくれた。
この日はいつもより、私が散歩の出発が少し遅かったからか、会う人も多かったように思う。土日という”休日”だからというよりも、一日単位での動き、と観た方が自然に感じる「人々」が割合的には多い。勿論若い世代の方々もいるのだけども、重なるものが少なければ接点は少ない。
「じゃ、歩くからね・・」
まだ、家を出てきたばかりでこれから歩いてくる所、と言うおばあちゃんを2人で送り出し、ワンの話に戻る。
彼女は動物に情が深く、自分がワン達の亡くなった時の事と想いを重ねて見ているようだった。そしてそこに更に今度は私が自分の”想い”を重ねて観ていた。
(そうか・・、やっぱりそこに関わったモノにしか物は語れない。それは彼女の世界だし、あれは私の世界だったもの…)
その”状態”を見て、どのように捉える(語る)かは、その人次第。その「言葉」の前に”状態”を見ているはず。その状態は”そうだった”のだけども、それを語ったのは”各々”。
自分の中の要素を繋げたモノカタリ。
言葉に意味はあるけれど、それ以上の、詰められた想いが語られる。
『その時に、”ガンバレ”なんて言えないよね』
これは2人に共通していた想いだった。
「たまに犬を見かけたりすると、また飼いたいな~って思ったりしてさ(笑)だけどこの年齢もあるしね~( ;∀;)」
『(*^^*) うちは、この4ピキがいなくなったら、”もういいね”って主人と話したよ。昔は大きい犬を飼いたいね、って言ってたんだけどさ(笑)』
予定はまた変わってしまうかもしれない。今の気持ちは過去の予定から変わってしまったから。現実をまともに受けた時、やはり想定外の衝撃を受けると分かった。
・・・
『たった1ピキなんだけど…、違うんだよね。楽なの。バズの歯磨き動作が大変だった訳じゃないのに、ホントに全然違うんだよね』
夜のワンの歯磨き中に主人に言った。
「動作が大変というより、やっぱり気にかけるからだよね?」
『うん、そう思う。全く無意識にかけている氣。それがなくなっただけで、全然違うんだと思う』
私達の行動(動作)の”負担”になるのは、肉体的にハードな動きだけじゃなくて、無意識の一部になっているその”部分”という事は、往々にしてあるのかもしれないね。
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