効いているのは何だ？

“オモテの事はどうでも良い”というのは意外にけっこう深い働きをするものだと思っている。

表で言われているマトモなそれは、表の世界では確かに確実なんだけど、世界、「層」を変えたらそれは必ずしもではないということ。

それは「そういわれているけども…確かにそうなんだろうけど…“実感”はない」ということから。この時にウソっぱちな実感という存在は、それだから良い仕事をする…そんなようにも思っている。

人は、理屈で納得しているようで実はそんな曖昧な、あやふやなものの中で納得している。

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家には効くと言われている成分を使った塗るタイプの鎮痛消炎剤もあるけども、私はこれを２番目にしか思っていない。

使用頻度が高いわけじゃないけども湿布は大体ある。今回は１枚しかなくて買い足したけど…。

『湿布がなかったからコレ塗ってたけど…効くって（一応）有名だけど、私、そう思った事ないんだよね（笑）湿布のほうが良い…』

薬あるあると思う。

病気の時にそれを飲んだから治ったのか、もう治まる時だったのか…。主人は特にそういう事をよく言っていて病院なども行かない、面倒という事が最大の理由と思うけど。私も似たような理由を持つ…そもそもかかるような事にならないでいられる事が有難いことは間違いない。

で、今回腰に貼っている湿布。これによってどれだけ「助かっているか」というので、どこを見てるかというと、貼った瞬間から続く強めの「刺激」。スーーッと熱いような冷めるようなこの刺激が、“痛みに効いている”のではなく、“心地良さを作り出している”というところ。この刺激の中に入っていける。

それは、実際に薬によって効くという事がいくらかあったとして、そう頭で思うそれよりも、実際に「気持ちが良い」という実感に浸っているその状態に癒されている自分を感じている方がとても大きなメリット「効果」を生んでいると感じるから。プラセボはバカにはできないことを理解する。　

いや実はそれで“全然良い”こと。それで済むことは実際に多いだろうと思っている。治し方に特定の形があるわけじゃなし、快方へ向かえば良いのだから。

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少し前のミルクの背中の“不要物”。中身の脂肪の塊その成分みたいなものが少しずつポロポロ出て最終的には（詳細割愛）小さなイボみたいな形で皮膚の突起を残して終わってるのだけど。

その時も経過を観る中でずっと思ってた…「皮膚の再生が早い」と。日々、出ては軽く塞がり塊などが剥がれてまた出て…を繰り返す早さ。動物って凄いと思った。

またニコルの鼻の両脇の上唇。初めの頃は何度か引っ掻いていたので片側は厚いカサブタになって固まった。

もう片側は元々腫れも少なかったけども、まもなく皮膚（皮）が剥がれだし、きれいな肌が見えだした。この時も「早い…」と思った。

軽く拭いた程度で何も手入れをしていない。だからそれでどんどん再生してくる。余計なことをしていないから、本来の治癒能力任せ。自然界にいる者たちの持っていたその回復能力はすごいと感じていた。

多分人のそれと何となく比較をし、「人の場合、そんなに早くは皮膚の治癒はないだろう…」と漠然と感じているからだと思う。だから確かに、明らかに動物たちのソレの方が早い、という断言はできず、私の観た”印象”の話ではあるのだけども。

痛みや苦痛の排除は必要だと思っている。その状態がある事で、更にそこへの意識が強化されてしまい、痛みはもしかしたら強くなっている訳じゃないかもしれないのに、「痛みが増した」と”実感”しているのかもしれないから。

湿布の話から他のことも同様に観ているのだけども、表の主にそれの効果を謳っているものの直接の効果を求め、その力を借りるのは良いだろうと思う…、それによって自分が「効いている」と”実感”するならば。

同じように、冒頭に書いた薬の効果はよく分からないが、その行為の別の効果により「効く」と”実感”するならば、それもまた治療になっていると思っている。結局、”何によって”効果が得られたかという真実よりも、自分にとっての”実感”によって、この自分自身をダマせるのなら、「心地よさ」を感じられる状態があるのなら、それが最大の効き目であるということ。

そう言われている「そうである」ものに安心できる人がいて、難しい事はよくわからんが、「これが良い」と感じるものに安心できる人がいて。それで良いのだろうと思う。

安心できる、その状態に精神を置くというのは、考える以上に大切なことなんだろうと思っている。

安心できる状態があるという事は、そこにある痛み（苦痛）から気が削がれる状態で、痛みに引っ張られてしまう気が、そこから離れることは、大切な治療の一部だと思っている。

何を目的としてその行為をしているか、軽減した苦痛状態の中で、回復する力が出やすい”環境”を用意することができるのは、人の意識側の行いでできる事だろうと思っている。