見出し画像

昔話に学ぶ《す》

むかしむかし、

柿の種を拾ったサルと、

おいしそうなおにぎりを拾った

カニがいました。

サルは

カニのおにぎりが欲しくなり、

カニにずるい提案をしました。

「カニさんカニさん、

この柿の種をまけば

毎年甘くておいしい実がなるよ。

おにぎりと取り換えてあげようか?」

「サルさん、どうもありがとう」

カニは大喜びで

庭に柿の種をまきました。

「早く芽を出せ、柿の種。

出さねば、はさみでちょん切るぞ。」

と言いながら

毎日水をかけ大事に育てました。

柿の実がおいしく熟すころに

サルがやってきて

「代わりに登って取ってやるよ。」

と言い、

柿の木に登ると

自分だけ赤い柿を食べ始めました。

登れず柿の木の下にいるカニには、

まだ青くてかたい柿の実を投げつけました。

柿の実を投げつけられた拍子に

カニの甲羅が割れ、

3匹の子ガニが産まれましたが、

母カニは死んでしまいました。

やがて大きくなった子ガニたちは、

母カニの敵討ちをしようと決心し、

栗、蜂、牛の糞、臼と一緒に

サルの家へ向かいました。

サルが留守の間に、

こっそり隠れてサルの帰りを待ちました。

サルが帰ってきて

囲炉裏ばたに座ると、

隠れていた栗がパーン!とはじけて

サルのおしりにぶつかりました。

「あちちちち!!水だ水」と

水がめに近づくと、

水がめに隠れていた

蜂がサルを刺しました。

あわてて外に逃げようとしたサルは、

牛の糞に滑って転び、

その上から臼がドーン!!と落ちてきて、

サルはぺちゃんこになってしまいました。

おしまい…


『さるかに合戦』

悪いことはしてはいけない

悪いことをしたら返ってくる

典型的な因果応報を伝えるお話

もう少し深堀してみると

見え方も変わってくるのかな

柿…

柿は

遺伝的に渋い方が優性

性質を持っているので、

古い品種はすべて渋柿

甘い柿は珍しい

一般に中木

樹高は4~5m

特に樹形を整えなくても、

一番下に垂れ下がった実なら

普通の人が手を伸ばせば収穫できる。

現在流通してる甘柿は全て接ぎ木苗

種から育てる柿はほぼ渋柿

種類は1000種類以上あるが

そのうち甘柿は17種類だけ

ん…

あれ?

かつて柿は

生活や産業に欠かせない重要な樹種

果実が長期保存可能な上

木材や塗料さまざまな手工芸に用いられていた

そもそも種から植えた柿が

甘くなる可能性なんて

ほぼ0に近いと思われる。

柿が重宝されるかつての時代

カニがそれを知らないわけがない。

甘い柿のなる種

そんな甘い罠

ベタベタな詐欺まがいの誘惑に

まんまとハマったカニも

欲望に負けてしまったということかな。

サルもビックリしたでしょうに

まさかまさかの甘い柿がなるとは

半信半疑で食べたでしょうに

熟した柿⇒日にしっかりとあたった

そんなイメージを持ちがちですが

そもそも柿の渋みを消すには

しっかりと風に当てて干したり

柔らかく熟すまで置いておく

そんな工程が必要

ヘタにアルコールつけて置いといたり

お風呂の残り湯につけたり

なんて方法もあるみたい

4,5日掛かるけれども…

青い柿が混在している状況で

果たして甘い柿が本当にあったのだろうか

さるかに合戦には

色々なバージョンがあり

どの実を食べても渋くてサルが逆上する

そんなパターンのお話もあるみたい。

もしかしたら

こちらの方が現実味があるのかも。

様々なメンバーに協力してもらい

適材適所で計画性のある

亡親を想う敵討ち

最終的にサルを殺めてしまう

子ガニたちの行動は

果たして正しいものなのか。

もしこのサルにも子ザルたちがいたら

復讐に次ぐ復讐

負の連鎖の始まりのゴングが鳴り響いている

のかもしれない

親が死んでしまったことにショックを受け、

冷静な判断ができなくなっていた小ガニ

仲間たちを引き連れ

復讐心で徹底的にサルを懲らしめてる

栗、蜂、牛の糞、臼たちは

サルから直接的な被害を受けていた

わけでは全くないのに

子ガニの復讐心に同調し、計画に協力する

群集心理の恐ろしさ

可哀想な子ガニのために

集団でサルを殺めてしまっている

必要なのは

"支える"”寄り添う”

何をしようも

亡くなったカニは戻ってこない

いくら集団であったとしても

していいことといけないことがある

ん?

ちょっと待って

そもそも

牛の糞まで意志を持っている世界観

栗も話せている世界の中で

柿のポジションおかしくないかい?

何故、柿は食用のまま…

いや、意思はあるか

早く芽を出せ、柿の種。

出さねば、はさみでちょん切るぞ。

で甘くしようと努力したんだ

え。そもそも怖すぎる

成長促進しないと切られる

どんな脅しなんだ

時間という概念無視なのか

そりゃサル驚いたろうに

そんな不思議な柿

もしや甘い?と期待したろうに。

なんにせよ

事が起こった後にはどうしようもない

あとは

反省の意を表すのと

被害者や被害者家族に寄り添えるか

現代の社会であれば

司法がどうさばくのか

サポートの体制がどのようになっているか

そこが重要なのかもしれない。

罪を罪で上塗りすること

被害を拡大させること

悲しむ人を増やすこと

それは悲しい結末しか生まれない

必要なのは

"支える"”寄り添う”

同調でも共謀でもない

あくまでも

"支える"”寄り添う”

が大事なのだ。

福祉の基盤もそれ

"支える"”寄り添う”

やりすぎてもいけないし

やらなさすぎてもいけない

選択するのは本人だし

実行するのも本人

寄り添って併走していく

エスコートしていく

そんな姿勢で関わることが

抜けていると

思いもよらない悲劇が

生まれちゃうのだろう…

優しい世界を作りたい

優しい社会を作りたい

だからこそ

今、何をするべきか

画像1


いいなと思ったら応援しよう!

だいすけ
サポートがなんなのかすら理解できていませんが、少しでも誰かのためになる記事を綴り続けられるよう、今後ともコツコツと頑張ります!