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【中編:南部の街】スリランカの熱帯建築を訪ねて~モンスーン気候を巡る旅~

【前編:コロンボの街】では、コロンボ市内のカフェや街並みを紹介した。

https://note.com/place/n/n2145242681d6

【中編:南部の街】では、鉄道や南部の街、とくにベントタ(Bentota)という海沿いのビーチリゾートを紹介する。

スリランカの国内移動

まず、スリランカ国内の鉄道は、すべてコロンボを中心に南部、中部、北部へと伸びていて、なかなか南部から中部へ向かうのには手間がかかる為、旅行者の移動手段として、以下にわかれると思う。

スリランカの鉄道路線(マレーシア人の旅人作成)

1.(日本人に多いパターンとして)運転手(兼ガイド)つきのタクシーを数日間単位でチャーターする
2.(欧米人に多いパターンとして)鉄道やバスを利用して行きたい場所を周る
3.バイクや自転車で周遊(自転車は、ある種スリランカ観光局のプロモーションとしてプロのサイクリストが誘致されて紹介されていた)

複数人や家族で旅行する際とか時間が限られている際、タクシーのチャーターというのは非常に効率が良い移動手段ではあると思うけれど、1日10000円以上かかる、という点や私はリュックサックひとつで旅行している身なので、荷物も少ない、かつ時間だけはあるという状況だったので、とりあえず全ての移動手段を「試して」みることにした。

コロンボで泊まっていたホームステイのオーナーさん夫妻に、鉄道の時刻表について聞いたら、以下のサイトを紹介された。これ、非常に便利。クラス別の料金もわかる。

Time Schedule


ちなみに、中心となるコロンボ・フォート駅から、ベントタ(Bentota)までは、LKR300(日本円で150円)。スリランカは国鉄で、電車やバスがとにかく安い。これならなおさら、私にはチャーターは合わない。その分、素敵な建築をこの目に焼き付けて、美味しい食事を食べたい!

鉄道で南部ベントタへ

コロンボ・フォート駅には、普通列車のチケット(3rd class)と2nd classのカウンターと、事前予約席のカウンターがあり、それぞれ列も異なる。

3rd class チケットカウンター
4番は2nd class カウンター
チケット購入後、こちらの入り口からプラットフォームへ入る
旅人情緒あふれる駅

今回のベントタまでは予約席ではなく、満席だったのでほぼ立っていたけれど、やっぱりこの海沿いの光景は素敵!ひたすらこのような海岸沿いを走る。(ちなみに、日本の新幹線や車両がスゴイと思うのは、あの前後に調整できる座席!この車両は、座席が固定されている為、完全に逆方向で進んでいる)

ベントタに到着

ここで、『地球の歩き方スリランカ』で紹介されていたベントタの様子を。この説明そのまま、駅を挟んで海側と村側での光景がわかれる。

コロンボの南61kmに位置するベントタは、スリランカを代表するビーチリゾート。政府の指定によるナショナル・ホリディ・リゾートとして開発された。ベントタ河と呼ばれる川の河口一帯に広がる砂州には、万全の設備を整えたリゾートホテルが建ち並んでいる。(中略)ところが同じベントタでも、鉄道線路を挟んでホテル群とは反対側のジャングルの村では、昔ながらの生活を送るスリランカの人々が、ココナッツの繊維からロープを作っていたり、水浴びをしていたりする。

地球の歩き方スリランカ2020年〜21年
ベントタ駅

左側は海側。右側の駅に出ると、民家が立ち並ぶ村へと進む。偶然にも、今回選んだ宿は、この民家のうちのホームステイだったので、まずは村の探検へ。この背の高い南国植物の風景は、まさにベトナムの南北統一鉄道で旅していたときの感覚と似ている。

駅のタイムテーブル
シンプルで美しい駅

新しい場所に来たと思ったら、どこかに帰って来た、と思える瞬間が人生の中でたくさんあると、それもまた幸せだなと思った。

この日の宿泊地に到着!

到着したとき、オーナーさんのお父さんが庭の手入れをされていた。「今日予約を入れている者ですが」というと、「あぁ、あの部屋どうぞ」と、すぐに部屋に案内してくれる。(その日の夜、お母さんが戻ってきて、IDチェックをする)東南アジア、とりわけベトナムもそうだったけれど、暑い南国の地を歩いて到着したあと、このすぐに部屋に入れてくれる有難さよ。これが大型ホテルとなると、そうはいかないのだ。

Thara Cabana LKR 4400

宿は、お客さんが少ないからか、部屋をグレードアップしてくださっていた。ハネムーンか!というくらいの準備。面白いデザインと配色だなぁ〜こんなところは、海辺の高級ホテル群には無いだろうな。

私が宿泊する前は、ロシアからのお客さんが1か月くらい宿泊されていた、とのこと。南アジアや東南アジアのビーチリゾートは、ロシア人の観光客に人気なのだ。

ちなみに、キッチンつき!長期滞在にもってこいの場所

Rana

少し街を探検した後、宿のオーナー夫妻の息子さんが働くというお店へ。お店の前を鉄道が通っていて、まさにここも日本の江ノ電を思い出す!素敵な空間なのに、お客さんがいない。私にとっては、居心地が良い空間だけれど、潰れないことを願うのみ。

Prown Curry and Lemon Lime Juice LKR2805

海鮮ものがとにかく美味しい街!スリランカのレストランは、どこに行っても値段は、けっこう高い。けれど、美味しくてサービスも良かったら、それ以上の価値があると思う。

海鮮類と壁画の写真を撮ろうとしていたら、お店の人がディスプレイのカバーをキレイに整えてくれた。閑散期っていうのもあると思うけれど、人はいなくても味は本物なので、オススメ!

朝食は庭で

朝食は庭で頂く

朝って、その日のうちで一番大事な時間で、朝どう過ごすかによってその日の全てが変わって来るような気がしている。日記をまとめて、地図を見ながら、Luanagangaまでの行き方を探す。

オーナーさんが来て、「今日はどこに行く予定?」と聞かれる。「朝は海辺まで歩いて、それから、Luanagangaまで行こうと思うけれど、車で20分くらいかかるから、どうしようかと思っている。」

それなら、と「オートがあるから、つれていくよ」と言ってくれた。
車だと、片道LKR2000(日本円で1000円)かかる。

外で食べていると、自然と話しかけてくれる機会があるから、良いよね。「朝食は庭で」は、私の人生を少し良くしてくれる要素かもしれない。

車では行きにくいような細い道を経て、植物に覆われた場所を突き進む。

さすがスリランカ!オートの座席も、バワ好みのデザイン!

Luanaganga 

到着!スリランカの観光地は、ほとんど外国人料金とスリランカ人料金にわかれていて、外国人料金はドル表示で15USD。スリランカ人料金はLKR3000(学生や年齢によって異なる料金価格)。

日本円でいうと、外国人料金は2200円ほど、スリランカ人料金は1400円ほど。とはいえ、スリランカ人にとっても、行ける人は限られている。

ジェフリー・バワ建築に関しては、また【番外編】にて全てまとめて書くとして、ここでは案内してくれた方や、同じガイドツアーに参加したメンバーに感謝する。

Cinamon Bentota Beach

Bentota駅の近くにあるCinamon Bentota Beachも、バワ建築を代表するホテル建築。

ベトナムのメコンデルタにあるAzerai Can Thoで、ゼッカ氏の物語を知り、その後ジェフリー・バワ氏の存在を知ってから「いつか訪れたい」と思っていた地。

ここのホテルでは無料で館内ツアーも実施されていて、本当にいろんな話を聞くことができたので、こちらもまた【番外編】でまとめることとしたい

鉄道の旅は、まだ続く。
スリランカの友人から、また「マミ、今どこにいるの?キャンディについたら、電話してねー」と連絡が入った。
まだ私は、旅の途中までもたどりついていないのだ。

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