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「生きる智慧」の探究~文化の交差点ウズベキスタンへの旅路~
『世界はほしいモノにあふれてる』というテレビ番組があった。
仕事や家事を終えてほっと一息・・・そんなあなたに贈る、癒やしの紀行番組です。 ファッション、グルメ、インテリア、雑貨・・・世界各地に眠るきら星のような素敵なモノを探し求める旅。 夜、眠りにつく前に、美しきモノたちのストーリーに触れ、それが生まれた街の美しい景色を堪能する贅沢な時をお届けします。
この、モノというものには、あまり興味がなかったけれど、きっと、世界は出会いたい場所であふれている、そんな気がした。いつも旅の動機は、この原動力は、ただ、「そこに行きたい」という想い。そして、癒しではなく、現実の延長線上にある、人々の暮らしに出会うこと。生きる智慧を拝借しに。
数年前のノートに書いた「やりたいことリスト」のひとつに、「文化の交差点、ウズベキスタンに行く(冬は寒い、ベストシーズンは10月頃)」とあった。
やっぱり、書くっていいよね。「これだけずっと前から行きたかったのか私!そうだ、当時は、雑誌で見たサマルカンドに魅了されたんだ!」って思い出すから。別に、この場所に欲しいモノがあったわけではない。美しいサマルカンドの映像や絵なら、至る場所で見てきたし、雑貨ならオンラインでも輸入雑貨店でも手に入れられる。
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ウズベキスタンは、中央アジアに属する。その中央アジアは、カザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、トルクメニスタン、タジキスタンから構成される。この中央アジア5か国と日本は、2022年に外交関係樹立30年目を迎えた。豊富な天然資源、雄大な自然、独自の歴史と文化がある、神秘の国々である。
以前、ウズベキスタン出身の大学院の友人が、「マミは、東南アジア(ベトナム)から南アジア(インド)に移り住んでいるから、次は中央アジアに来そうだよね」と言っていたけれど、本当にその時が来た。そして、大学院の文化イベントで、各国の観光ビデオ作製企画があって、ウズベキスタンチームが作成していたタシュケントの駅のデザインがとても気になっていたところだった。
・・・まぁ、冬があるから、住むことは無いと思うけど笑
準備
メモ(事前情報収集)
・夏季と冬季の寒暖の差が激しいので、6月または9月~10月頃がベスト
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・30日以内の観光はビザ不要
・公用語はウズベク語。ロシア語も通じる。
・宿泊するすべての場所で滞在登録が必要。
・美味しい野菜と果物が豊富!
・「乙嫁語り」物語の舞台いは19世紀後半の中央アジア・コーカサス
・ティムール帝国の首都サマルカンド
・古代シルクロードの交差点
・人口の95%ほどはイスラム教徒
・日本人の技術、仕事への信頼、敬意
・日本とウズベキスタンの国交樹立25周年を記念した共同製作映画『旅のおわり世界のはじまり』(To the Ends of the Earth)はウズベキスタンが舞台
・日本からだとインチョン経由が主
・チェンナイからは、中東やデリー経由
チェンナイ→アブダビ(IndiGoまたはEthihad)→サマルカンド(タシュケントもあるけれど値段高い)
・今回初めて知った航空会社WizzAir!ハンガリーの格安航空会社!
・地球の歩き方特派員、JICA海外協力関連と国立サマルカンドサービス経済大学付属の施設として2013年よりオープンした(元簡易案内所)、それが拡張した旅行会社もある観光案内所あり
・サマルカンドには複数校、国際観光サービス学科、外国語大学、シルクロード国際観光大学などの観光学を設置する学校があり観光人材育成を目指している(観光開発、マーケティング、ホテルマネジメント、観光まちづくり(閑散期の観光資源活用、地域ブランド確立など))
・観光分野でも査証緩和など具体的な改革が行われ、観光客は飛躍的に増えている。一方、観光業界の人材不足や制度上の規制ハード・ソフトの観光インフラは整備が十分に追いついておらず、観光業を担う人材不足、人材育成が課題となっていた。理論と演習。
・国立サマルカンド経済サービス大学
「経営学部観光学科」に相当する観光サービス学部
着地型観光開発ワークショップもあった。
フライト
フライトをいろいろ調べていたけれど、チェンナイからウズベキスタンまでは直行便が無いので、デリー経由か中東経由になる。日程と価格、フライト時間等を総合的に考えると、チェンナイ→アブダビ→サマルカンド→陸路でタシュケント→デリー→チェンナイが一番適当であった。この、中東からウズベキスタンに飛ぶ場合、WizAirという格安航空以外は、全て高額だったと記憶している。WizAirは、3時間前までにオンラインチェックイン要。(Trip.comなどの会社で取って、フライト時間に変更等があったとき、オンラインチェックインができないので注意)。もし3時間前までのオンラインチェックインを忘れてしまった場合は、空港のカウンターでチェックインの手続きをする必要があり、この場合はチェックイン手数料として大体日本円で5000円〜6000円徴収。と体験談があったけれど、まぁ、とりあえずサイトで直接予約して、なんならアプリも登録して、下手に旅行会社を通さないのがベター。
あぁ、欧州の格安航空会社といえば、ライアンエアーやイージージェットの苦い思い出を思い出す・・・。
チェンナイからはEthihad航空でアブダビまで飛んで(3時間50分)、そこで5時間ほど過ごしてからの、サマルカンドを目指すのだ。Ethihad航空は、チェックインの際に座席指定(無料)ができるから良い。たしか非常出口付近のみ有料。
ウズベキスタンへの旅路
今回は、夜の便だったから夕方メトロで空港へ。18時頃は学生の帰宅時間。メトロ駅のセキュリティーが混む。ただ、空港まで、近づけば近づくほど、人が減った。
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チェンナイ空港19時頃はすいていた。この、チェックインしてからラウンジ行くまでに15分程しかかからない最高の時間帯。こういう時、いつも思い出すのは、ヒースロー空港(英国)。出国、入国にも3時間ほど要したことがあったなぁ~今は少しはマシになっているのだろうか。
荷物チェックは、いつも充電器とかスマホとか、パソコン含めてほぼ全て出すけれど、今回はピンセットでひっかかる。
「これ、何かを掴むものだよね。でも先尖っていないなら大丈夫」と空港職員に目視で言われる。なぜか、ピンセットで思い出したのか、空港職員から「あなたは日本人?」「私、日本のお箸が好きなの」とお箸好きアピールをされる。
人が少ないと、空港スタッフも暇なのかより一層フレンドリーだな。
ラウンジで一休み。野菜とフルーツを頂く。
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窓側の席。結構満席だった。食事も出たけれど、お腹あんますいておらず、少しだけ。白ワインも頂く。途中で、なぜか頭が痛くなる。機内では嫌だ。でも、水を飲んでいたらマシになって、目を閉じて寝ていたら着いた。外は暗いからほとんど何も見えず。
アブダビ空港に到着
UAE時差:日本とは4時間、インドとは1時間半
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アブダビ空港って、以前トランジットで来ていたのだろうか。ほとんど覚えていないけれど、Ethihad航空、いつか使った記憶が。とりあえず、今回は一度空港を出て、また出発ゲートに行くことに。入国審査、結構人並んでいたけれど、ここで特権が使えた。2人位待ちのみ。ラッキー。出口出てから、また出発ゲートに。まずはターミナル3に着くけれど、ここはEthihad航空専用。そのままターミナル1へ。徒歩4分。
思ったけれど、6時間の時間は充分すぎた。まだチェックインカウンターが開いていない。3時間45分後くらいの出発航空まで。到着したのは12時。ということは、2時半頃まで待たないといけない。
でも、壁に充電器があり、Wifiも無制限で接続できるので、思考をまとめる。ラウンジに、シャワー無いかな。(追記:あった!無料!)
WizAir!の機内持ち込み手荷物は大きさは座席下に収納できるサイズ規定があったけれど、重さは計られなかった。オンラインチェックインを搭乗3時間前までに済ませ、その時に座席指定をすると、購入時に座席指定するよりも数百円程安くできた模様。
アブダビ空港の入国ゲート付近は簡素なものだけれど、出国ゲート付近はとても豪華でお店もたくさんある。ほとんどが免税店のようだけれど、イスの数も多いし、なんせラウンジが豪華。スマホを充電しながら、美味しい食事を頂く。
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サマルカンド
初めて訪れる国は、普通首都なんだろうけれど、日本でいうと東京ではなく、福岡に入国・・・そんな感覚。でも、これ後々考えたら良かった!小さな空港で動線も簡単、シンプルだし街まで近い。
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サマルカンドの国際空港は、飛んでいる便も少ないのかとても質素、こじんまりとして静まり返っていた。でもとてもキレイ。ここにあるATMでソムを引き出し、SIMカード(70000ソム)をゲットし、バスで市内に向かうことに。地図を見ながら、1時間ほどとなっていたので、これ、歩けるんじゃないかな?と思って外に出たら、ちょうどバスが停まっていたという奇跡。近くにいた学生に行き先を聞くと、運転手に教えてもらい、運転手も私が目的地までちゃんと辿り着くか最後まで確認してくれた。(はじめてのお使い状態w)市内の行きたかった飲食店の前の道を通るので、そこまで2000ソム。というか、1回の乗車で2000ソム。どこまでも行ける~ちなみに、この空港発のバスは、電車の駅まで向かうのだそう。
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ホテルにチェックイン
まず最初にホテルにてチェックイン。数時間前に到着したけれど、部屋の準備ができているとのことで、先に部屋に入らせてもらう。感謝。
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そして嬉しいサプライズだったのが、バスタブ付きだったこと!10月のウズベキスタンの早朝や夜は寒いので、非常に助かった!もちろん部屋は充分暖かかったけれど!
サマルカンドの街歩き
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旧市街の町並みの場所、をうまくつかうブハラ・スタイル。
レジスタンス、グルアミール、ビビハニム・モスク、シャヒジンダー(サマルカンドらしい)
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そしてサマルカンドで一番有名なのは、レギスタン広場だと思う。この、レギスタンとは、「砂地」の意味なのだそう。チンギスハーンの来襲以降、アフラシャブの丘から移動したサマルカンドの商業の中心地となった。
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済んだ空気がまた美しい。若干の肌寒さも忘れるほどに吸い込まれる空間。
レギスタン広場(Registan Square 50000)、シャーヒズィンダ廟群(Shah-i-Zinda 40000)、ビビハニム・モスク(Bibi-Khanym Mosque 30000)、グリアミール廟(Amir Temur Mausoleum Gur-i Amir Complex 30000)、シヨブバザール (Siyob Bozor) 、ウルグベク天文台、アフラシャブ博物館、コニギルメロス紙すき工房、シルクロード・サマルカンド
ビビニハム・モスク(中央アジア最大級のモスク)
1399年、インド遠征から帰ったティムールは世界に比べる物がない壮大なモスクを造る決意をする。建築には帝国各地から集められた200人の職人と500人以上の労働者、そして95頭の象が従事し、ティムール自身が毎日現場に出向き、指示をする熱の入れようだった。結果、モスクはティムールの死の1年前、1404年に異例の速さで完成した。(その後、れんがの落下や度重なる地震で姿をとどめないまでに壊れた)
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建築だけじゃなくて、あらゆる職人さんを訪問したサマルカンド。『世界にはほしいモノであふれている』それは、本当かもしれない。私の欲しいものは「生きる智慧」。この後に、中央アジア・南アジアの複合的な様式が見事に「統合された」タージ・マハルを訪問し、初代皇帝バーブル=ナームの生涯やムガル帝国に思いを馳せる。
そして改めて、文化や芸術、建築を通して越境することで、国境は人間が作り出した作為的なものだと痛感する。
「よく休めて、旅ができて良いね」と言われるけれど、旅先でもワーケーションやっているかのようにワッツアップで頻繁に連絡取っているし、グーグルマップで旅先のカフェ探しているときに、急に(地図上で)インドに飛んであらゆる行事の候補地の立地を検索することもある。時差も含めてスケジュール感覚がよくわからなくなったり「あれ、今私どこにいるんやっけ」というパターン。でも、これは一人でいるときであって、特に移動時間に集中させて、誰かと会うときは完全にオフラインだけれど。
こうやって得た生きる智慧を、自分の人生にも、仕事にも生かしていく。
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