ホーチミンの日本人街で、少し日本に浸ろうと思ったら、また少し日本から遠ざかりたくなった話

ホーチミン1区にあるレタントン通りには、日本食専門スーパーや日系クリニック、大手インターナショナル病院、映画館、マッサージ、日系ホテル、焼き肉やラーメンなどの飲食店など、生活用品から娯楽施設まで全てが揃う日本人街といわれるエリアがある。ここはとにかく、日本と同様の生活ができる環境が全て整っている。

私自身は、その「便利さ」は特に必要としておらず、日本食が恋しくなることもなく、月に1度はホーチミンに来ているのにも関わらず、この辺りは歩くことはなかった。

今回、友人がこの日本人街にあるホテルに宿泊するというので、私も利便性を考えて近くにどこか良いホテルが無いかを探していた。偶然、とても素敵なデザインの宿を見つけたので日本人街の中のホテルを予約。

そして、初めて、異国の日本人街をゆっくりと歩いて周ることになる。

ここは、日本の縮図だ。中高年男性が、ひとりでコンビニに訪れ、弁当やサンドイッチ、ビールを大量に購入し、店員と一言も会話せずに、どこかのホテルの一室に帰っていく。日本人家族は「日本語対応」「安全」が最優先事項の為、日系大手ホテルから出てくるのを目にすることが多い。日本人街に宿泊する女性は、だいたい2人が多く、ベトナムに来て、日本人街のラーメン屋でラーメンを食べていた。そしてバックパッカー。初めてなのか、自分を少し大きく見せようと必死なのがわかる。タクシーを捕まえようとしているその手は、上がりきっていない。

極めつけの出来事は、タバコを吸いながらコンビニに入ってきた2人組の男。店員がすかさず、英語で"No smoking inside."と。出口に戻ろうとするも、意味不明な抵抗を繰り返す。"Excuse me, you are so impolite."とベトナム人店員。この客は、路上にタバコを捨て、また店内に入っていた。この場で、私は逃げたくなった。こんな場面に出会いたくなかった。日本で感じていた、何か嫌な雰囲気が、そこにはあった。くだらないのだ。タバコも、このような行動も。こんなことを経験する時間は無駄なのだ。

日本人が、というわけではない。ただ、日本人が集まったときに出される雰囲気、空気感、忖度、気遣い、遠慮などから、自分は遠ざかりたいのだ。余裕がない世界。そしてお互いに無関心の世界。

やはり、環境は大切だ。今の環境に心から感謝しつつも、2020年はもっと還元できるように、情報格差をうめること、結果を残すこと、行動で示すことを徹底していきたい。


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