2年ぶり、熱帯建築をめぐるベトナム夏のバイク旅(渡航を含めた2022年総合版)
【絶賛編集中】2022年7月~9月
タイトルを「コロナ禍のバイク旅」としようか一瞬考えたけれど、「コロナ禍」と感じるのは、全て日本社会でだけであって、ベトナムは日常なので、書かないことにした。この夏、世界は「前進」しているのだ。バイク以上のスピードで。
ベトナム渡航準備
パスポートの申請
期間:申請から受領まで7~10日間程
申請料金:10年用1万6000円
日本からベトナムへ再渡航する為に、私にとってはパスポートの更新が必要だった。渡航する際、パスポートの残存有効期間は入国時から6か月以上。
ビザ査証
日本国籍のパスポートで15日以内の滞在はビザ不要(ベトナム)
1.パスポートの残存期間が6か月以上
2.出国用の航空券を所持(日本か第三国)
※これは、日本出国の際は航空会社に確認されたけれど、ベトナム入国時に聞かれたことは無い(過去8回程)
15日以上滞在希望する場合
1.日本のベトナム大使館・領事館
(旅行会社でビザ取得代行を依頼することも可能)
1か月6500円、3か月7500円
2.タイやカンボジアなどの周辺諸国でもビザ取得可能
3.eVisa(電子ビザ)申請
25USD、1か月(30日)のみ
発給対象者:日本を含む80か国の国籍者
専用サイト:https://evisa.xuatnhapcanh.gov.vn/
ちなみに、15日以内のビザ免除で入国後、滞在期間延長措置もあるらしいけれど(最大15日間)、提出書類が多く(パスポート,滞在期間延長許可申請書(NA5フォーム),旅行日程表,保証旅行社との間の契約書,往復航空券写し)、旅行会社に委託する必要があり、延長希望日3日前までに申請等と面倒なことが多そうだった。事実、このような細かなことを、旅行会社がどれだけ知っているのだろうか。
とりあえず、一番楽で手っ取り早いのは、eVisaであり、値段も安い。
バイク旅までの道のり(思考回路)
さて、いつかの夢だった、ベトナムのバイク旅。メコンデルタの平地をバイクで巡っているときに、ふと、「このまま北部まで行ってみたいなー」と思っていた。(2000㎞の距離)
自分がバイクで走っているときに、同じ速度に合わせて急に車から顔を出して「お姉ちゃん、ロンスエンって、この道で合ってる?」と聞いてくる見知らぬ家族。
カバンのポケット全開でバイク運転していたときに、「荷物のポケット、開いてるよー!」と自身もバイクに乗りながら声を掛けてくれたおっちゃん。
突如として目の前に現れる穴、川、ドブ、鳥、鼻に入る虫、バイクごと飛ばされそうになった突風、スコール、大気汚染、熱波、日焼け、騒音、自分の存在を示すクラクションのオンパレード。バイクは、「風を切るのが気持ちいい!」・・・だけでは終わらないけれど、流れに乗って走っていると、ふと風そのものになった気がする。サーフィンと同じような感覚。
結局、コロナの影響で、全ての計画が絶たれた2020年。いつか。そんなことを思っていたら、2002年、今から20年前、『水曜どうでしょう』という番組で、実際に2人のタレントさんがベトナム北部ハノイから南部ホーチミンまで1週間で1800㎞の道のりをバイクで旅した記録があった。(友人から聞く)
・・・1週間で1800㎞か。
2週間あれば、ベトナムの建築を巡りながら、ハノイからカントーまで旅ができるのかもしれない。本当は、北部のソンラ省にある、ヴォ・チョン・ギア氏の竹建築がある場所まで行きたいけれど、初っ端から山はキツイかも。
ビザを取得して、1ヶ月のバイク旅も良いかも。
ハノイの友人にバイクを借りて。でも、そうなると往復しないと笑
2022年7月追記:この後、ホーチミンからハノイまで乗り捨てもできる会社が近くにあることを知る。
例えば、10日間、1日200㎞(5時間ほど)走行して、2000㎞。
縦断するとなると、天候が気になる。ハノイ等の北部は、冬は寒いので、5月~6月でも良いのかも。カントー等の南部は、1月から2月は最適。晴天が続く。が、ハノイは寒い。フエとかホイアン等の中部は、11月~1月頃まで雨季。・・・テト休暇前の1月かな・・。
カントー:熱帯モンスーン気候。 季節は、5月から11月までの雨季と12月から翌年4月までの乾季。
ハノイ:亜熱帯気候。7月~9月頃まで降水量多い。11月頃から気候が快適(22度前後)。
2022年7月追記:そして、天候に関しても、実際に走ってみて思うけれど、だいたい早朝は快晴で、スコール並みの大雨が15時頃から降り出して17時頃には止み終わるというパターンが多いので、あまり月を決めなくても良いのかもしれない。
天候や1日の走行距離など、構想していると How do you like Wednesday?『原付ベトナム縦断1800キロ』のDVDを友人が買って来てくれた。この放送によると、一日平均250㎞走行。2002年7月31日~9月25日まで7週に渡り放送されたもの。
番組内のベトナム旅の行程
ハノイ→ヴィン(ハーティン)→フエ(峠越え+ハイヴァン峠+ダナン)→ホイアン→クイニョン→ニャチャン(ダラット)→ホーチミン
と、国道1号線をひたすら南下する道のり。
ニャチャンから、ダラットまでは約200㎞で、27号線沿い
ダラットは高原地帯なので、一気に気温が下がる。
1日目は290㎞、2日目は150㎞、高級リゾートに泊まったり、マッサージ受けたり、スコールにあったり、気分転換しながら、お尻が痛くなると言いながら、それでも「食事のおいしさが勝つ!」と言いながら旅を続ける2人。
印象的だった言葉は1日目の旅の後、
といっていた、大泉さんの言葉。
確かに、ベトナムでバイクに乗っていると、いろんな意味で「生きているなー」と感じる。常に死と隣り合わせだから。いつ、目の前の巨大なトラックや観光バスが、予告も無し(もしくは、左折のウィンカーつけながら)に右折してくるかわからないから。
ベトナム夏のバイク旅
行きたい場所を、とりあえずピックアップ。北部の山岳地域や中国との国境付近は、行くまでの道のりが険しくより時間がかかるので、スケジュールに余裕が必要。
北部の山岳地域
・ソンラの学校建設
・ソンラ省:Nhà Hàng Suối Hẹn(ヴォチョンギア建築)
・カオバン省:バンゾックの滝(ハノイから車で7、8時間程)
・ホアビン省:Mai Chau Ecolodge(ハノイから車で3時間半)
・ハロン湾:Castaway island Catba
ハノイ市
カフェ/ お店:
Phúc lợi:はんこ屋 10分3USD~
Zó 手すきの紙を使ったノートやカード 線路脇のお店
V’s HOME 2階
ẦU Ơ … Vietnam Kitchen 解放感のある中庭
Đông Phú 1932 入口に池、階段は吹き抜け、鍋料理中心
Tranquil Books & Coffee
Cafe Phố Cổ
The Little Plan Cafe (Kế Hoạch Nhỏ Cafe)
Lutulata 建築家オーナーと仲間でオープン、バッチャン焼きのチェー
Veggie Castle ベジビュッフェ 70.000VND
Hương Sen 古来からの蓮花茶の製法を守り、6月~7月頃は、朝8時半から9時頃に蓮花茶作りを見学できる
ベトナムの蓮茶:緑茶に蓮の花の香りをつける「蓮花茶」、蓮の葉を乾燥させた「蓮葉茶」、蓮の実の芯の部分を乾燥させた「蓮芯茶」がある。
蓮花茶:trà hoa sen
蓮葉茶:trà lá sen
蓮芯茶:trà tim sen
31 Đào Duy Từ 緑茶の新しい飲み方、ジャスミン茶にベトナムライムのチャインと砂糖を入れた冷たいドリンク:Trà Chanh
マッサージ&スパ:
SF Spa
YAKUSHI Center
Hương Sen お風呂、サウナ、マッサージ、軽食のセットコース105分、350.000VND
Huongsenhealthcare.com
スーパーマーケット:
Intimex
LOTTE MART(顔パック PURITE)
ベトナム版タイガーバーム:頭痛、鼻や喉の不調、虫刺されに効果あり Cao Sao Vang
博物館:
少数民族博物館 Craft Link(20年以上ベトナムで少数民族の支援を続ける) クラフトリンクバザー
ハノイオペラハウス(フレスコ画の天井とシャンデリア)
ベトナム女性博物館
Bamboo Bar
Mountain Dreamer’s House 少数民族調のファブリックで統一されたログハウス、ザオ族薬草風呂で使う樽風呂
The Chanh Sa ローカルな民家
ハノイ市のゲストハウス(ドミトリー)
・Tabalo Hostel Hanoi
・Hanoi EcoStay 1 Hostel (約700円)
・Halley Hostel(2022年5月現在臨時休業)
・Little Charm Hanoi Hostel - Homestay (約900円)
・ニンビン省「チャンアン複合景観遺跡群」(ハノイから車、バス、電車で2時間半)バイディン寺「東南アジア最大級の仏教寺」
中部のビーチリゾート(2022年7月~)
ベトナムのバイク旅の何が「便利」かというと、どこに行っても、何時に行っても、飢え死にすることは無いということ笑 お店によっては、朝5時頃から開いているし、どこ行っても基本ハズレは無い。ちなみに、日本人に「衛生面は大丈夫?」と聞かれることも多いけれど、私は、この数年間、ベトナムで体調を崩したことが無い。大量の葉っぱと果物のおかげだと思っている。
・ダナン:ナマンリトリート
ダナンの中心部から、バイクで20分程、ホイアン方面に南下した場所にあるNaman Retreatは、VTN Architects建築で有名。(と思っていたのは私だけで、現地のスタッフですらなかなか建築の話は知らない・・・)レストラン利用だけでも、快く敷地内に案内してくれたカートの方に、「海外旅行客は戻ってきていますか?」と聞いたら、「まだまだベトナム人観光客がほとんどですね。以前は、アジアの方々も多かったけれど・・・もう少し時間がかかると思います」とのこと。
・ニャチャン:ニャチャンがリゾートになったのはダラットと同じくフランス統治時代、古くからリゾート地として人気、ベトナムがロシアと仲が良かったのもあり、昔からロシア人が多く訪れるリゾート地としても知られ、ロシア語も多い
ホーチミン市
ZUZU Concept Store フランス人&日本人オーナー
SHIN Heritage(カフェ)エッグコーヒー
B Relax Massage (竹のデザイン)
ホーチミン市のゲストハウス(ドミトリー)
・9 Hostel and Bar
・Alleyway Hostel
・Andy's House
・The Myst Dong Khoi
ホーチミン市からビンズオン省(20㎞)
Gió Và Nước Cafe 風と水のカフェ
ホーチミン市からカントー市(170㎞)
Can Gio mangrove forest (ホーチミンにある湿地帯)
ホーチミン市からファンティエット省(200㎞)
この海沿いを行く区間、La Gi という小さな漁港の街で1泊はさんでいる。La Gi の街は、小さいけれど、中心に非常に丁寧に手入れされた公園があり、そして史上最強に安くて美味しいベジタリアン料理を提供するお店に出会い、カラフルな小舟と川に惹かれた。最初は、ホーチミン市でオススメされた Lara Homes を目的地(宿泊地)にしていたけれど、9月まで改装中とのことで断念。
とにかく、長時間同じ体制で運転していると疲れるので、たまに座席の上で立ったり座ったり、ストレッチをしながら前進する。そして、衝動的に写真撮りたいと思ったら、後ろを確認しながら、停まって撮影。
ムイネー周辺のホテルを見ていて思ったのは、数年前のレビューはすごく良かったのに、コロナ禍を経て、最近訪れた方々が「建物の劣化」や「サービスの悪化」にショックを受けている様子。ムイネーは砂丘で有名な場所だけれど、この辺りはとにかくどこも海沿いのホテルが連なっており、どこも写真で見るととてもキレイだけれど、最近訪れた方々のレビューを特に注視してみると良いのかも。実際、この同じ通りで、建物が売却されていたり、壁に落書きが書かれていたり、実際サービスの低下を感じた場面があった。
このあたりは、土地がとても乾燥しているのと、海が近いのもあって、美味しく育つ果物がドラゴンフルーツくらい、という地元の方。ただ、そのドラゴンフルーツは、果物の種類で有名なカントーよりも、味が濃くて美味しいとのこと。実際、ドラゴンフルーツのジュースを頂くも、私自身はあまり違いがわからなかった・・・笑
・Ho Coc Homestay(ドミトリー750円ほど(現在改装中))
・Coffee Safari Ho Coc and Homestay (cafe & resort (8000円ほど))
・La Gi (Binh Thuan)
・Lara Homes (2022年9月まで改装中)
・Azerai Ke Ga Bay
・Victoria Phan Thiet Beach Resort & Spa
・Mui Ne/ Phan Thiet
・MiNhon Hotel
・iHome Backpackers
・Minera Hotspring Binh Chau(次回)
ファンティエット省からバリア・ブンタウ省(180km)
これは、2022年8月4日の記録。1時間に平均43㎞。速くなっている。この道は、舗装されたところがほとんどで、とても走りやすかった。
2022年8月~
ニャチャン周辺 (Khanh Hoa (Nha Trang))
・Nui Chua national park
・Amanoi Resort(滞在してみたいけれど、1泊10万円ほど・・・)
・Cam Ranh
・Mia Resort Nha Trang
・Ccasa Hostel (ホーチミン市内から430㎞/9hrs)
・Amiana Resort Nha Trang(市内からは少し離れた場所)
・Ba Ho Waterfalls Cliff Jumping
・Ninh Van bay at Ninhvana hostel
・Doc Let beach of Ninh Hoa
・Binh Lap Island of Cam Ranh
フーコック島
フーコック島には、約360の宿泊施設がある。
7月時点で、大雨の影響で船が停止して観光客が取り残されるというニュースがあった。(まぁ、ここでなら1か月ほど隔離されても良いが)
La Veranda Resort Phu Quoc - MGallery
MGalleryは、Accorグループの高級ブティックホテルブランド。「世界各地の物語を届けるホテル・コレクション」として、ここフーコック島や、日本では京都の京都悠洛ホテルMギャラリーがある。
2022年ベトナム観光再開の経緯
2022年3月15日以降、海外個人旅行客の隔離不要。ちなみに、この記事ではPCR検査結果やワクチン接種証明書等の資料提出は要とあるけれど、すぐにそれも廃止された。
航空会社も動きが早く、ベトジェット国際線利用者にはPCR検査無料サービスを提供。運賃無料キャンペーンも。
健康申告フォーム
https://tokhaiyte.vn/
アプリのダウンロード
https://www.pccovid.gov.vn/
ベトナム政府公式サイト
https://en.baochinhphu.vn/
ベトナム航空公式サイト
https://www.vietnamairlines.com
Exemption visa for 13 countries(ビザ免除国→順次増加)
Belarus, Denmark, Finland, France, Germany, Italy, Japan, Norway, Russia, South Korea, Spain, Sweden, and the U.K.
https://e.vnexpress.net/news/travel/vietnam-resumes-visa-exemption-for-13-countries-4438981.html
ベトナムの本
・絶対食べたいベトナムごはん
・食と雑貨をめぐる旅 悠々の都ハノイへ
・HOTEL INDOCHINA ベトナム、ラオス、カンボジアのコロニアルホテル
ベトナムの映画&音楽
ベトナム映画は、以前にまとめていたnoteがあるので、こちらで紹介。
Lê Cát Trọng Lý、Đường Một Chiều - Huỳnh Tú(ベトナムのカフェでよく聞く曲)、あと、最近カフェでよく聞く音楽は、韓国のピアニストの曲River Flows In You by YIRUMA(Korean Pianist)
南北統一鉄道
南北統一鉄道:ダナン~フエ3時間弱
世界の車窓から:統一鉄道の一番のハイライトはハイヴァン峠
ベトナム国鉄サイト
ベトナムの熱帯建築とは
約3年前に書いたnoteで、あの頃の気持ちを忘れないようにピン止めしているもの。「いつか、この建築たちを巡りたい」と思いながら、時は過ぎ、今に至る。ベトナムの熱帯建築とは、何だろう。なぜ、これほどまでに自分を魅了するのかはわからないけれど、「竹と植物が印象的なベトナム建築」だという私の3年前の感覚に、変化はない。ベトナムの熱帯建築は、光と風を取り入れるのがうまい。それも、日本の技術や建築家との協働によって生み出されたものも多々あると思う。
建築家である安藤忠雄氏が言っていたこと。
仕事への向き合い方として、安藤忠雄氏の考え方には賛同する。ただ同時に、ギリギリまで追い詰められたという経験があると「直観力」がつくかというと、そこには疑問が残る。どこにでも、異なる文化が育つ土壌がある。そして、植物が育つ環境や、建築法や、社会のあらゆる縛りや法規制を考えた際、建築家が本当に建てたい空間が、育ちやすい環境はあると思う。人間にも、自分らしくいられる環境はあると思う。そして、追い詰められるという経験は、私から創造力を奪っていた時期もある。「豊かさ」が、直観力を奪うというのは、あるのかもしれない。何にでも、お金や物に頼ろうとすると、それらが無くなった場合に、どうすればよいのかわからなくなるのだ。
ベトナム建築は、すでにある植物や光や風と、空間を融合させている気がする。雑多で、真っ直ぐじゃなくて、たまに薄暗くて、水がしたたり落ちる場面もあるけれど、自然の隙間がある気がする。外と内が、繋がっている気がする。
そんな熱帯建築を求めて、まだまだ旅を続けます。
おまけ
ヘルメットに、日本語で「がんばれー!!!」という文字が…笑
マラソンのTシャツみたいに、後者を応援するのは良いな。バイクは、バイクに頑張ってもらうしかないけれど。