カンボジアはすぐそこに!仏教徒の聖地・ベトナムのチャウドックへの旅
「よし、チャウドックへ行こう!」と思い立ち、カントーからチャウドックまでのバスを電話で予約したのは出発前日。今回は初めてFuta Bus (Phương Trang) を利用したのだが、電話で予約を行った女性の方が私の似非ベトナム語に気づき(?)、「どこの国の方ですか?」と聞いてきたので「日本人です」というと、電話を切る際に「ありがとうございます」と日本語で答えてくれた。私もつられて「どうもありがとうございました」と日本語で答える。
ベトナムの長距離バスは、予約の際に市内ホテルや自宅住所を伝えると、その場からバスターミナルまでのシャトルバスが無料で利用できる。今回も、お願いすると、「明日、出発の1時間程前に電話しますね」と。
ちなみに、バスの予約はオンラインでも可能だが、結局市内からバスターミナルまでのシャトルバスは電話で予約することになるので、最初から電話で予約するのが手っ取り早い気がする。ベトナム語が難しければ「tiếng Anh, được không?(ティエンアン、ドゥッコン?)」(英語できますか?)とシンプルに聞き、英語が話せる人と代わってもらうのも良いかもしれない。
カントーにあるFuta Busターミナル。他のバス会社のターミナルもここに集まっている。
このバスターミナルで、シャトルバス乗車時にもらった仮チケットと、予約時に登録した自分の電話番号を伝え、バス料金を支払い、チケットをもらう。
「9H00」は9時出発という時間表記。今回は、このバスにお世話になります。
ちなみに、カントーからチャウドックまでは、バスで3時間半で料金は100.000VND。ローカルバスだとより安いのがあるのかもしれないが、知り合いのベトナム人もカントーからホーチミン、カントーからロンスエン(アンザン省の省都)等都市間移動は先に予約してから利用している。
途中、1度トイレ休憩があり、ここには飲食店とお土産コーナーも併設されている。(ちなみに、休憩時間は15分程だが、早まることも、無いこともある笑)この休憩の案内は、バス車内であるのだが、ベトナム語でしかないのでとにかく「時間」の部分を注意深く聞く。
食べ物は一律40.000VNDらしい。やはり高め。
お土産も結構販売されている。
途中、アンザン省の省都であるロンスエンを通過。ベトナムの、メコンデルタの各省都は美しい。
川沿いに、ビンコムプラザも!ロンスエン、またいつか来ます!
ロンスエンからまた1時間20分程バスに揺られて、チャウドックに到着!
街中は結構栄えていて、ATMは至る場所に。市場の規模も大きい!意外と(?)屋内カフェも数か所あった!
バサック川沿いに歩く。ここでは、写真を撮影していると「ボート乗る?」と話しかけられる。「写真を撮っているだけです。」と答える。
中華系の人々も多く住んでいるチャウドック。看板の表示も中国語であった。(ベトナム語、中国語、英語)
この川の向こう側はチャム族が住む村で、一般人にも開放されたモスクもある。
この通りを少し歩くと、別の記事で紹介したビクトリアホテル・チャウドックがある。
中国語といえば、今回宿泊したホテルのアメニティグッズには日本語が記載されていた。シャワーにも日本製品だという表示があった。
アンザン省は、寺院や湖、山といった「空からの撮影」に適している場所が多い気がする。このダイナミックな景色は、神聖な場所を感じさせるからだ。
1日目の終わりには、地元の若者で人気だというボバティーのお店へ。安くて美味しい!
そして2日目の朝はチャウドックの街が見渡せるカフェのテラス席へ。旅の中で、私が重要視するものといえば、こういう「空想の時間」なのかもしれない。そして、私の頭の中は常に旅と共に情報もアップデートされていっているので、最初から予約したり、時間が決められているのは苦手だ。
その後、宿をチェックアウトし、他のホテルで自転車を借りて、サム山側へ。
バイク1台に家族全員またがり、参拝に訪れるベトナム人観光客。奥には西安寺。
バー・チュアスー廊
サム山の麓にある「バー・チュアス廊」は、このエリアで最大の参拝寺院・観光地。寺院内は写真撮影禁止だが、ギリギリの場所でちらっと撮影。果物や花を購入し、祭壇に供えることは観光客でも可能。
この寺院に続く参道には、供え物や土産物、路面店が多数並び、なぜか京都の清水寺の参道を思い出した。熱心な仏教徒が参拝に訪れる。それも、バイクはもちろん、団体客が大型バスで来る光景もよく見られる。
ここを歩いていると、どこからともなく頼みもしない寺院の説明を永遠に語り続け、着いてくる人々に出くわす。本当に親切心から案内してくれる人も稀にいるのかもしれないが、その場合はこちらも真剣に学びたいので英語ができるとありがたい。そして、ベトナム全土に渡って、よく路面店で食べていると店内まで販売にやってくる「宝くじ売り」の人々。ここでは、子供たちも販売していた。
サム山一帯は、毎年旧暦の4月23日から27日は法要祭が行われ、より一層盛り上がりを見せるのだそうだ。
帰りのバスは、数時間前に予約。サム山側にも、Futa Busのミニオフィスがあるので便利だ。国境付近の町というと、民族紛争が起きたり、危険なイメージがあり、それは今でも世界の現状だ。ただ、なぜだか、チャウドックでカンボジアに続く川を眺めていると、国境は人間が作り出した罪でしかなく、人間はただひたすら「幸せ」に向かって生きているんだと思った。ここは、観光客にこそしつこく喋りかけてくるし、萎えることもあるけれど、大自然と人々の暮らしが調和した、灌漑深い場所であり、「人生」の英知に富む場所だった。