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Day 27 新潟県長岡市の朝

新潟県の長岡市が、日本三大花火のひとつ長岡花火大会が有名な市だと思い出したのは、到着してからしばらく経ってからだった。

市民の皆さんには大変失礼だし、「それなら来るな」と言われちゃいそうだけれど、私は新しい街に降りたった瞬間に「この街は、自分が好きになるかどうか」がわかる知力と直感を兼ね備えていて、長岡は「ここは、違う」と思った。

あくまでも、今の私には合っていない。ということ。

世の中には、人間が、使いこなせている建築と、使いこなせていない建築がある気がする。ここは、後者だった。なんだろう、この圧力は。

スペインのガウディ建築なんてものは、明らかに人間の理解の枠組みを越えていて、あれはあれで建築美があり、むしろ教会のような、人間が理解しえないものを縋るときに行くようなもの。

ただ、ここは公共の場。人によりそれぞれだろうから、これは私の個人的な感想だけれど、この場所は街に溶け込むどころか、ここだけでひとつの空間があって、周りの街の風景の世界とどこか遠いものを感じた。

それでも、街には朝がある。

朝、私は昨晩20分ほどお邪魔(オンライン会議の合間・・・)したカフェにまた訪れていた。なぜなら、朝7時からオープンしている、有難い場所だったから。そしてお目当てのクラムチャウダーを頼む。

ひとりで切り盛りされていると見られる店長さんは、夜も朝も、素敵な笑顔で迎えてくれた。昨晩「ポイントカードお作りしても良いですか?」と聞かれたが、今朝は聞かれなくなった。

私は、今日、また移動するのだ。

「これからお仕事ですか?」そう聞かれる朝。

朝、このようなオシャレなカフェで一服した後の通勤。思えば、表参道でもそんな日々を過ごしていたんだなと、ふと思い返す。

「ほんとうに、日本は平和だよなー」

そんな、清潔で静かな日本の朝は、メコンデルタの人々から羨ましがられる光景なのかもしれない。でも、どっちも知っちゃった私は、あの喧噪が忘れられない。

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