【Day28】ベトナム63省バイク旅(Hanoi編)「君は、他の日本人とは違うね」
朝。宿泊費が日本円に換算して1400円ほどだったのにも関わらず、メインを1品オーダー+セミビュッフェの朝食がついていた。こういう場所では、あえて西洋料理を注文。ベトナム料理は、どこでも安く食べられるし!
良く寝るくせに、朝は早いから、朝食が6時頃から開始されるのは、本当に有難い。VIVAベトナム!1時間ほど、ゆっくりと調べものの時間に費やし、まだ果物とカフェを頂いていたとき、アメリカからのお客さんに話しかけられる。
「シンガポールからの人だっけ?」と、他の誰かと間違えている話しかけ方だったけれど、そのおかげで果物を食べながらいろんな会話ができた。中国で英語講師として働いているけれど、今はビザの更新の関係で一時ベトナムに滞在しているらしい。ただ、現状中国ってまだビザの更新とか受け付けてなさそうだよね、と思いながら、かれこれ3週間ほど、ハノイにいるらしい。海外に滞在している外国人で、半分くらいの人々はビザ関連で何かしら考えている気がする。
「日本人ですよ」というと、「今まで出会ってきた日本人は、恥ずかしがり屋なのか、自分と喋りたくないのか、よくわからないけれど話そうとしなかったけれど、君は、他の日本人とは違うね」と言われる。
これはね、全部、今は自分に「余白」があるからだと思う。大都市で仕事をし、生活を繰り返していると、「余白」が無くなる。余白が無くなるっていうのは、好奇心を殺す気がしている。だから、「時間が無い」という言い訳をして、なるべく人々や予測不可能なものに関わらないでいる。
昔の自分だ。
そんなことを考えていたとき、ちょうどよい言葉があった。そう、
"It all starts with you and how you feel about yourself."
全ては自分から(自分の感情コントロールから)、始まる。
「あなたのビザの更新が、早く終わると良いですね」
「よい一日をお過ごしください」
こういった相手に対する配慮は、やっぱり自分に「余白」がないと、できないものだと思う。
午前中、ヨガ教室を探して向かったものの、ドロップインのクラスで250.000VND(1600円程)とTHE観光地価格だったので、「ここに来るまでの良いエクササイズだった」と思うことにして、結局クラスに参加せずに歩いて運動をする笑
そして、昨日会ったドイツ人の子が行きたい場所があるということで、目的地の市場だけGoogle Mapで設定して、徒歩30分程、私がガイドをしながら向かう笑 やー、もうこれほど、何回も行き来して、歩きまくって、バイク乗って、ベトナム人の友人と会って、走って・・・していると、覚えるよね道!笑
ちなみに、このnoteのカバー写真でもあるハノイのTrain Streetは、2022年10月現在閉まっている。もともと、路線に面して可愛いカフェやお店が連なっていた場所だけれど、観光客が増えすぎて安全に支障をきたしたため、一度封鎖されて、再度いくつかのお店がそれでも営業を続けていたけれど、今回は完全に封鎖されている模様・・・。お店の人々にとっても残念だっただろうけれど、電車が通る直前まで路線に出て写真を撮る観光客も後を絶たず、閉めるしかなかったのであろう。
英語で聞いても、ベトナム語で聞いても、「ダメ」としか言わない警備さん。やー、きっと同じ質問を観光客から一日に何度も聞かれているんだろうな、と同情しながら、その場を去る。
その子が行きたいと言っていたのは、お店の方々が洋服を仕立てるときに使う布地を大量に販売している卸市場。ベトナム人の方々からも「なんで、この市場を知っているの?」と驚かれていたくらい、観光客がほとんど行かない場所らしく、私としても初めて聞いたので、少しわくわくしながら。
今回、少しの「旅」を共にしたドイツの子は、最初の会話から、ずっと話すスピードとか雰囲気、テンションが自分と似ていて、人生に求めるものもどこか重なっている気がした。軍隊としての経験を経てから、軍のコンサル企業に勤めるという面白い経歴で、いずれは心理学の分野でコンサルとして起業したいという。
7年程、付き合っていた彼氏と数カ月前に別れて、その後すぐにインドネシアに3週間旅をして、その後少しドイツに戻って、今はベトナム3週間の旅。仕事をこれだけ休めるのもスゴイなと思いながら、今まで出会ってきたリモートで仕事をする人々も見てきたうえで、「リモートでしようと思えばできる仕事もあるけれど、旅に出てまで仕事に縛られたくなかった」と言っていた。そうやって、きっぱり分ける考え方もあるよね。
「ベトナム人男性はどう思う?」って聞いてみたら、「うーん、わからない。たぶん、自分が見ようとしてないから、見えていないんだと思う。あまり知ろうとしていないというか。」と言っていた。基本、食事に行ったときとか、ベトナム人男性は100%支払う。男性陣が何人かいるときは、いつも「自分が支払う」ということで、喧嘩している(笑)・・・いや、喧嘩じゃないけれど、我先に、と店員さんにお代金を渡している。その話をしたら、「それはそれでよいと思うけれど、男性に100%支払ってもらうということは、「私はこの人とまた会ってもよい」と暗に伝えている感じがして。本当にそうであれば良いけれど、もし「二度と会いたくない」と思うのであれば、完全に割り勘にするか、私が全額支払う。支払って、「もう会いたくないです」と伝える」と言っていた。
いわゆる発展途上国で出会う、ドイツの子と話していて面白いな、と思うのは、お互い、いわゆる戦後から高度経済成長を経験した国で育っていて、発展途上国の国々に来たときに、「本当の幸せとは何なのか」「意義のある人生とは何なのか」みたいな、精神面、哲学的なことを考えるところが似ている気がすること。
その子は、「私は、英語があまり上手じゃないから」と言っていて、確かに、会話をしていて何度か「あ、これ英語で何て言うんだっけ?」と確認していたけれど、そうではないどこかで、なんか繋がる瞬間が多い。でも、そうかと思えば、「言いたいことははっきり言う」という点では、日本とはまるで正反対のところにいる気がする。
朝出会ったアメリカの方が、「君は、他の日本人とは違うね」と、世界や社会を2択でわけていたのと異なり、ヨーロッパの国々は本当に多様なように、ドイツといっても、様々なドイツ人がいて、人間の数だけの多様性があるのだけれど、それでも、今まで出会ってきたドイツ出身の人々は、みんな対話を始めると、ずっと似たようなテンションで、穏やかだけれど濃い対話ができる、そんな感覚がした。
そうして、天気が芳しくない日は、とにかく対話に時間をつかうのだ。