プロジェクトマネージャーの転職 その8 - カバーレターを書く -

すっかり間があいてしまった書き手Kの個人的な転職体験談ですが、カバーレターの話をしていなかったので、面接の話に移る前にもう一度だけ書類の話をさせて下さい。

今回は私の通った転職までの4段階

  1. モヤモヤ: 将来に不安を感じ、ただ漫然と探す

  2. シャキッと: 自己分析をし、ターゲットを絞る

  3. ワクワク: 応募の準備をする

  4. ドキドキ: 応募、選考(特に面接)

のうち、第3段階の第4話です。

バックナンバー

第1段階(だた漠然と現状に不満を募らせ、やさぐれた割には頭の中がお花畑だった頃):

プロジェクトマネージャーの転職 その1 - やさぐれた中年 -

第2段階(自分の価値観などを整理しようとミッション・ステートメントを書こうとし始めた頃)

前半: プロジェクトマネージャーの転職 その2 - 自分探しの沼 -
後半: プロジェクトマネージャーの転職 その3 - ミッションステートメント -
番外:  プロジェクトマネージャーの転職 その4 - ルサンチマンとの闘い -

第3段階(ポジションを探しながら履歴書などを準備した頃)
前半: プロジェクトマネージャーの転職 その5 - 異業界に挑戦したい -
中盤: プロジェクトマネージャーの転職 その6 - 自分を売り込むストーリー -
後半: プロジェクトマネージャーの転職 その7 - 履歴書(CV)を書く -

転職への道 第3段階 ワクワク編 延長戦

前回は、特に欧米での履歴書(Curriculum Vitae, CV)をどう書けば良いのか、という話をしました。欧米の履歴書は、日本の履歴書と職務経歴書を足してぎゅっと内容を凝縮したようなものなのですが(私の理解です、間違っていたらごめんなさい)、これに加えてカバーレターなるものを用意する必要があります。

転職の一次試験「カバーレター」

カバーレターは、基本的には各種提出書類の一番上に添付するもので、本来は「このポジションに応募したい者なのですが、こういった書類をお送りしますのでどうぞお納め下さい」という事務連絡のためのものだったはずなのですが(書類を送る時に、普通は書類だけ無造作に送るのではなく、用件を書いた紙をつけますよね)、今ではここでもしっかりとアピールしないとそもそも履歴書を読んでももらえないという非常に大事な書類となっています。

多くの採用担当者が、最初にカバーレターを読んで最初のふるいにかけています。ただ、私自身が採用に関わった時は、カバーレターと履歴書はセットで見るようにしていました。というのも、結局大体のカバーレターはテンプレのように似たり寄ったりなので、一概にそれだけでは優劣決め難かったからです。元々自分の母国語ではないので、文章で長々書かれてもピンとこない、というのもあったと思います。それでも、履歴書は履歴書で、基本的には箇条書きなのでストーリーがぶつ切りになりがちですから、その点と点をカバーレターの文章でうまく繋いでくれるとその人となりへの理解が深まり、採用する側としては有り難かったのを覚えています。

ですので、カバーレターには大変コンパクトに(通常A4一枚)に、自分のこと、志望動機、自分を採用するメリットをまとめなければなりません。ただ、自分を売り込むストーリーさえしっかり考えていればそう困ることはないはずです。それでも、ストーリーを全部盛り込むと普通はA4一枚には収まらないでしょう。私も最初A4二枚ぐらいになりました。削っていく過程で、本当に自分が強調したいことだけを厳選して、言い回しも工夫して短くしていくのですが、これは本当に大変な作業です。もし誰かアドバイスをくれそうなお友達でもいるのであれば、1ページちょっとぐらいまで減らした段階で一度客観的に見てもらうのも良いと思います。

カバーレターの内容

ギリギリまで内容を絞るとは言え、以下の情報が必要となります。

  • 名前、住所、電話番号、メールアドレス
    カバーレターの最上段に、名前は大きく、目立つように

  • 自分を(仕事上)最も良く表す一言
    名前の下に、自分を一番よく表す一言、大体の場合は直近の役職(「プロジェクトマネージャー」など)、自分の特徴を表すなら多少アレンジしても良いが(例えば「国際的な環境で挑戦を続けるプロジェクトマネージャー」)基本的には仕事に関連する内容であるべき(「さすらいの旅人」などは仕事と関係ないので避けた方が良い)

  • 用件
    何のために書類を提出するのか、何のポジションに応募したいのか(「開発プロジェクトマネージャーポジションへの応募」など)

  • 自己紹介と応募の背景
    本文の最初の段落、5行前後で、ここは結構テンプレに従うのが無難
    例: 「自分は常に研鑽して高みを目指したいと考えているので、自分がより一層成長できるような機会を探している。そうしていると、このポジションの募集に出会った。この業界の昨今の成長には常々興味を持っていた。自分のこれまでの仕事の経験を活かして、是非お役に立ちたいと考え、応募することとした。」
    ただ、テンプレは無難ではありますが、インパクトに欠けるのも事実です。この最初の段落でもう少し独創的に書けると良いかも知れませんが、あまりアピールしすぎると逆に怪しく見えるというのもあり、そこはよく考えて練って頂きたいと思います。

  • 自分を採用するメリット3点
    「ここで私が御社のお役に立てると考える理由3点挙げさせて下さい。」と書き出して、3段落に分けてメリットを簡単に説明、これは売り込みストーリーに則って一番強調したい3点を挙げる

  • まとめ
    数行のまとめ、ここもテンプレで良い
    例: 「あなたの興味を惹くことができたでしょうか?その様であれば、一度直接お話する機会を頂きたいです。面接の日時は柔軟に対応できます。ご連絡お待ちしております。」

  • 直筆のサイン
    欧米では手紙の最後は直筆のサインが必須

写真は必要か

写真に関しては、履歴書と同じです。欧州では、カバーレターにも写真を貼り付けるケースが多いですが、アメリカでは、写真の添付は禁止されているようなので、よく確認して下さい。あくまで個人的な印象ですが、欧州ではまだ写真を貼り付けておいた方が、面接に進める可能性が高いような気がします。

アピールポイントの書き方

自分を採用するメリットを3点挙げますが、ここも履歴書と同様、具体的、定量的に書くことが重要です。細かい説明は、前回の記事をご参照下さい。

以上、カバーレターの書き方についてお話ししましたが、最後に、内容が重要なのはさることながら、カバーレターではレイアウトも重要となることを付け加えておきたいと思います。カバーレターは、A4一枚に収める必要性から、どうしても細かい字でぎっしりと書きがちになります。ただ、やはり読む側からすると読みにくいんですよね。字は小さすぎず、段落の変わり目では少し余白も入れて、全体として読みやすいように仕上げると、採用する側に自分の良さが伝わる可能性は高くなると思います。

これでようやく書類の準備が完了しました。次回からは最終段階「面接編」に進みたいと思います。

(書き手K)

 


 


 

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