プロジェクトマネージャーの転職 その5 - 異業界に挑戦したい -

書き手Kの個人的な転職体験談もようやく折り返し地点、今回は私の通った転職までの4段階

  1. モヤモヤ: 将来に不安を感じ、ただ漫然と探す

  2. シャキッと: 自己分析をし、ターゲットを絞る

  3. ワクワク: 応募の準備をする

  4. ドキドキ: 応募、選考(特に面接)

のうち、ようやく第3段階に話を進めて行きます。

バックナンバー

第1段階(だた漠然と現状に不満を募らせ、やさぐれた割には頭の中がお花畑だった頃):

プロジェクトマネージャーの転職 その1 - やさぐれた中年 -

第2段階(自分の価値観などを整理しようとミッション・ステートメントを書こうとし始めた頃)

前半: プロジェクトマネージャーの転職 その2 - 自分探しの沼 -
後半: プロジェクトマネージャーの転職 その3 - ミッションステートメント -
番外:  プロジェクトマネージャーの転職 その4 - ルサンチマンとの闘い -

転職への道 第3段階 ワクワク編 前半

前回までにお話ししてきた通り、長い時間をかけて自分探しをしてきた訳ですが、それを元にどんな会社のどんな職種に応募したいのか考え、そのための書類(履歴書・職務経歴書・カバーレター)を準備していったお話です。

今の仕事にモヤモヤしている状態だと、色々な会社の求人を見ているだけでも何となくウキウキしませんか?求人には素敵なことばかり書いてあるというのもあるでしょうが、その会社でバリバリ働く自分を想像してみたりして、元々妄想癖のある私には結構楽しい時間でした。また、後に触れますが、履歴書・職務経歴書を書くにあたっても、自分のこれまでの成果を具体的に「売り込む」必要があるので、ポジティブな内容を書いているうちに何となく自分が結構すごい人間な気がして、ちょっとだけ自己肯定感が上がったりもしたものです。こういった点を総合的に考えて、転職活動中ある意味一番楽しかった時間だったと思います。旅行は計画を練っている時が、車の購入はカタログを見ている時が一番楽しいのと同じでしょうか。

横串 & シンプル

さて、私の「ミッション・ステートメント」は超大雑把に要約すると「横串になりたい」と「何事もシンプルに」の2点に集約されました。

「横串になりたい」は仕事のコンテキストで言えば、自分の専門知識を以て異なる業界、国を繋ぎたいという想い、「何事もシンプルに」は私の心のカビ「出世欲」への一つの答えとして、自分の評価軸で生きる、つまり会社・他人の評価軸を必要以上に気にしない、出世のためだけに労力を費やさないという行動指針を意味しています。「シンプル」はそれ以外にも、物も減らしてシンプリストのように生きてみたいという憧れや、エンジニアたるもの何を造るにしても「シンプル・イズ・ベスト」という想いも入っているのですが、それは転職には関係ないので、ここでは詳しく触れません。また、転職にあたっていきなり役職が大きく上がることはまずあり得ないので(大抜擢の場合もあるでしょうが、私のような普通の転職ではまずあり得ません)「シンプル」の方はどちらかというと日頃の心掛けという意味合いが強いです。ですので、この先は「横串」からどう希望の仕事を絞り込んでいったのかを書いていきます。

キャリアの3要素

とその前に、キャリアの3要素についてお話ししておきます。これは以前私が大変お世話になった上司の教えなのですが、そして恐らく多くの転職エージェントの方々も似たようなお話をなさっているとは思うのですが、キャリアは以下の3要素で構成されるということです。

  • 専門分野、職種(自動運転分野、ソフトウェア開発、営業、マーケティングなど)

  • 業界、会社、国(自動車業界、日系自動車部品サプライヤーなど)

  • ヒエラルキー内の位置付け(課長、部長など)

そして、何かを変えたいのであればこのうち一つだけを変えるべし、という教えです。

例えば、これまでエンジニアをやってきた方がマーケティングをやってみたいのであれば、これまでと同じ業界で同じぐらいの給料レベル(=責任範囲)でポジションを変わるようにすると無難ということです。逆に上を目指したいのであれば、これまでに経験を積んできた会社及びその事業部で昇進を目指すのが成功の可能性が高いということになります。

憧れの業界に行きたいのであれば・・・

私の場合、「横串」という行動指針からやはり他業界を目指したいという想いがありました。また、前回の「カビとペンキ」のお話しでも触れましたが、自分の憧れの業界で働けば「カビキラー」になるのではないか(そして今働いている自動車業界は憧れの業界ではない)という考えもあり、キャリアの3要素のうち「業界」を変え、他を維持するということにしました。つまり、専門分野、職種は「自動運転システム、運転支援システム、環境認識センサー、動作計画アルゴリズム開発のどれかに関わるプロジェクトマネージャー」、ヒエラルキー内の位置付けは「マネージャーレベルで一番現場に近いところ」そして業界は「鉄道、航空、船舶」を狙うということにした訳です。

正直、自分探しをやるまでは、鉄道、航空、船舶といった分野の会社の求人を何となく眺めて、ビジネスディベロップメント、ストラテジスト、マーケティング、セールスとかのポジションに何となく惹かれていました。特に理由もなく、エンジニアは飽きてきたし、地味だし、結局このカタカナの格好良い役職の人って目立つよな、という煩悩まみれの動機です。さらに恥ずかしいことに、あろうことかこの辺のポジションに「ダメもと」で応募までしていたのです。黒歴史といっても過言ではないでしょう。当然どこからも返信さえありませんでした。

狙いは絞った、あとは・・・

ようやく、自分探しに基づいた転職のターゲットが具体化され、自分としては、筋も通っているしうまくいくのではないかと根拠のない自信も出てきました。ただ、一つ忘れてはならないのは、いくらキャリアの3要素の法則を守っているとは言え、業界を変えるというのはよほど上手くやらないと、具体的には、モチベーションも含めてよほど筋の通ったストーリーを語らないと選考に受かるのは難しいということです。採用する側の気持ちになれば当たり前のことですが、基本的には、同業界からの転職者が優先されます。他業界から来た人間でも採用したい、と思ってもらうにはどうすべきか、その最初のステップとしてどのような書類を書かないけないのか、その辺りのことを後半で書いていきたいと思います。

(書き手:K)

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