プロジェクトマネージャーの転職 その10 - 欧州転職エージェント事情 -

書き手Kの個人的な転職体験談も早くも10回目となってしまいました。

今回は私の通った転職までの4段階

  1. モヤモヤ: 将来に不安を感じ、ただ漫然と探す

  2. シャキッと: 自己分析をし、ターゲットを絞る

  3. ワクワク: 応募の準備をする

  4. ドキドキ: 応募、選考(特に面接)

のうち、第4段階の第2話です。

バックナンバー

第1段階(だた漠然と現状に不満を募らせ、やさぐれた割には頭の中がお花畑だった頃):

プロジェクトマネージャーの転職 その1 - やさぐれた中年 -

第2段階(自分の価値観などを整理しようとミッション・ステートメントを書こうとし始めた頃)

前半: プロジェクトマネージャーの転職 その2 - 自分探しの沼 -
後半: プロジェクトマネージャーの転職 その3 - ミッションステートメント -
番外:  プロジェクトマネージャーの転職 その4 - ルサンチマンとの闘い -

第3段階(ポジションを探しながら履歴書などを準備した頃)
前半: プロジェクトマネージャーの転職 その5 - 異業界に挑戦したい -
中盤: プロジェクトマネージャーの転職 その6 - 自分を売り込むストーリー -
後半: プロジェクトマネージャーの転職 その7 - 履歴書(CV)を書く -
延長戦:  プロジェクトマネージャーの転職 その8 - カバーレターを書く -

第4段階(刷新した書類で果たして今度はうまくいくのか、期待と不安が半々だった頃)
第1話: プロジェクトマネージャーの転職 その9 - LinkedInから応募する -

転職への道 第4段階 ドキドキ編 第2話

前回は、私が基本的にLinkedInを利用して転職活動をしたという話をしましたが、今回はLinkedInで求人を出している会社や転職エージェントの方からスカウトを頂いた経験についてお話しします。

LinkedInでプロフィールをしっかりと登録しておくと、「向こう側」からお声をかけて頂けることが増えます。「向こう側」というのは別にあの世のことではなく、「人を探している側」のことです。大きく分けて二つのケースがあり、一つ目は求人を出している会社の採用チーム、二つ目は転職エージェントです。あくまで私の個人的経験ですが、転職エージェントから声がかかる方がかなり多く、比率的には2:8 (会社の採用チーム:転職エージェント)ぐらいでした。

転職エージェントの底引網漁

欧州で転職活動をしていると、イギリスの転職エージェントからやたらと連絡がきます。意外なところではインドのエージェントからも連絡がきたことがあります。エージェントがイギリスやインドから連絡してきても、求人そのものはちゃんと欧州(大陸側)のポジションでした。日本の転職エージェントは許認可の関係で外国の求人は扱えないケースが多いようですが、その辺どうなっているのか興味のあるところです。

色々お声がけして頂き、自分の知らなかったような会社を教えてもらい、そこは本当に有り難かったのですが、個人的には転職エージェントのやり方はあまり好きにはなれませんでした・・・その理由は、、

  • やたらと急かされる:
    LinkedInにメッセージがきたと思ったら、今すぐ、もしくは今日中に電話したいと言ってくる。電話したらしたで、仕事内容を棒読みし(恐らく本人はよく分かっていない)、良い給与だと強調し、応募するかどうかすぐに決めろと言ってくる。(待ってくれて一晩)

  • 結局「底引網漁」をしている:
    「あなたの経歴は素晴らしい、求人にマッチしている」と言ってきたとしても、どうやら同じことを何十人に言っている様子。とにかく多くの履歴書をクライアントに送りたいというのが何となく伝わってくる。

  • フォローがない:
    クライアント側から選ばれなかったらその連絡はない。問い合わせても「こういうところが先方の条件とマッチせず選ばれなかったようです」という話はしてくれず、「クライアントの方で事情が変わり、この求人は保留になりました」みたいな説明が多い。

 私の勝手な想像ですが、採用に至るだけでなく、できるだけ多くの候補者を探してきて履歴書を転送するだけでもお金を貰っているのではないでしょうか。とにかく数撃ちゃ当たる方式で、流れ作業で自分の個人情報が売買されている、一人一人の人生など別にどうでも良いんだろうな、と感じました。

もちろん、今すぐ新しい仕事を見つけたい、という人もいるでしょうから、そういう方はどんどんエージェントに紹介してもらって応募すれば良いと思います。私は、紹介してもらった会社のことを調べてみたり、自分のミッションステートメントとマッチするか考えたり、とにかく時間が欲しいタイプで、急かされるのが嫌だったので、あくまで個人的にしっくりきませんでした。

最後にもう2点、転職エージェントと話をする時の注意点を挙げておきます。

  • 電話番号は極力教えない:
    電話番号を教えてしまった後に連絡が取れなくなったり、怪しい詐欺のようなショートメールが届いたりしたことがあり、個人情報目当ての詐欺も多少混ざっているような気がします。結局直接顔を合わせているわけでもないので、相手が誰かなんて分かりません。私は最終的には、電話番号は教えず、ZoomかTeamsのWebミーティングにして欲しいとお願いして、LinedInのメッセージでミーティングのリンクを送ってもらうようにしました。それを渋る場合は怪しいかも知れませんね。

  • 条件はベストケースかも:
    給与の条件は最初はベストケースを言ってくることが多い印象です。そうやって興味を惹きつけておいて応募させようとしているのだと思います。詳しく話を聞くと「最終的にはクライアントが決めることなので、どうでしょうね」と言われます。もちろんそれは筋が通っているのですが、これぐらいの条件になるようにこちらでも尽力しますので、というようなことを言われたことはないです。応募して、面接でいいところまでいくと頑張ってくれるのかも知れませんが、最初に防衛線をはるようなことを言われるとちょっと不安になったのも事実です。

何かご縁があって信頼できる転職エージェントがいるのであれば、しっかりとお世話になれば良いのでしょうが、私の場合はLinkedInでは底引網漁にしか引っかかりませんでした。

会社の採用チーム

個人的にはあまり良い印象がなかった転職エージェントに比べると、人を探している会社の採用チームからのコンタクトは総じて快適でした。別に私から履歴書を巻き上げたからと言ってお金が貰えるわけでもないので、急かされることもなく、また職務内容や条件もちゃんと分かっていて、条件などの質問にもちゃんと答えて頂けました。

いきなり応募する勇気はないが、会社そのものに興味がある場合は、カジュアルな面談をお願いするのもアリだと思います。カジュアル面談をお願いすると、人事部の方と「気楽に」お話しするケースが多いですが、特に希望すれば求人を出している部署の方と直接お話しする機会を頂ける場合もあります。私は一度、とある会社でちょうど日本人の方がいらっしゃるとのことで直接お話しする場を頂いたことがあります。

人事部の方とお話しするのも良いのですが、やはり将来の上司や同僚になるかも知れない方と話してみて、その雰囲気を感じられるのは大きいと思います。ここで明らかに馬が合わないなと思ったら、例え仕事内容が面白そうでもやめておいた方が良いでしょう。結局のところハッピーに働けるかどうかは、直接関わる人達との関係が一番影響するので、最初に合わないなと思ったら多分合わないです。

転職エージェントを通すとこういうカジュアル面談をお願いしづらい(全くできないということはないでしょうが・・・)ですが、直接会社からコンタクトを貰った場合は遠慮なくお願いしてみることをお勧めします。会社側もそういうニーズはよく理解しているので、カジュアル面談を拒否する会社はこれまで見たことは無いです。

とりあえず返信はしておこう

転職エージェントからでも会社の採用チームからでも、LinkedInでメッセージをもらった場合は極力返信するのが良いと思います。条件がマッチしていなかったり、興味がなかったりした場合でも、その旨を正直に(そして礼儀正しく)返信しましょう。

確信があるわけではないのですが、LinkedInではアカウントがどれぐらいアクティブかを判断しているような気がします。ひょっとしたらの話ですが、アクティブでないアカウントは人を探している側が検索をかけた時に上位に表示されないのではないかと、、(何の根拠もないです、間違っていたらごめんなさい)そんな気がしたので、メッセージを頂いた場合は基本的に返信をするようにして、アカウントをアクティブに保っていました。メッセージをこまめに返すと、より多くのエージェントや会社からメッセージを頂いたような気がしています。

以上、LinkedInで「向こう側」からコンタクトを頂いた場合の経験談でした。

転職エージェントに関しては経験上若干ネガティブな書き方になってしまいましたが、総合的には、どんな情報でも一旦有り難く頂いて自分なりにしっかり吟味するのが良いと思います。思ってもいなかった会社やポジションと出会えることもありますし、それをきっかけにポジション探しの範囲を広げることにも繋がります。その一方で、あくまで自分のペースをしっかり守って、あまり相手のペースにのまれないようにして下さい。最終的には自分の人生ですから、焦らず、納得いくまで時間をかけて、それを待ってもらえないようであれば、それはそれでご縁が無かったぐらいに考えるぐらいの余裕を持つべきだと考えます。

次回は、実際にポジションに応募した顛末についてお話しする予定です。

(書き手 K)


 

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