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アーケード基板を吸出してエミュレーターに入れる(SEGA)

世の中多くのことはググれば情報入手することができるようになりました。一方で個人にネットが広く行き渡る前、2000年頃より前の情報はあってもブログ等が消滅しているか企業のプレスリリース文しか残っていない事が多い。アーケード基板を自宅運用&基板ROM吸い出しはそもそもマイナーな話題であることから尚更。ググっても出ない情報を自分用にまとめました。

【対象基板】
SEGA MODEL2C
The house of the dead(通称ハウス、hotd 等)
→当時セガサターンとWindows 95へ移植されましたが、SS版はステージ途中でロードが入り止まる、テクスチャーや解像度、ポリゴンが劣化する残念移植となってました。一方Win版は途中のロードを無くし表示類のテキストをアーケード版と同等へ改善、解像度をVGAに上げる等しましたがベースとなるデータはSSのままなので2024年現在もオリジナル基板と同じクオリティでプレイする環境が無いのです!HOD2や3、4はPS3移植しているのに原作が出ない理由は不明です。(どこかの噂ではSS版移植を外部に委託していた為、そのデータを再梱包してリマスターできない!?)


ゲームROM(基板)

【必要機材】
Windows 11 PC
ゲーム基板(当然)
Xgecu製T48 ROMダンパー&42ピンアダプター
→殆どが42ピンのEPROM / MASKROMとなっていますので安いダンパーではピン数が足りず吸い出せません。(よくあるのは40ピンまで)。AliexpressでT48と42ピン用ゲタを買います。
2つで9000円位ですが、半額程度の海賊版ダンパーもあるので出品者をよく見ること。Xgecu純正の無料アプリ(吸い出し、書き込み、コンペア、ROM種類の検知)が非常に優秀で、有償レベルのアプリが無料でダウンロードできます。海賊版ダンパーはアプリが動かない対策が入っている為最初から高い方を買いましょう。

【BIOSについて】
Naomi世代ではメイン基板のBIOS ROMがあり、それに合わせたゲーム基板との組み合わせですがModel2はゲーム基板側にBIOSが入ってるため別途用意することはありません。またグローバルBIOSとなっているので設定画面から地域を日本、米国、世界に切り替え可能です。

アメリカ版の起動画面
「勝ち組はドラッグなんか手を出さない」

【吸い出し作業】
ROMにはシールでEPR-xxxx, MPR-xxxxと書いてありますので、その名前を元にModel2 EmulatorのROMファイル名.binに保存していく。データベースは下記サイトにもある


ROMの種類は表面に刻印されているので、その名前通りアプリに打ち込んでモードを切り替える。たいていはHN27C4096等とか。

32MBit ROM


メインのデータROMはセガの刻印がある代わりにROMタイプが記載されていません。分かるのは42ピンだけ、詳細は下記URLの方が解析されていて4MBx8=32Mbit 42ピンROMと判明しています。つまり27C322モードで吸い出し可能。

全てのROMを吸出したら合計29個のbinができている。これをフォルダに入れZIP化するとModel2 emulatorで起動可能。
おそらく同じ時代のModel2, Model3も行けるだろう。

【追記】2024/10/18 update
Model2基板は無印、A、B、Cと4タイプの世代があり、相互に互換性が無かったようです。この時代の基板は筐体専用基板扱いですのでNAOMIのようにカートリッジ(つまりROM基板)だけ交換してもダメでした。これは同じModel2世代の中でも前期・後期でサウンドやビデオの性能が大幅強化されたことの副作用です。私が持っているハウスオブザデッドはModel2時代終盤の「C」ですが、有名なデイトナUSAやバーチャ2、セガラリーは前期にあたります。
Model2-Aまでの基板はゲームROM以外に本体マザーボードの表面ロムもROMプログラマーで吸い出さなければいけません。ヒートガンで基板から剥がす作業となるため非破壊での作業は困難となります。
下記の画像はModel 2 EmulatorでDaytona USAを起動させようとしたところ。先頭の「opr-xxxx」「mpr-」のROM。これはROMボードのEPROMではなくマザー側をエミュレートするデータが足りないと言っている。

ちなみに、MODEL2末期のセガツーリングカーチャンピオンシップはavexの楽曲を再生する独立したサウンドボードが必須のため別途このEPROM吸い出しが必要。これが無いと音が出ない。オークションでゲーム基板は見かけることはあってもサウンドボード付きセットはほぼ見たことがない。貴重である。
デイトナUSAもMODEL1時代のサウンドボードが必須。バーチャレーシングのサウンドボードと共通だがEPROMのデータが異なるので外観だけで判断せず、必ずデイトナUSAで使われていたロムであることを確認しなければならない。これ以外にもハンドルのフィードバックを制御するEPROMが1個、MODEL1のインターフェース基板(EPROM数個搭載)も必要。MODEL1時代の基板は詳しくないが、当時はテスト・サービススイッチの部分が独立したサブボードになっていたようで(インターフェースボードのこと)これが壊れていると画面が黒いまま立ち上がらなかったようだ。

MODEL2 / 2A基板のマザーからヒートガンで剥がす必要のあるロム
opr-14742a.45
opr-14743a.46
opr-14744.58
opr-14745.59
opr-14746.62
opr-14747.63
mpr-16310.15
mpr-16311.16
mpr-16312.14

実際に外したROM。SOP32とSOP40
実際にROMボードに搭載されているEPROM/MASKROMの数と要求された数を比べてみると良い


今回紹介した内容はModel2-C専用の解説となるためご了承ください。最後に各タイトルの対応基板を有志サイト様から転載します
(出典:www.fandom.com)

Model 2
Daytona USA (1994)
Desert Tank (1994)
Virtua Cop (1994)

Model 2A-CRX
Virtua Fighter 2 (1994)
Manx TT Superbike (1995)
Sega Rally Championship (1995)
Sky Target (1995)
Virtua Cop 2 (1995)
Dead or Alive (1996)
Dynamite Baseball (1996)
Motor Raid (1997)
Zero Gunner (1997)
Dynamite Cop (1998)
Pilot Kids (1999)

Model 2B-CRX
Fighting Vipers (1995)
Gunblade NY (1995)
Indy 500 (1995)
Rail Chase 2 (1995)
Virtua Striker (1995)
Dead or Alive (1996)
Dynamite Baseball (1996)
Last Bronx (1996)
Sonic the Fighters (1996)
Super GT 24h (1996)
Cyber Troopers Virtual-ON (1996)
Dynamite Baseball '97 (1997)
Zero Gunner (1997)
Dynamite Cop (1998)
Pilot Kids (1999)

Model 2C-CRX
Power Sled (1996)
Sega Ski Super G (1996)
Sega Touring Car Championship (1996)
Sega Water Ski (1996)
Wave Runner (1996)
Over Rev (1997)
The House of the Dead (1997)
Top Skater (1997)
Dynamite Cop (1998)
Behind Enemy Lines (1998)

https://sega.fandom.com/wiki/Sega_Model_2#Model_2



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