「やまとなでしこ」の君と「池袋ウエストゲートパーク」の僕の失恋
「やまとなでしこ」の再放送を見て書きました。
1987年生まれの男女の恋愛のために。
13歳の僕は「池袋ウエストゲートパーク」を観て長瀬みたいになりたかった。
14歳の時には、埼玉県の片田舎から初めて池袋に行き、
小遣いをバンズのスニーカーの奥に突っ込み、池袋北口に行った。
「池袋ウエストゲートパーク」はTOKIOの長瀬智也が主演する、
池袋駅東口を舞台とした、クドカンのかっきぃドラマだ。
マコトもかっきぃ、キングもかっきぃ、妻夫木くんもかっきぃ、
ドーベルマン山井は怖え、そんなドラマだった。
深夜バラエティ「ワンダフル」で釈由美子ちゃんを
親にバレずにひっそりと観ていた頃のドラマだった。
そんな中学生を過ぎ、高校生・大学生の生活を送り、
そこそこのテレビ局のサラリーマンになり、
それでも僕は社会人以外の時間には「めんどくせえ」などと言い、
バッシュ履いたり、ダボダボのTシャツを着つつ、
13歳の時のカッコ良い20代になろうとしていた。
でも、長瀬にも「マコト」にもなれなかった。
そして、長瀬にはなれなかった20代を超え、
30歳を迎えた時に、同い年の「やまとなでしこ」の彼女と出会った。
彼女は出版社に勤めてて、それこそ「かっきぃ」って感じ。
彼女は、僕がナイキのTシャツと短パンでキメてる時も、
なんていうかわからない「あ、ブランドだ」ってブランドを着ていた。
その時に「さくらこさんみたいだな」と思って恋をした。
「さくらこさん」は「やまとなでしこ」で松嶋菜々子が主役を演じた、
CA(その当時はスッチー)でお金大好きを第一としつつも、
本当は愛を誰よりも欲していたという月9的なヒロインだ。
んで彼女は、女の子だけど、青でキメる感じとか、
それこそ2000年代の流行りを
2020年の手前で改めてキメていたこととか、
今は(当時も?)流行ってない茶髪ショートをしてるとか、
まさに「さくらこさん」みたいに、グダグダ言わずに
ハッキリとしたものの言いで僕をバッサリと言い切ってくれることとか。
ドンドン、そんな出会ったことないの彼女を好きになった。
そして、ひと月も経たないうちに付き合った。
ドラマみたいに好きになって、
1クール(3ヶ月)をひと月くらいの短さで恋愛をした。
恥ずかしいくらい、バカみたいに恋愛をした。
でも、2クールも経たないうちに恋愛は終わった。
簡潔に言えば、振られた。
たぶん、「ドラマではない」自分と相手と向き合えなかったから。
僕は周りのみんなから尊敬されてる「マコト」でもないし、
心から相手の人生と向き合える「おうすけさん」でもなかった。
それができずに、というか目の前の相手を見れずに振られた。
そんな30歳の半年。
それから数年、「やまとなでしこ」を観て思ったのが、
「案外、そこまでドラマじゃなくていいな〜」と。
13歳の時に観た「やまとなでしこ」よりも、
令和2年に観た「やまとなでしこ」はそこまでドラマじゃなかった。
「おうすけさん」も貧乏人でありながら、数学の天才という部分はあるも、
好きな相手以外の心を理解できなかったり、
無理に好きな人間の心に寄り添おうとする部分とか。
だから今回の「やまとなでしこ」を観て、
「かっきぃ」ドラマに寄せずにちょうど良い恋愛をしたいなと。
誰にもなれずに33歳迎えたからには、
誰にも寄せずに恋愛・人生していこうとします。
たぶん、20年前の13歳の自分は
「ダセぇ」「かっこわりい」と言うような、
恥ずかしい誰にも寄せない恋愛をしていこうかなと決めた。
(さきほどまで「やまとなでしこ」で泣いてしまったので
改めて決意を示しました。)