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移籍失敗



この夏、ブレーメンのロケット ミロト・ラシツァは新たなクラブへ羽ばたくはずだった。


10月6日1時(日本時間)にブンデスリーガの移籍市場は閉幕した。彼の移籍先はイングランドプレミアリーグのアストンヴィラだとジャーナリストも報じていたが、deadline30分前にこれまでほとんど噂の無かったレヴァークーゼンが滑り込み獲得をするというツイートが出てきた。ラシツァ本人もレヴァークーゼンに到着していたらしい。 
あとは公式発表待ち。だったはずが1時31分にコソボのジャーナリストArlind Sadikuさん(コソボ代表関係の情報は信頼できる方)があるツイートを投稿した。


簡単な和訳を。
ラシツァはレヴァークーゼンと契約に合意したが、期限内に間に合わず移籍は失敗した。したがって、1月(冬の移籍市場)までブレーメンに残る、と。

つまり、ラシツァの移籍は失敗したという事だ。

イングランドクラブやライプツィヒの利害関係者とは異なり、レヴァークーゼンはラシツァを購入するのではなくただレンタルだけを望んでいた。完全売却のみを望むブレーメンと大きなギャップが存在した。それ以外の場合、レンタル料を高くするなら買取OPを付ける、レンタル料を低くするならば買取「義務」を付ける以外応じなかった。困難な交渉の末ラシツァ、レヴァークーゼン、ブレーメンは最終的に妥協案に合意し新しい契約に署名した。すべての書類に内容を記入しドイツサッカーリーグにアップロードするのに、約20分しか無かった。フォームはすぐに書かれ、署名され、送信されたが、変更の手続きはまだ完全に完了していなかった。「時間がかかりすぎた」「時間が足りなかった」とバウマンは語る。

自分のことのようにショックだった。ブレーメン愛を見せ、これまでチームのために尽くしてくれた大事な選手のステップアップが実現しなかったから。


ブンデスワーストSD、フランクバウマンはその後こう言った

「ラシツァに関しては直近数日間でドイツ国内外クラブからの関心は届いていた。今日の昼から話し合いはあったが、同選手の“価値以下”の値段で放出したくなかった。複雑な交渉だったので最終的に合意はなかった」


もともとファンからは無能などといった声もあり、何故まだ切られないかが謎なくらい。

同日、主力中の主力クラーセンが古巣アヤックスへ移籍した。

“Deadline-Day-Frank" (移籍市場最終日のバウマン)
最後の最後に何かが起こるから、と言う理由でコーフェルトがバウマンにつけた名前。
そして移籍市場最終日はコーフェルト監督の誕生日でもあった。誕生日プレゼントにサプライズ補強を期待していたが起きたのはクラーセン放出のみ。絶対条件であったラシツァの売却も成功せず。確実に必要としていた数百万の収入を失ったのだ。レヴァークーゼンでヨーロッパリーグに出る事を楽しみにしていたが、ブレーメンへ戻ることになった。

・主力クラーセンの放出
・ラシツァ残留
・新しい選手獲得無し

バッドニュース3点盛り。


この件で僕もイライラが限界まで来た。
バウマンはただ夏を満喫しただけ。仕事もしない。
資金難なので補強が出来ない為、クラーセンを売却したのは理解出来る(出来ない)。
だが、「価値以下の値段で放出したくなかった。安売りは出来ない」と発言し、結局ラシツァ売却失敗はSD失格に値する。言葉が出ない。

ブレーメンはただでさえお金が無いのにトプラクとビッテンコート、さらに来夏にはゼルケの買取も発生し大ピンチ状態だ。この夏の市場で、一番市場価値の高いラシツァを絶対に売る必要があったのです。今夏の目標はラシツァを売却しお金を手に入れる、そして足りないアンカーを補強すること。たくさんの時間があったはずが何一つ達成出来ないまま。



1月までブレーメンに残ることになったラシツァ。

現在はブレーメンにいる。関係者全員が、次のキャリアへのステップアップを何ヶ月も期待していた。夏の準備期間、コーフェルト監督は彼の怪我を防ぐためにほとんどテストマッチに起用しなかった。怪我をしてしまえば移籍が実現不可能になる可能性があるからだ。彼は膝の問題の為にブンデスリーガの最初の3試合(ヘルタベルリン、シャルケ、ビーレフェルト戦)を欠場し、観客席からブレーメンの勝利を願い試合を見届けていた。ヴェーザーで1-0勝利したビーレフェルト戦が、最後のホームスタジアムになるはずだった。

ラシツァは再び緑のユニフォームを着て戦うことになるだろう。テストマッチでは彼無しで何もかも考えてきただけにコーフェルト監督は頭を悩ませている。プランを変更せざるを得ない。


移籍が失敗した後、彼は分かりやすくがっかりした。 

バウマンは記者会見前に電話で彼と話した内容を語った。

Weser-Kurierの情報によると、彼は火曜日のトレーニングを欠席し、ショック状態からモチベーションを取り戻す為に2日間の休暇を与えられた。今は彼には1人の時間、家族との時間、Tian君の笑顔が必要だ。


これまでに噂に上がってクラブをあげていく👇(とりあえず大きい噂から小さい噂まで全部)

・リヴァプール🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿
・リーズ🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿
・アストンヴィラ🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿
・ミラン🇮🇹
・ナポリ🇮🇹
・ライプツィヒ🇩🇪(彼の希望)⭐️
・レヴァークーゼン🇩🇪
・ヴォルフスブルク🇩🇪

彼の移籍の条件は3つ。

・CL、EL出場クラブに行くこと
・なるべくドイツに留まること
・降格圏のチームは避けること

彼の夢はヨーロッパ。ブレーメンで残留争いを経験したことから似たようなクラブは好まない。上のクラブへのステップアップが期待された。そして、彼は5月に息子(Tian君)が産まれて家族の事もある為ドイツ国内に留まることを望んでいた。

これらの条件からライプツィヒ🇩🇪がベストであり、彼もライプツィヒ移籍を強く望んでいた。ヴェルナーの穴埋めとしてリストアップされていたが、こちらの希望額20mには届かず他の選手の獲得へ移した為実現はしなかった。

リヴァプールやミランなどのビッグクラブからの関心もあったが、いつのまにか噂は消えていった。ミランはラングニック就任が条件だったらしい。

19/20は7ゴール3アシスト、これはほとんど前半戦によるもので後半戦は結果を出せていなかった。コソボ代表でも大きな結果を出せず、コンディション維持、パフォーマンスの継続性という観点からヨーロッパを戦うクラブへのアピールとはならなかった。ロケットマンの市場価値は、2019年12月以降3500万ユーロから2200万ユーロに下がった。コロナショックは彼のステップアップをさらに困難にした。

本人の3つの希望とはかけ離れるが、条件を下げアストンヴィラへの移籍が現実的となったところでレヴァークーゼンが滑り込んだ。ヴィラでも給料面で折り合いがつかずなかなか決まらなかった。




1月にまた激しい争奪戦が行われるだろう。


僕はラシツァが世界一大好きだ。ブレーメンに残って嬉しいとは全く思わない。彼がビッグクラブで活躍する姿を見たかった。

お別れツイートも準備していたがしばらく寝かせておこう。