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コソボ代表を夢みる少年~エニスジェマイリ~


いつかコソボ代表でプレーすることを夢見る少年の物語

フットボールの世界では、信じられないような奇跡が起きる。

FC Drita🇽🇰に所属する14歳のエニス・ジェマイリ(Enis Xhemaili)にとって、サッカーとは人生以上のものだった。


エニスは優秀な学生で9月から高校生になった。
彼は6歳からサッカーに夢中になり、多くの人は成功するはずがないと懐疑的だったが、エニスは非常に才能がありサッカー選手への道を切り開いていることには間違いない。

14年前、エニスは誕生。生まれつき左腕がなかった。だが彼は自身のアイデンティティを失わず、それどころかサッカーにおいて先見の明と粘り強さを持っている。


エニスは語る。

「この年齢で障害や偏見と戦っているが、私は素晴らしい仲間を持っており最も幸せな男だ。サッカーに関われて嬉しいよ。サッカーから離れるつもりは無いし、ヨーロッパのビッグクラブでキャリアを終える夢がある。」

 
誰もが自分の夢を持っていて、彼もアイデンティティを持っている。そして彼にはサッカー人生のプランもある。


「神が私を許してくれたから、誇りを持って生きている。人生は最大限に楽しむべきさ。サッカーは私が持つすべての病気を治すことができると思っている。」


「片方しかない腕は何の問題も引き起こさない。神は私にこのサッカーの才能をくれた。目標を達成するため、優秀なコーチ、仲間と一緒に才能を最大限に活かしている。いつかコソボ代表のユニフォームを着てチームに貢献したいね。」

エニスには、もう一つ夢がある。


「私のもう一つの夢は、サッカーのキャリアを終えた後にスポーツにおける特別なニーズを持つ人々に応えるための財団を開くことだ。」



正確なパスと広い視野が特徴であるMFのエニスについて、FC Drita🇽🇰はコソボフットボールの未来である事を強調した。

FC DritaU-15のコーチArdianLatifi
「エニスは並外れている。彼の才能は素晴らしく、スピード、強力なシュート、優れたゲームビジョンを持っている。左腕が無いのにも関わらず、彼は試合中まったく困難である様子を見せない。私は監督として、チームにエニスがいることを光栄に思っている。」



民間企業で働き、6人家族を支えるエニスの親、ハムディ・ジェマイリも語ってくれた。
「エニスは左腕の半分がない状態で生まれたが、不満を言うことも無く、他の人と同じように生活を送っている。そして毎日サッカーに明け暮れているよ。」

さらに、息子が左腕のプロテーゼを必要とする可能性がある事について語った。
「世界中の国でプロテーゼが作られており、より質の高いものがフランスにあるが約3万ユーロの費用がかかる。私たちの家族にとって、この金額は達成できない。」 


今年、Anamorava🇽🇰で最高のサッカー選手と言われた大きな才能エニスジェマイリは、明確なプランを持ち、サッカーに集中している。彼の人生の中で「不可能」という言葉は決して存在しない。


お金や名声で幸せは手に入らない。 
サッカーが彼を幸せにする。