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バリウムクルクル

先日、初めて人間ドックに行き胃の検査をした。色んな人から、バリウムは飲みにくい、ゲップの我慢が辛い、飲んでクルクル回らないといけない、と聞いていた私はドキドキしながらその時を待っていた。

その病院ではバリウムに香り付けができる。10種類くらいの中から味の想像がつくピーチを選んで少し希望を持ったのも束の間、バリウムの前に渡された発泡剤が飲みにくいのなんの。押し寄せるシュワシュワ攻撃に加え、それを口の中で溶かさずに早く飲めと指示してくる検査の人。どうにか飲み切ったがもう既に気持ちはげんなり。追い打ちをかけるようにどろりとした白い液体を渡されて、もはやピーチかどうかなどそんなことは問題ではないと思った。とは言え、こちらは一口確かめたら意外とあっさり受け入れられて飲み干すことができた。

第一段階はなんとか乗り切ったと少しの達成感を得たが、間違いはここからで。「はい、じゃあクルクル回ってくださいねー」と言われて私は混乱した。今自分が乗っている大きなマシンが回転すると思っていたからだ。

(え、これを自分で回すの?どうやって?めっちゃ勢いいらん??勢いつけて止まらなくなったらどうなるんやろう??ムズくない??????)

そうして、左右のバーをしっかり握ってマシンごと回ろうとしたのだった。

(せーのっ!ふんっ!!!!)

シンとした空気が流れる。焦る私と当然のことながらびくともしないマシンがそこにあった。すると、そんな空気を打ち破るかのように「手を離して~体を右に向けて~それから下を向いて~」と扉の向こうから指示が聞こえてきた。そこでやっと自分の体だけが回ればいいということを理解した。

ゲップを我慢しながら自分で動くのは難しかったが何とかやりきれた。その後はマシンが動くのだが、急な角度になるものだから落ちないように頑張って手すりに掴まり、あれやこれやと言われるがままにしていたら検査が終った。

思ってた「回る」と違いました。部屋を出た私は興奮気味に夫に伝えた。

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ピヨ
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