レジの人
いつも行くスーパーのレジの人はカゴの詰め方が素晴らしい。自分は綺麗に並べられないくせに綺麗に並んでいるものが好きな私はそれを見て毎回感心する。だから何度かその人のレジに並んでいたら割と早い段階で顔を覚えられた。少し挨拶を交わすようになった頃にはこちらのカゴの入れ方を見て好みを把握し再現してくれるようになった。プロだ。プロ過ぎる。もはやお買い得な日よりもこの人がレジにいる時にスーパーに行きたい。芸能人に推しの存在はいないが、私はもはやこの人のファンなのだ。
先日、お休みの曜日のはずなのに出勤されていたから、あれ?!と思って尋ねると常連さんみんなに聞かれているらしい。販売員なら常連がつくことは想像できるが、レジの人にもいるのだと失礼ながら初めて知った。だが納得できる。もちろんカゴの詰め方なんて全然気にしない人もいるだろうし、以前の私もそこまで注目していなかったのだが、特上レベルの詰め師を知ってしまうともう戻れない。大きさの違う商品がピタッとハマった時はもはや快感なのである。
憧れを仕事にしたいと思いがちな私は、スーパーのレジをやってみたいとちょっぴり思った。だけど、混雑の中で焦らず綺麗にカゴに入れてお金のことまでするなんて、なにひとつ向いている要素がない。なので自分のエコバックに詰める作業を頑張るのだけど、一向に満足できる仕上がりにならず、なんなら夫にパスすることも多い。実はレジに行く前のカゴに詰めているのは夫で、夫も特上レベルの詰め師なのだ。なので、私だけでスーパーに行けばカゴの中が大パニックアドベンチャーになる。そんな日は推しのところに並ぶのが恥ずかしかったりするのだが、運よく買い物が少なかったりするので私のことはまだバレていないと思う。
と、ここまで書いたところでいったい私は何を書いているのだろうと我に返った。推しを語りたいとはこういうことなのだろうか?
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