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しごくどうでもいい話なのだが、髪の毛が床に落ちているのが気になる。 クイックルワイパーでクイックルしたのに、隣の部屋から返ってきたらまたそこにいる。 なぜだ。 奴らは壁とも親和性が高い。もとはと言えば私が持ち主であったはずであり、その私が集まれー!ってクイックルで呼びかけているのに、それよりも強い絆が壁と髪の毛にはある。壁が髪の毛を掴んで離さない。その絆をぶちっと切るのは当然私なのだが、先にクイックルに捕獲された仲間の髪の毛達が壁側に逃げてさらに強固な絆を生む場合がある。
何年かに一度、持っている化粧品を一新したい衝動に駆られる時がある。私の場合、そうした時はいつだって今の自分に飽きていて、どこかで新しい自分を探している。 鏡の中の自分の姿が良いようには思えなくなって数ヶ月が経っていた。コロナの流行以来、人と会うことはずいぶん減ったし、販売員をしていた頃のように、誰かに見られているという意識も徐々に減り、これは惚気だけど、夫にはそのままで十分かわいいよと言ってもらえ、完全に気を抜いた結果だった。 鏡に映る自分がだらしなく見える。これは、ダメ