
その縫合は何のため?
● はじめに
縫合には、目的があります。
嫌がる患者を説得し、器材を準備し、麻酔し、
縫合し、その後の予約をする…
意味も無くこんな面倒なことはやりません。
縫合しないと困ることがあるからこそ、
僕らは縫合します。
ではその目的とは一体何なんでしょう。
● 縫合の目的
すぐに思いつくのは「止血」です。
傷を負うと、ほとんどの場合は出血してしまいます。
傷口を押さえることである程度の止血は出来ますが、確実ではありません。
次に「感染」です。
皮膚のバリアが無くなってしまうことで、
菌が入ってくることがあります。
受傷の原因によっては、直接体内が汚染されている場合もあります。
患部を洗浄するのはもちろん、菌の流入路を断ち切らなければなりません。
最後に「創治癒」の速度を上げることができます。
傷口を塞ぎ、理想的な状態にすることで圧倒的に治癒速度を早く出来ます。
これは傷痕をキレイにすることにも繋がります。
● どの目的を選ぶ?
「止血」「感染」「創治癒」の3つを説明しました。
他科では「止血」「感染」に重きを置き、
「創治癒」、特に整容面については
二の次になることが多いです。
もちろん正しいです。正しすぎます。
ですが、整容面も大事です。
全てを成立させることはできないんでしょうか。
いえ、形成外科の縫合は全てを成立させます。
…もちろん条件にあえば、ですが。
「止血・感染を重視したので縫合部が汚い」は
理由にならないかもしれません。
では、また!