焼肉レトロスペクティブのうたができるまで〜自社で作曲する部活動「音KAG(/)部」(おんがくぶ)ができた話〜
LLMエンジニアでプロダクトオーナーでUXリサーチャーでふりかえりミュージシャンのpiyonakajimaです。
ふりかえりカンファレンス2024でソングスポンサーをさせていただきました。今年は昨年爆誕した「焼肉レトロスペクティブ」をうたにした「焼肉レトロスペクティブのうた」を製作し発表しました。
これを契機に自社(KAG:KDDIアジャイル開発センター)に作曲の部活動「音KAG(/)部」(おんがくぶ)が発足しました。
「音KAG(/)部」(おんがくぶ)では、コミュニティでのソングスポンサーを募集しています。会社のロゴをイベントにて掲載頂く変わりに、楽曲をコミュニティに向けて製作しますので気になった方は是非お声掛け下さい。
今日はこの話をまとめたいと思います。
ソングスポンサーとは何か
私は、2022年から会社の認知度向上を目的に日本のアジャイルコミュニティから生まれた「Fun Done Learn」を歌にした「Fun Done Learnのうた」を歌ってきました。
2023年のふりかえりカンファレンスに登壇させて頂いた際、ふりかえりカンファレンス専用の「Fun Done Learnのうた」を作った所、当日最後に流して頂き運営の皆様から「来年はソングスポンサーを」と言っていただいたのが最初と認識しています。
昨年は冗談だと思っていましたが、RSGT2024にてふりかえりエバンジェリストのびばさんから本当にオファーを頂きました。びっくりしました。初回のミーティングにて運営の方々に「ソングスポンサーってなんですか」と聞いたところ「私達もよくわからない」と回答を頂きました。
「Fun Done Learnのうたでも新曲発表の場にしていただいても構わない」ということで会社に持ち帰り、相談をした上で「焼肉レトロスペクティブのうた」を製作することが決まりました。
「焼肉レトロスペクティブのうたつくりましょう」からSlackのチャンネル「#song-guild」が生まれる
「ソングスポンサー頂きました!次は焼肉レトロスペクティブのうた作りましょう」と勢い余ってSlackにチャンネル「#song-guild」を生やしました。沢山の社員がjoinしてくれました。今見ているだけの人も含め14人が参加しています。
オーディオインターフェースを購入したアジャイルコーチの小笠原さん
最終的には、
作詞作曲と間奏のお肉のラップを私piyonakajima、
ボーカルとしてアジャイルコーチの小笠原さん、
編曲としてスクラムマスターの髙谷さん、
イラストとしてエンジニアリングマネージャーの岸田さん、
声として岸田さん、QAエンジニアの石原さんが参加されました。
(KAGの皆様、まだまだ募集してます)
Working Agreementの策定
アジャイルなので、まずはWorking Agreementを策定するところから始めました。
また、仕事とプライベートを最優先にするためにも常に「リリース可能な状態にする」ことを心がけてきました。
最初にピアノとSynthesizerV AI 花隈千冬ちゃんを使ってコンセプトが伝わる最低限の楽曲を私がチャンネルに投下するところから始まりました。
そこからフィードバックを集め、歌詞を書き換え、ボーカルを差し替え、イラストが入り、編曲と動画編集を加え、少しずつ価値をインクリメントすることによりこの作品ができあがりました。
定例は敢えて設けませんでしたが、たまにランチにSlackのハドルミーティングで集まりmiroを使って課題の棚卸をしてきました。
実践!焼肉レトロスペクティブ
KAGはフルリモートOKの会社なので全国いろんな所に住んでいるメンバーがいます。私、小笠原さん岸田さんは関東圏在住ですが、石原さん髙谷さんは遠方に住んでいる状況でした。
そこで関東でイベントがあった日に合わせて5人で焼肉を食べに行きました。
上記は曲作りとプロダクト作りの共通点を語っている私です。
エイプリールフールの日に社長が部活動の名前を命名する
4月1日。弊社エンジニアのみのるん氏とはしもと(仮名)氏がAWS Bedrockを使って社長のSlackボットを作っていた所、今年の抱負として社長(本物)により以下の投稿がなされました。
これが音KAG(\)部命名の瞬間でした。KAGを逆に読ませることで音楽部と読みます。そしてできたのが以下の動画です。
原田さんの込めた想いと自分の考え
おきた出来事を焼肉に例えてふりかえる「焼肉レトロスペクティブ」。
これは決して悪ふざけではなく、スクラムマスターに必要とされるメタスキル「遊び心」を開放するふりかえりです。
私自身アジャイル開発を始めた当初は真剣にKPTと向き合いふりかえりを行っていました。真剣に。しかしながら、次第に形骸化しふりかえりが続かなかったことを今でも覚えています。原因はいろいろあります。KPTという手法が悪いわけでは決してありません。
ただ、当時自分にとって「遊び心」は「けしからん」ものであり、ふりかえりの目的は「チームをよりよくすること」ではなく、「問題を解決すること」でした。
今自分はそんなふりかえりはしていませんが、アジャイルコミュニティを通してふりかえりの現場や悩みを聞くようになりこのようなチームや組織はまだまだいっぱいあるのではないかと感じています。
原田さんの登壇された「焼肉レトロスペクティブ」の話は自分が今大切にしている価値観ととても重なる所がありました。原田さんの言葉を、焼肉レトロスペクティブの面白さを、音楽に乗せて伝えたい、そう思ったことからすべてが始まりました。RSGT2024のスライドを拝見した瞬間にサビのメロディが降りてきたことは今でも忘れられません。
私はFun Done Learnが好きです。KDDI/KAGに入社してから3年間、ほぼ毎日仕事終わりにFun Done Learnをしています。ただ、Fun Done Learnをやることですべてがよくなるとは思っていません。もっというとチームのふりかえりでよくなるのは全体の一部にすぎないと思っています。
遊び心を持ってこの曲は生まれました。ふりかえりカンファレンスの皆様、KAGの社員、、、本当に沢山の人の協力によりこの曲は生まれました。是非この曲にふれて笑ってもらい「こういうやり方もあるんだ」ということを知ってもらえればと思います。
焼いても焼かなくてもオールオッケー
とはいえ、このノリに参加したくない方も一定数いると思います。私もたまにこのノリがつかれます。無理はしません。強制することも決してありません。参加しないのも自由です。やりたい人とやれるように続けられれば良いと思っています。焼いても焼かなくてもオールオッケーです。
会社主催で焼肉レトロスペクティブの会を開きます
5月22日(水)12:00-13:00に会社主催で焼肉レトロスペクティブをする会を予定しています。よかったら参加してください。参加者で「焼肉レトロスペクティブのうた」を歌いたいと思います。
弊社KAGでは「アジャイル開発センター憲章」をまとめています。ここで大切にしていることとして「楽しくやる」を挙げています。このカルチャーが少しでも伝わると幸いです。