テレイグジスタンスで広がるVRの世界
テレイグジスタンスとはバーチャルリアリティの一分野であり、
遠隔地にある物や景色がまるで身近にあるかのように感じながら、
リアルタイムに操作を行なうことができる技術およびその体系の総称です。
テレイグジスタンスでは、ロボットの操作者は遠隔環境を現前の空間と感じ、その空間をあたかも現前空間のようにして行動(操作)することができます。また、理想的には、そこに居る人と違和感なく相対することができる。
つまり、高度の臨場感が生じています。
出典:http://www.tachilab.org/content/files/publication/study_on_telexistence/te035.pdf
まるでSFのような世界観を体現するこの技術は、東京大学名誉教授である舘暲教授が1980年に世界で初めて提唱した技術です。
周辺技術の発達によりここ数年で現実味を帯びてきた構想ですが、
発表当時は革新性が高く、夢物語にも近い構想だったのではないでしょうか。
2018年、JTBとKDDIは東京の離島・小笠原村を楽しむ遠隔旅行の体験イベントを開催しました。これまでにも新技術を活用した遠隔旅行は例がありましたが、商用無線ネットワークを活用したテレイグジスタンス技術による一般向けの遠隔旅行は、世界初の試みです。
とはいえ、テレイグジスタンスの実用化に向けて課題が山積しているのも事実です。
例えば、遠隔環境が常に操作、移動しやすい場所とは限りません。特に、今後テレイグジスタンスの実用化が期待される観光やショッピングなどの分野では、設置されたロボットが動き回ることが想定されます。
操作に伴う遠隔環境でのロボットの破損・故障はもちろん、ロボットがぶつかったりしないよう、周囲にいる人の安全性への考慮も必要です。
また、テレイグジスタンスでの体験をより実際のものに近づけようとするのであれば、4Kまたは8Kへの画質の向上が必要となります。人の目はシャッタースピードでたとえると1/30秒。より人の感覚に近い映像を再現するためには、最低でも1秒に30枚の高解像度の画像をリアルタイムで転送する必要があります。
ただし、これは5Gによる大容量通信が実現されれば、解決できる課題ともいえます。
このようにテレイグジスタンスが実用化される為には、5Gによる高速通信インフラの確立や、各リスクを考慮した技術体系の規格化など周辺環境の発展も不可欠です。
現実的な課題はあるものの、テレイグジスタンスが生活に密着する世界は遠くない未来に実現していることでしょう。
株式会社ぴやまるはVR空間におけるテレイグジスタンスを用いた第一人称体験と共有を実現する、近未来の革新的技術を提供します。