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【自分用】Report:大地の芸術祭2024

転職の合間の時間を利用して初めて新潟の地を踏むこととなった。
かねてよりずっと憧れにも似たような感覚があったこの芸術祭。
私自身が瀬戸内で生まれ育ち、芸術祭とともに感性を育んできた経緯がある。
瀬戸内国際芸術祭より少し早く歴史に幕を開けた大地の芸術祭は今年で25年目だという。モンバスと同じではないか。
そんな夢がついに叶う。北陸新幹線の延伸よありがとう。

結論から言うと、きっとまたこの地を訪れることになるだろう。
そんな想いを込めて旅の記録を残してみる。


旅程

・9月5日(木)〜9月7日(土) の3日間
・京都〜敦賀 サンダーバード
・敦賀〜上越妙高 北陸新幹線
・上越妙高〜開催エリア レンタカー
・まつだいエリアで1泊、十日町エリアで1泊
・天気予報は全て晴れ

memo
※作品は火水休み
※オフィシャルツアーは越後湯沢発着で東京経由は片道6000円高い
※駅レンタカーはJRとセットで割引がきく
※9月7日は奴奈川キャンパス運動会のため鑑賞不可
※9月上旬は暑いが稲刈りの時期にあたるため、新潟らしい原風景を楽しむことができる
※9月中旬から秋の長雨で鑑賞に支障が出る作品も多いので注意
※山間部は紅葉の時期と雲海の出現条件を確認する

鑑賞作品リスト

鑑賞順。

D403 空知らぬ雪

※駐車場は坂の下にあり
※平日でもスタッフがいた

人々の生活と雪をモチーフに表現されたインスタレーション。
除雪機の刃をイメージしたオブジェクトから雪が渦を巻き舞い散って、人々の営みに還元されていく物語。

D143 脱皮する家

築200年の古民家を再生=家中を彫るなのだそう。
床も梁も調度品に至るまで全てに彫り込みが施されている。
宿泊もできる。

D331 奴奈川キャンパス

まつだいエリアで気合の入っている会場の一つ。
廃校となった小学校に活気が溢れている。
作品が多いためキャプションにて。

D340 南極ビエンナーレーフラム号2
D334 レミニッセンス(おぼろげな記憶)
D398 惑星トラリスin奴奈川キャンパス
同上
D397 木湯
同上 入っていいらしい
D399 Saiyah #2.10
同上
D348 彩風
D400 除雪式奴奈川姫
D332 大地のおくりもの
同上 脱皮する家は彫るところがなくなったので今は小学校を彫っている
キャンパス内カフェテリアはツアー参加者のみランチ可能
作品番号なし

華園(中国ハウス)

建物自体に作品番号はなし。

D344 五百筆
D401 野辺の泡 中へ入ることができる

Y118 in and out

かつて新潟中越地震で倒壊した家そのものを金網で加工し、家屋を見つめる作品。

Y072 家の記憶

養蚕を営んでいた家屋に、塩田千春ならではの作風を投影。
無数に張り巡らされた黒い糸は囲炉裏のすすを連想させる。

雪ん子


Y052 最後の教室

クリスチャン・ボルタンスキーの遺作。
象徴的な物品を通じ、地域や学校にまつわる場の記憶を濃密に封じ込めた作品。
本芸術祭の中でも売れっ子作品の一つ。
瀬戸内国際芸術祭での「心臓のアーカイブ」も有名。

棺桶を思い起こさせる
Y101 影の劇場〜愉快なゆうれい達〜

Y019 十日町市里山科学館 越後松之山「森の学校」キョロロ

こちらは施設自体に作品番号がついているものの、常設展の展示内容から科学館の用途が強いように感じられる。
設計は子供と建築の結び方に定評のある手塚夫妻。
越後妻有の中でも特に雪深い場所にあるキョロロは、コールテン鋼に覆われた錆色の建物で、細長いユニークな外観が特徴。
冬は建物が雪に埋もれ、展望台の塔部分のみが現れる潜水艦のような建築。

Y021 キョロロのTin Kin-Pinー音の泉
Y022 大地、水、宇宙

D322 ファウンド・ア・メンタル・コネクション 全ての場所が世界の真ん中

逢平地区は日没後、ぽつりぽつりとあかりが灯り始める。
昔からお祝い事があれば菅笠を家の前に飾る慣習があり、その菅笠を照明のシェードにアレンジして各住戸に設置した作品。
住民は日が暮れるとスイッチを入れ、寝る前に消すという。
あかりのつけ忘れや消し忘れが一目で分かることから、結果的にこの習慣が地域のセーフティネットのような役割を果たしている。

とても可愛い



2日目ここから↓

お宿の近くにある屋外作品からスタート。
10:00〜の公開を待たずに時間を有効に使っていく。

D052 回廊・・・時の水脈

D050 ジャック・イン・ザ・ボックス まつだいバージョン


草!!!本体は見えず

D051 視点

(番外編)トヤ沢砂防ダムえん堤

作品を目指していたときにこれが作品だと思い込んだほどに特徴的な景色が存在していた。
これほどの規模の砂防ダムはどうやらかなり珍しいらしい。
東日本大震災の翌日に起きた長野県北部地震で土石流が流れ込み、そばを通る国道353号線が寸断された。
再び土砂崩れを起こさないことを目的に、堰き止めるようにして作られた砂防ダム。

M088 別の場所から来たもの

東京電力信濃川発電所連絡水槽と呼ばれる設備(長野県飯山市で取水した水が信濃川発電所に送られる導水路の約20km下流にある津南町の経由設備)に展示されている作品。
鏡面仕上げの金属で作られる本作は、子供の遊ぶ公園をイメージしている。
けれど、離れた場所からしか見ることができない「入ることのできない公園」であるという。それは、手の届かない幸福な空間であり、同時に過ぎ去った幼年時代を想起させる場でもある。


N060 船の家

アトリエワン+東京工業大学塚本研究室による作品。

N061 未来への後悔 水から誕生した心の杖

船の家の格納されている。

N010 日本に向けて北を定めよ(74°33’2”)


現役の小学校、後ろでは体育の授業中

N028 たくさんの失われた窓のために

こちらも大地の芸術祭といえば思い浮かべる作品のひとつ。
天気と風に恵まれるとこんな絶景に。
地震で失われたたくさんの暮らしがこの地に刻まれている。


N058 清津川プレスセンター「きよっつ」

N072 磯辺行久記念 越後妻有清都倉庫美術館[SoKo]

新作・新展開の作品が2つ。

N082 大地の芸術祭と地域環境ー越後妻有における地域資源の継承ー
同上
外光が美しかった

N079 Tunnel of Light

渓谷美という元々場所が持っている力と、大自然に現代アートが寄り添っている姿に目を奪われる。

これはトイレ
柱状節理と透明度抜群な水

T214 もうひとつの特異点

清津峡から一度魚沼方面へ峠越えし、もう一度別の峠からアクセス。
途中通行止めで迂回が必要となった。
貸切で鑑賞。



T120 うぶすなの家

築100年の茅葺き屋根の古民家を焼物ミュージアムとして再生。
1階は地元食材をふんだんに使ったランチでもてなしてくれるレストラン。

T121 風呂
T122 かまど
T448 つキかガみ巡ル月
15時すぎの外光が圧巻
見逃し厳禁
増築部分の空間構成も興味深い

T134 胞衣ーみしゃぐち

T427 枯木又プロジェクト

十日町市の東端に位置する廃校で京都精華大学の有志が繰り広げるプロジェクト。

落雪に対応する屋根の形が特徴的
T453 新聞紙のドローイング
子育ての合間をぬって書き続けているというボールペンでのドローイング
T454 石化する風景
天然石灰石を使った版画
T455  記憶のラビリンス
同上
同上
T427 大地の記憶
T452 悠々自適

T309 十日町産業文化発信館いこて

手塚夫妻設計の飲食店。
この地域ならではの雪に受動的な形状の建築。

T390 光り織

日没後にだけ現れる光。


3日目ここから↓

この日も開場時間前に屋外展示から。

T025 越後妻有里山現代美術館 MonET

十日町エリアの顔「越後妻有交流館・キナーレ」
T462 溢れる
T028 3つの門のためのネオン
T304 モグラTV
T462 阿弥陀渡り
T462 本日も、からっぽのわたし#3
T462 Colony


T462 町の散策
T462 The Long and Winding River(tunnel and table)
同上
T461 25の譜面台ー様相論的年の記号場
T221 ゴースト・サテライト
T412 movements 
実は全て時計の針
T227 浮遊
新潟の家々が雪のように舞う
T226 Wellenwanne LFO 
T415 Force
名和晃平の作品
T230 LOST#6
T280 ソイル・ライブラリー/新潟
T222 Two River
T416 16本のロープ
T411 エアリアル
T457 白い服 未来の思い出

T320 Winter Circlet

T384 喫茶TURN/T38510th DAY MARKET 

T201 妻有田中文男文庫

T200 天の光、知の光ーⅡ
T428 農具の時間

K005 光の館

自動開閉の屋根
持て余してしまうほどの和室
ジェームズ・タレルらしい天井

ナカゴグリーンパーク

K114 動物図鑑
K114 うさぎ
K114 息/みつめる
K114 どうぶつ涅槃
K114 目指せ13m
K114 はじめに心があった
K114 越後妻有レインボーハット2024
K114 モノの移行

D053 まつだい能舞台

設計はオランダの建築家集団MVRDV。
雪国ならではのつくりとして、1階は開放的なピロティとなっている。
この建築には柱が存在せず、4本の階段で浮いているように見える構造となっている。

D155 ゲロンパ大合唱
D359 廻転する不在
D360 山ぞり夏まつり
D001 棚田
D006 かかしプロジェクト
D055 カフェ・ルフレ
D057 火の周り、砂漠の中
D362 10のアルバム 迷宮
D058 関係ー黒板の教室(教育空間)引き出しアート
D380 自分をより良くする方法
D364 アーティストの図書館
D061 花咲ける妻有
D060 かまぼこアートセンター
作品番号なし

D247 まつだい郷土資料館

立派な古民家を移設した資料館。

D392 まつだい郷土しりょう館

松代城

D377 憧れの眺望
D379 脱皮する時
D378 楽聚第

D330 ドクターズ・ハウス


初訪してみて

新潟県=米どころ

まず上越妙高から車で移動すると、360°の田んぼ一面に収穫を心待ちにした稲がの姿があった。
豪雨か猛暑か理由はわかりませんが、半分以上の稲が完全に寝てしまっている。
これは十日町・魚沼エリアにも言えること。

そしてどのエリアにも共通して本当にコメしか作っていない。
一面に広がるその風景は圧巻で懐かしくもあった。
やはり米はふわふわしていて美味しかった。
新米の販売は9月21日から。

街は歓迎ムード

大地の芸術祭も回を重ね、今年はコロナの流れもあって3年連続で行っているそう。
そのため来訪もコロナ前に比べると分散し緩やかで、受付の地域の方と話す時間もあった。
各家庭は歓迎の印としてオレンジの旗を掲げている。
年配の方はこの地を訪れる人々から街を褒められてとても喜んでいるそうだ。

季節を変えてまた来たい

日本屈指の豪雪地帯、春夏秋冬で見える景色はガラリと変わるだろう。
多い時は積雪が4mに及ぶことも。
津南最奥の秋山郷エリアは紅葉が格別に美しいという。
これがリピーターを生み出す秘訣である。

(気が向いたら追記)
お疲れ様でした。


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