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2025年トレードデッドライン感想🍏【イースタンカンファレンス編】
フランチャイズプレーヤー・スタープレイヤーのトレードが目立ち、例年以上に大きく動いた2025年のトレードデッドライン(以降TDL)付近のNBA。
2月以降の動きに対して、評価というより単純に僕の視点で感じた事を書いていけたらと思います。
1、アトランティックディビジョン
1-1.ボストン・セルティックス
放出:ジェイデン・スプリンガー、2巡目1つ
獲得:2巡目1つ
感想:一見小さな動きに見えるけど、出した選手は4Mなのにこれ一つでラグジュアリータックスが約15M軽減されるから馬鹿に出来ない。TDL後早々にブルズからウェイブされたトリー・クレイグを獲得して強かだなと思った。
1-2.ブルックリン・ネッツ
動き無し
感想:12月にはラッセルを獲得するなど、動いたものの大きなターゲットとなると思っていたキャメロン・ジョンソンが動かない事態に。
1巡目二つクラスとされていたけど、実質は有望選手に1巡目二つクラスを狙っていたようで、今回は該当のアセットがなかった様子。
安売りしないのはいいけど、そこまで跳ね上げる必要があったかは今後の動き次第かな。夏の動向には要注目となると思われる。
ベン・シモンズはバイアウトのようで、ここの動きも注目。
1-3.ニューヨーク・ニックス
放出:ジェリコ・シムズ
獲得:デロン・ライト、現金
感想:ミッチェル・ロビンソンは負傷の影響もあって動かせなかったものの、ジェリコ・シムズを放出しデロン・ライトでガードの補強。
インサイドは手薄なままだが、大きな負傷者が出なければ何とかなるだろう。
1-4.フィラデルフィア・セブンティシクサーズ
放出:KJ・マーティン、ケイレブ・マーティン、レジー・ジャクソン、1巡目1つ、2巡目3つ
獲得:クエンティン・グライムズ、ジャレッド・バトラー、2巡目5つ、金銭
感想:何せ放出が目立ったチームの1つ、新ビッグ3を構築したにも関わらず、負傷者続出で揃わず、頼みのルーキーマケインも全休となる負傷、完全にタックス回避に向けて主力の2人のマーティンを放出。ファンを嘆かせる事に。1巡目を2巡目に分割し、数年先もうまくドラフトではロールプレイヤーを獲得する土台にし、最悪の時はビッグ3解体の方向か。
1-5.トロント・ラプターズ
放出:ブルース・ブラウン、ケリー・オリニク、デイビオン・ミッチェル、1巡目1つ、2巡目2つ
獲得:ブランドン・イングラム、PJ・タッカー、ジェームズ・ワイズマン(のちに解雇)、2巡目1つ、金銭
感想:今季のみのレンタルになる恐れもあるが、放出が選手ベースでブランドン・イングラムを獲得出来たのは大きい。現時点でもタレントは揃いつつあるが、スコッティ・バーンズとコンビを組める存在が出来、今季エースを張れるイングラムが入ったのは大きい。
来季のサラリーをオリニク放出でだいぶ空けられた為、新契約のバーンズと共に来季以降の脅威となるのが期待される。
2、セントラルディビジョン
2-1.クリーブランド・キャバリアーズ
放出:キャリス・ルバート、ジョージ・ニアン、1巡目スワップ権2つ、2巡目3つ
獲得:ディアンドレ・ハンター
感想:SFのサイズアップ含めた大型化をするかが焦点だったが、予想されていたキャメロン・ジョンソンではなく、より無理のないアセットで獲得できるハンターを獲得。今季調子を戻してるだけに大きな補強になるだろう。
(放出した選手はINDに縁がある選手だけに心苦しい部分があるのは僕の個人的心境)
今季限りのルバートが抜け、ハンターを獲った事で来季のエプロン突入が確実視されてるがまずは今季からといった所だろう。
かつてピストンズが優勝した際、最後のピースになったラシード・ウォーレスのように、チーム力で勝負するキャブスの最後のピースとなりそうな予感もするので、贔屓チームに対しては脅威でもあるが、チームがどうなるか楽しみでもある。
2-2.シカゴ・ブルズ
放出:ザック・ラビーン、2巡目1つ
獲得:ケビン・ハーター、トレ・ジョーンズ、ザック・コリンズ、1巡目1つ
感想:ニコラ・ブーチェビッチの放出には失敗したものの、契約の大きさと長さで実力がある為、今後の再建の妨げにもなってたラビーンを出し、契約の短縮化、そして1つとは言え、今年の自前を取り返せたのは大きい。
トレード予想のされたロンゾ・ボールについて、契約延長もバランスいい契約となり、一旦小粒なチームにはなるものの動きやすくはなったように見える。今後若手軸によりはっきりとシフトしつつ、豊作年と言われる今年のドラフトであわよくばフラッグを狙う形を取って行きそう。
2-3.デトロイト・ピストンズ
放出:2巡目1つ
獲得:デニス・シュルーダー、リンディ・ウォーターズⅢ、2巡目1つ
感想:今季躍進していながら、リーグで唯一持っているルームエクセプションを活用して、わらしべ長者の如く課題だった控えPGとしてシュルーダーをうまく獲得した印象。大物ウイング獲得とはならなかったものの、地力のあるチームになっているだけに、スタンダードなPGとしてトップクラスのシュルーダーの獲得で更なる躍進に繋がるだろう。
2-4.インディアナ・ペイサーズ
放出:ジェームズ・ワイズマン、金銭
獲得:2巡目1つ
感想:チーム力で戦い、基本的に動く要素はないペイサーズだが、今季序盤にアイザイア・ジャクソンとジェームズ・ワイズマンがACL断裂で離脱、調子を戻してきただけに、トーマス・ブライアントだけでは心許ない部分のあるビッグマン取り用か、ロスター枠確保の為、ワイズマンを放出。
FA市場にモー・バンバ、シディ・シッソコ、ジェイレン・フッド・シフィーノなど若手も出ている為、この辺りのいずれか(おそらくバンバあたり)を獲得するだろう。
2-5.ミルウォーキー・バックス
放出:クリス・ミドルトン、AJ・ジョンソン、デロン・ライト、1巡目スワップ権1つ、金銭
獲得:カイル・クーズマ、ジェリコ・シムズ、2巡目1つ
感想:フランチャイズプレーヤーを放出することになったバックスのトレード。とは言え元々スモールマーケットのチームで焼け野原にするわけにもいかないだろうし、クーズマで若返りはアリだと思う。
今季から来季までの様子で再トレードなど、方法もあるので悪くないかなと。シムズでビッグマンの控えを増やせたのもビッグマン市場が枯渇してる中でいい動きだと思う。
3、サウスイーストディビジョン
3-1.アトランタ・ホークス
放出:ディアンドレ・ハンター、ボグダン・ボグダノビッチ、コディ・ゼラー、2巡目4つ
獲得:キャリス・ルバート、ジョージ・ニアン、テレンス・マン、ボーンズ・ハイランド(後に解雇)、1巡目スワップ権2つ、2巡目3つ
感想:出し手予想の中、ギリギリで動いたけど、他に驚きの加入は与えたけど、獲得のボリュームは決して多くない。
若手コアへのスイッチもあるので、大きな補強こそ必要ないが、ジェイレン・ジョンソンの全休が決まった中で、大型フォワードの補強は予想された中で動きはなかった。
ルバートやニアン、マンはいい補強ではあるが、インサイドやウイングを埋められたとは言い難い。
トータルで見ると、疑問符は付く動きになった。
ヤングが愛想尽かせないか心配ではある。
3-2.シャーロット・ホーネッツ
放出:マーク・ウィリアムズ、コディ・マーティン、バシリイェ・ミチッチ、2巡目2つ
獲得:ダルトン・コネクト、キャム・レディッシュ(後解雇?)、ユスフ・ヌルキッチ、1巡目2つ、1巡目スワップ権、2巡目1つ
感想:今季躍進が叶わなかった時点で出し手に切り替えたのは大きい。結果1巡目2つに出来たのは主力クラスを出しながら、1巡目を取ることが出来なかったチームも多いのでいい動きだったと思う。
マークを失っても、そもそも2wayでディアバテもおり、ドラフトでもいいビッグマンは今年のドラフトでは取れそうなのでアリかと。ウイング超過ではあるもののB・ミラーが出られない間に育てられるコネクトを取れたのも大きい。当座のビッグマンとしてヌルキッチも取れている。
将来的なこのTDLの勝者になる可能性を秘めていて面白い動きだった。
3-3.オーランド・マジック
動き無し
感想:もう少し動いても良かったと思う。
課題のハンドラー問題には向かわず、現ロスターを維持。
大きな問題はないものの課題も解決せず、今季は様子を見てオフでの動きに賭けるのかなと。
3-4.マイアミ・ヒート
放出:ジミー・バトラー、2巡目1つ
獲得:アンドリュー・ウィギンス、カイル・アンダーソン、デイビオン・ミッチェル、1巡目1つ
感想:もはや関係修復不可能な状態を出せるかどうかが焦点の中で、ウィギンスとミッチェルを獲得したのは大きいと思う。
指名権は1巡目1つだけど、この二人を取れたのは大きい。
ウィギンス・アンダーソンでフォワードのサイズアップ、ガードの厚みを作れたし、安定感は増したかな。
悲しみは大きいだろうが、チームとしては面白いと思う。
3-5.ワシントン・ウィザーズ
放出:マービン・バグリーⅢ、ジョニー・デイビス、パトリック・ボルドウィンJr、カイル・クーズマ、レジー・ジャクソン、1巡目1つ、2巡目2つ
獲得:クリス・ミドルトン、AJ・ジョンソン、ジャレッド・バトラー、マーカス・スマート、アレックス・レン、コルビー・ジョーンズ、1巡目2つ、2巡目4つ、金銭
感想:売るべき選手をうまく売れたかなと。今見てて気づいたのはスマートを取ったトレードで1巡目1つ取れてた事。
これは地味に大きい。ミドルトンとブログドンのどちらかはまあバイアウトなんだろうけど、一部ベテランがいるとは言え、使えそうな若手も居ていい感じだし、クーパーチャレンジ筆頭格としてはいい感じの動きになったんじゃないかな。
フロントを入れ替えて、いい再建ムーブになったと思う、改善の雰囲気の見えるプールをうまく中心軸に置けば、面白いチームになるんじゃないのかな。
4、イースタンの総括
そもそも、全チーム書くつもりが思ったより文字数掛かるので2つに分けます。
イースタンではキャブスの動きが秀逸だったかな。
ハンターがラストワンピースになったら、2003年ピストンズのようにいい感じの全員バトルチームになりそう。
個人的に良かったなあと思うのはヒートとウィザーズかな。
バトラーを放出した上でバランスのいいチームになりそうなヒート、再建及びドラフトに向けていいスリムアップを図れたウィザーズは印象的だった。
あと棚ぼたラッキーなピストンズもシュルーダー獲得は本当に大きいと思う。
逆にうーんとなったのはブルズとホークス、ブルズはそもそもの取り方問題もあったけど、条件の立て方のバランスが悪すぎて、ブーチェに関しては評価を上げ過ぎて、出せなかったことの方が罪。ラビーンは逆にせめて2巡目ぐらいは追加が狙えたと思う。これは別で書くけどキングスがもっとフォックス放出に向けて色々取りに行けば相対的にブルズにももう少しアセットが回ったように思う。ホークスはもう少しJJの穴を考えた動きがあっても良かったのかな。ニアンはあくまでベンチクラスだし、もう少しスターターでも行けそうな選手は取れた気が。
まあイースタンはこんなところ。
またウエスタンも書きます。