バガー・ヴァンスの伝説ってどんな話?
スティーヴン・プレスフィールドの最初のメジャーヒットである
「THE LEGEND OF BAGGER VANCE」(バガー・ヴァンスの伝説)、
映画にもなり、ウィル・スミスとマット・デイモンが出演している!
天才ゴルファーと期待された青年(ラナルフ・ジュナ)が
戦争から帰ってくるが、その経験からトラウマを抱えてしまい、
自分のスイングを失ってしまう。
そんな彼がバガー・ヴァンスという不思議な人物に出会い、
ゴルフを通して徐々に自分を取り戻していく物語り。
*映画はわかりやすくするため、少し展開が異なる。
このストーリーで伝えたかったことは、ずばり
『余計なものを取り除けば本当の自分が見つかる』
『そしてそれは今でしか見つからない』
ということだ。
そんなことを頭の隅に少し残しながら
スローリーの始まり〜
ジュナの地元で大きなゴルフ競技が開催されることとなり、
町は大騒ぎ。
町をあげてイベント準備が始まった。
そんな中、地元からもスーパースターが出場すべきだと
思い付いたのはかつて天才と呼ばれたラナルフ・ジュナ。
早速知り合いが彼を探し回る。
彼を見つけたはいいが、今のジュナはアル中で死人のようだ。
ジュナは大会出場をオファーされるが、かたくなに断り続ける。
なぜなら、彼は自分のスイングを失っているから。
ジュナの部屋の奥に1人の黒人が静かにいた。彼の名はバガー・ヴァンス。
どうやらバガー・ヴァンスはジュナのメンターのようだ。
バガー・ヴァンスはジュナに出場をすすめる。
彼がキャディーをするという条件で。
2人の関係は不明だが、ジュナは素直に出場を認めいまう。
ジュナは試合直前でもあいかわらずアル中のまま。
バガー・ヴァンスはおかまいなしに夜中にコースの下見に出かける。
そこで会った他のプレーヤーのキャディーと
ゴルフスイングの話を始めた。
バガー・ヴァンスは説明する。
”この世の中に2つ同じスイングはない。
誰にでもその人にしかないスイングがある。
それが「Authentic Swing」正真正銘のスイングだ。"
バガー・ヴァンスは続ける。
"ある子供が生まれて初めてゴルフボールを打った時のスイング、
そして後に完成されたスイングを比べれば、
本質的には全く同じとわかる。"
"生まれた時からその子にしかない完璧なスイングがある。
それが「Authentic Swing」オーセンティック・スイングなんだ。“
相手のキャディーは返す。
"んん、ってことは、ニセの部分を削っていけば 、
最後に本物のスイングが見つかるってことかい?"
バガー・バンスは答える、
"スイングは君が見つけるものじゃない、
スイングが君を見つけるんだよ。"
"スイングに全てをゆだねれば、
本物のスイングが顔を出すだろう。"
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
トーナメント当日、ジュナは現地に到着し練習を始めるが
途中で逃げ出してしまう。
戦争で多くの仲間を傷つけられ、また相手を傷つけたトラウマは
誰かと競うことを拒否する。
ジュナにとって、もう誰も傷つけないためには
”何もしない”ことが最善策なのだ。
逃げるジュナにバガー・ヴァンスは、
冷静でありながら、突き抜けるようなトーンでいさめます。
"ジュナ、君は自分を神か何かと思ってるのかい?
何をわかってるって?
何が本物で何が大切かなんてわかってるつもりかい?”
“君の仕事は今、目の前のホールをプレイすることだ。”
逃げても先は無いとあきらめたジュナは1番ティーへ向かう。
ジュナの組は3人、ジョーンズとヘイガンは超一流だ。
最初の9ホール、ジュナは苦悩に耐えながら41、
ジョーンズは36、ヘイガンは35。
敗北は濃厚だ。
10番ホール、すでにジュナは全ての手を尽くしていた。
バガー・ヴァンスはささやく。
”ジュナ、君の中身はもう空っぽだ。
さあ、残ったものでティーショットを打つんだ。“
”でも、もう何も残ってない!“
ジュナは救いを求めるようにバガー・ヴァンスを顔をのぞき込む。
”その通り、それでいいんだ。"
"ゴルフはシンプル、ボールは動かない。
さあ、全てをかけて打ち込め!“
全てを失ったかと思えたジュナは
そこで完璧な1打を打つ。
そこからジュナは激変する。
打つショットはミラクルの連続だ。
本人自身は何が起こっているかわからない。
しかし、ジュナは自分の『身』にスイングを任せる。
正確には『スイング』に自分を委ねる。
バガー・ヴァンスはジュナを、
オーセンティック・スイングへ導く。
とうとう残すはあと2ホールとなり、
強烈なジュナの追い上げで
3人は同スコアで17番ホールへ。
観客が押し寄せる中、17番の2打目へ。
ジュナが2打目の構えに入ったその直後、
"ボールが動いた"とジュナが突然声を発した。
そう、構えた後にボールが動くと1打のペナルティーになるのだ。
周りは大騒ぎ、"本当は動かなかったのでは?"と混乱する。
しかしジュナは公式に宣言する。
"ボールは、ここ、から、ここ、へ動いた。"
ゴルフは自己申告のスポーツ、
黙っていればそのままプレーできたのだ。
ここでバガー・ヴァンスは動く。
そして、ジュナに伝える。
"とうとう、君は私の元に届いた。"
そしてバガー・ヴァンスはどこかに消えていった。
そう、ジュナは自分を取り戻したのだ。
バガー・ヴァンスの助けがなくとも。
18番ホール、ジュナは1打差で後退。
2打目を終え、すでに暗闇の中 3人はグリーンへ。
観客は自家用車をコースに持ち込み
プレーヤーのためにグリーンを照らす。
ジョーンズとヘイガンはバーディー(4)。
そして、ジュナは、イーグル(3)、タイとなる。
(終)
もし、ここまで読んでいただけた方がららしたら
ただただありがとうございます!
バガー・ヴァンスは最後まで謎の人物でした。
しかし、バガー・ヴァンスはジュナと『同一』
の存在だったような気がします。
ジュナがペナルティーを認め、自分を見つけた時点で
同時にバガー・ヴァンスと1つ、であることを
確信したのです。
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