ほぼ日手帳が欲しい
9月。
年々残暑が厳しくなり、とても秋とは思えない気温なのだけれど、空を見れば鱗雲。季節は着実に秋になっている。
着る服に毎日困ってる。真夏にだいぶお世話になったホワイトのトップスはやや季節外れ感が否めず、かといって5分袖すら暑い。メイクや小物もそう。気づけば暑すぎて出歩けなかった真夏のフラストレーションを解放するかのように、休日には街に出向いて大好きなえんじ色のアイシャドウや髪留めなどを買い集めてる。
そんな衣替えのことで頭がいっぱいの9月だけれど、もう一つ重大なイベントが毎年9月にやってくる。
来年の手帳選びである。
9月になると、一気に文房具屋さんの手帳コーナーに来年の手帳が並び始める。
毎年この時期を楽しみにしてる人も多いと思う。
私も、9月=来年の手帳選びの月だと思って毎年過ごしている。
さて、手帳。
言うて、そんなに手帳術が優れているわけでもないし、持ち歩かない方が多いし、だいたい使い忘れて数ヶ月放置してたりがザラなんだけれど。だから来年こそはもうiPadの手帳アプリでいいんじゃないかしらとか思っていたんだけれど。
ほぼ日手帳が、使いたい。
不意に天啓が下ってしまった・・・・・。
ほぼ日手帳。存在は聞いていたけれど、今まで全く興味を持ってこなかった。
それが、なぜか、唐突に、ほぼ日手帳を使ってみたくて仕方なくなってしまったのである。
なんでも、文庫本サイズで、1日1ページ版が基本のほぼ日手帳だそう。
私はタイムテーブルに時間単位で予定を立てるのが好きなので、コンパクトでタイムテーブルがあるほぼ日手帳がすごくいいなと思った。
早速Loftに行って、どれがいいか選んできた。
・・・・・。
いや、種類多くない!?
文庫本サイズでも、レフィル+カバーを選ぶタイプと、ハードカバーになっていてそのまま使えるHONタイプがあり、しかもそれぞれ色々柄や種類があり・・・・。
商品棚の前で悩むこと数十分以上。
決まらない・・・・・・。
いや本当に決められない・・・・・。
ほぼ日手帳の基本は、レフィル+カバーだという知識はつけてきた。初めてだから、基本を踏襲したい。だがしかし、ただでさえ私は荷物が多い。カバーをつけることで間違いなく嵩張る。嵩張って持ち歩かなくなる未来が見える。
じゃあHONタイプにするか。
しかしここでまた問題が出てきた。
ざっと眺めたところ、ほぼ日手帳は、月曜始まりがデフォルトらしい。
レフィルタイプには日曜始まりがあるのだが、HONタイプは月曜始まりしかない。
私は、手帳もカレンダーも、昔から日曜始まりで慣れ親しんできている。
HONタイプにすると、必然的に1週間が月曜から始まることになる。
慣れるのか?慣れることができるのか?
やっぱりレフィルにするか?いや、でも持ち歩かなきゃ意味ないし。
さらに悩むこと数十分。
(流石に邪魔になるので、この間悩みながら他の手帳ブースなどをうろうろしている)
しかも、HONタイプは、表紙も色々デザインがある。
どうしても決められない。
そもそも、ほぼ日手帳は、1月始まりなので、今買っても、あと3ヶ月は使えないのである。今急いで買う必要はないのである。
そう思い、焦るな・・・また帰って考えよう・・・と思い店を出る。
でも私、一度欲しいと思うと止まらなくなっちゃう方でして。
店を出て他の建物に移動しても、思うのはほぼ日手帳のこと。
いいよな・・・ほぼ日手帳・・・・・。
今すぐ使えなくたって、ページ下の毎日の言葉を読むだけでも楽しいし、巻末のグラフとか感想ページとかは今から使えるしな・・・。
ちなみに、私は住んでいるのが田舎なので、Loftのある都会にわざわざ電車で出てくる必要がある。ネットショッピング?手帳はその場で実物を見て吟味して買わなきゃ意味がないんだ。
そして結局その後Loftに戻り、第2ラウンドが開幕。
HONを買おう。それは決めた。
悩むのはデザインである。
1番、持っていて雰囲気があるのは、三日月配達だと思う。
だがしかし。ここが私の可愛くないところで、私は物語を考えるのが好きだけど、あくまである程度オリジナリティにこだわりたい部分がある。ので、確かに三日月配達は素晴らしく素敵で持っていたら想像力が膨らむし可愛いのだけれど、持つことで「オシャレな女性」にはなれても、イマイチ自分らしい手帳とは思えないのではないか。
(そんなこと言っても、別に対した創造力があるわけでもないので、自分で考えたりするより無難に何かの作品にアイデンティティを乗せてしまった方が絶対楽なのになとおも思う)
次に惹かれるのは、どせいさん。
純粋に可愛い。任天堂作品は大好きだから、漫画やゲームが好きな自分としては惹かれるものがある。
だがしかし。私はどせいさんの一体何を知っているというのだろうか。
というのも、私はMOTHERという作品を知っていても、自分でプレイしたことはないのである。どせいさんだって、スマブラで出てくる、歩いていて、なんか投げてぶつけるアイテム、ぐらいの認識なのである。バーチャルコンソールで配信されたMOTHERを旦那さんがプレイしているのを横目で眺めて、「あー、なるほど、確かにTemmieさん味が」と思う程度で(undertaleはプレイ済みで、undertaleがMOTHERに影響を受けていることは知っている)、私自身がどせいさんやMOTHERの大ファンというわけでは決してないのである。1年間MOTHERの手帳を持ち歩く資格があるのは、MOTHERをプレイし、その作品の素晴らしさを身を持って知っているファン達だけなのではないだろうか?
それに、自分で漫画ゲーム好きとか言いながら、私は基本的にサブカル女というものが嫌いなのである。女社会に馴染めずゲームとか漫画みたいな男の子が好む界隈に手を出して、男子からチヤホヤされたい人達、というイメージがある(ど偏見)。だから多分、男の子が「MOTHER好きなんだよね」と言うのと女の子が「MOTHER好きなんだよね」と言うのでは全然違う気持ちで発言を聞いてしまうと思う。このどせいさんの手帳を持つことで、自分自身をサブカル女、男受けを狙ってる嫌な女と思ってしまうんじゃないか。こんな最低なこと書きながら、でも身近な漫画やゲーム好きな友人達は、ただ純粋に作品を好きで、他者評価とか何も気にしてないってことも知っていて、結局物事を素直に楽しめないのは自分自身の認知が歪んでいるからなんだと思い悲しくなるね。
(上記をほぼ日手帳の商品棚の前に立って難しい顔をして悩んでいる。本当に邪魔な客である)
で、じゃあ他のデザインにするかというと、slash(ネイビー)はシンプルすぎるし、ブラックギンガムも然り。ヘビと寿司は私にはポップすぎる。
と言うわけで。
散々悩んだ結果。
結局MOTHERにするのかよ、っていう。
いや、だって可愛いし。どせいさん。
いいんだよ、複雑に考えずにね、これいいな、って思ったものを使えば、それで・・・。
言い訳をすると、すごくコアな話になるのだけれど、昔pixivで読んだMOTHERの二次創作ですごい感動する作品がありまして。
当時MOTHERはよく知らなかったけれど、その二次創作の作者がすごくMOTHERという作品を愛していて、こんな繊細な作品を作れる人が愛するMOTHERというゲームってきっと凄い深いんだろうなと思っていた。
いつかまた新作を投稿してくれないかな、というか絵もストーリーもすごくいいからどこかで活動してたりしないのかな、と色々探してもみた。
そうしたら、実は商業デビューしていて、「キミオアライブ」という作品を出版していることを知った。
そして、作者が早逝して、「キミオアライブ」も未完であることを知った。
あまりにショックで、何かの間違いだと思って、別人じゃないかとひたすら調べたのを覚えている。だってあんな素晴らしい作品を生み出せる人が、若くして死んでいいはずがないじゃないか。
MOTHERを見るたび、その人のことを思い出すんだよね。
一つの作品に対して、謙虚に、真摯に向き合って、自分の作品を生み出したその人を心から尊敬している。
今はMOTHERの二次創作はご家族の意向か非公開になってしまっているので、見ることがもうできない。でも本当にすごくいい作品だった。
この手帳を開く度に、純粋に作品を愛した気持ちに思いを馳せられたらいいな、あわよくば自分もそうあれたらいいな、と思って購入した。
(上記をほぼ日手帳の商品棚の前に以下略)
来年が楽しみ!!!!!