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直近6年のトレンドの変化を振り返ってみた

渋谷でベンチャー投資をやっているCyberAgent Venturesの北尾です。

F8のまとめ記事以来、久しぶりのブログです。もう少しマメに投稿したいが、バタバタしてて、ようやく書けました。

2018年もいよいよ12月ということで、残り3週間弱となりました。多くのスタートアップ界隈の方々は、来年はどんなトレンドが来るんだろうかと色々思考を巡らせているんではないでしょうか。

スタートアップは、短い時間軸で高い成長が求められるので、どのタイミングでどのドメインを狙って事業をスタートするのかが非常に重要です。

まさに自分のやりたいことを実行する際に、「自分のタイミング」ではなく、「マーケットのタイミング」で実行をすることへの意識が大切だと思ってます。

そんなトレンドは、点ではなく、線で繋がっていることが多いので、ある程度の時系列を追って、見ていった方がいいのではないかと思い。

自分なりにCAVのポートフォリオをトレンドごとに整理してみました。あくまで、北尾個人のまとめです。

以下は、支援先企業が投資したタイミングではなく、その企業がPMFを終えてシリーズA〜Bを迎えた時系列でまとめてます。その方が、マーケットのタイミングにしっかり合った事業だと説明しやすいからです。

2012年から2018年までザッと見ていきます。


2012年〜2013年:シリーズA〜B スタートアップ

今見ると、どれも有名スタートアップ。。なお、投資時は、Rettyは(株)TopNotchで、heyもコイニー(株)で、ロゴも社名も変わってます。ここでは分かりやすいように、現在の社名で書いてます。

個人的に面白かったのは、最後の行に書いている部分です。今でこそ皆NetflixやNewspicks等に月額で課金してますが、当時はデジタルのものに課金するってまだ抵抗あるユーザーが多かったんじゃないかと思う中で、Kindleを中心に電子書籍の誕生は大きかったんじゃないかと思います。まさに社会の価値観の変化だと。東南アジアや中南米では、まだ日本ほどデジタルへの課金に抵抗があるユーザーが多いと聞きます。意外と当たり前じゃないんですね。


2014年:シリーズA〜B スタートアップ

2013~2014年では、検索に加えSNSからの情報流入も増え、一人のユーザーあたりが満足度の高い情報だけを欲しいっていう動きが出てきたり、リーマンショック以前の大量生産大量消費の時代が終え必要な時に少しずつ共有できればいいというシェアリングエコノミーが世界で爆発的に伸びていった流れから、その世界観が日本でも広がり始めたり、としています。


2015年:シリーズA〜B スタートアップ

面白かったのが、クラウドワークスのような全方位型のソーシングサービスから、何年か後のタイミングで特化型のクラウドソーシング系のサービスが似た時期にシリーズA〜Bの調達をされていました。創業は2011~2012年、2014~2015年のタイミングで数値が出てき始めて、今ではかなり知名度の高いサービスになっている感じがします。クラウドソーシングと作業の分業化の工夫により誕生した上記サービスのおかげで、安かろう「良かろう」が誕生し、本当に仕事の効率が上がってきている感じがします。


2016年:シリーズA〜B スタートアップ

この年は、F8にてFacebookのmessenger platformが発表され、「bot」や「チャット」を毎日聞くようなことがありました。そんな中、スマホだとチャットの方が見やすいし、すぐ返事が来るしっていうことで、チャットサービスが大きく注目された年だった気がします。


2017年:シリーズA〜B スタートアップ

この年は、「最近、なんかトレンドってあります?」ってやたらと聞かれた時期で、2016年までで衣食住EC旅行等の中心分野でWebサービスが充足してきて、結構やりにくかった時期な気がします。そんな中、仮想通貨が爆発的に伸びて、「スタートアップよりも仮想通貨だぁ」とかで投資家も起業家も皆毎日ビットコインのチャートを眺めていた気がします。笑 

そんな中でも、ある分野での新しいコンセプトのサービスや、2018年以降も続く人材の課題に注目したサービスが出てきました。


2017年-2018年:アーリー〜シリーズB スタートアップ

いよいよ今年がやってきました。去年後半から今年にかけて注目してたのが、「働く人の価値」の向上についてです。少子高齢化を前にして、65歳未満の人材価値はどんどん上がっており、企業が「人材の獲得合戦」と「一人当たりの生産性向上」のために、PR代行やHRサービス、RPA等にコストを払うハードルが下がってきてます。ただ、今の市況が続くわけではないので、来年以降はデータベースの質やマッチングの精度、CSや営業等の組織力等によってどんどん差が出てきます。



こんな感じでまとめてみましたが、どのスタートアップも、大きなトレンドの変化を意識して、その追い風に乗っている印象です。

特に、トレンドの変化には以下の要素が共通点で絡んでいる気がします。

①「ハードウェアやプラットフォームの変化」
②「社会の変化(人の価値観の変化)」
③「法律・政治の変化」
④「経済・企業の課題の変化」

自分の今持っている事業案に対して、1年前でもなく1年後もでもなく「Why now?」と問い続けてみることは重要で、①〜④の要素が考える中でヒントになれば幸いです。

2019年の案もいろいろ考えているので、以下より気軽にDMでご相談ください。ディスカッションさせてください。(ほぼ100%返事を返しているはずです笑。)

また、資金調達を考えている方は、毎月シード〜シリーズA以降の投資家・エンジェルを40~50社(原則1社1名)が集まる、資金調達イベント「Monthly Pitch」を運営してます。ぜひ以下より、ご応募ください。




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