【孤独のスパイ】ホームランド(米)
こんにちは、MDユウキです。
突然ですが私、スパイが好きです。
中学の時、家にあった父のゴルゴを読破(と言っても当時はまだ未完)してから後、スパイと国際情勢、主に冷戦時 に夢中です。
あ、念のため言ったおきますが、ゴルゴ13はギャグ漫画ではありません笑。暗殺人ゴルゴを一応格におきつつも、主体はその周辺で起こっている国際情勢や政治批判などが入り混じった「人の業」を取り扱うド真面目なおじさん用の漫画です。(ギャグ漫画としても楽しめなくもないおもろさですが…笑いつかこの話もしよう)
スパイものといっても…
スパイと言っても、ポップなスパイものや派手なアクションものはむしろ嫌いです。
そうではなくて、地味で暗くて普通に人間臭くて、インテリなのに行動は何にもすごくないというか、誰にも褒められないのに自分の信念に従って仕事してる、って感じが好きなんです。げへへ
そんなわけで、私も若い頃は、007やミッションインポッシブルやキングスマンなぞには目もくれず(いや嘘です見ますけど笑)、諜報・公安・冷戦関連の書物や、各国の諜報組織の構造やその活動を調べたり、それぞれの組織が使用する銃器の性能比較に取り組んでみたり、武器のデザインを確認したくてモデルガン屋に入り浸ったり、背景となる歴史や世界情勢を学んでその背景に活躍する諜報活動を妄想してみたりと、それは楽しい青春時代を送ったものです。(今思えばかなりアブナイ奴…色んな意味で)
スパイも普通の人間ですから。
今だって、西に東に、スパイと聞けばすぐ飛んでいきます。
ところが、です。
スパイ映画といえば、派手なアクションやカッコつけた主人公、なかなか死なない超人的な身体能力の主人公に謎のありえない組織、そして背後には悪を倒してハッピーエンド♡なエンタメ映画が多いですよね。まさに007とかさ。
ワタシの大好きな「かっこ悪い地味スパイ」系の映画やドラマがあまりに少なすぎるんです!
いや、地味なだけの真面目スパイ映画は結構あります。人気ないんでなかなか見つからないんだけど探せばそこそこある。
でも大体なんかこう、映像がカッコつけてるというか、制作側の思想があるというか?
見るものに「何か考えさせようとしてる」感じが押し付けがましくて、それもつまらない。見てられない。
求めるのは、なんかこう、臭さ?
人間の臭みというか、生活臭がするスパイものって、どこにあるんすか?
そんなもんはどうせ人気出なくてビジネスになりそうもないってのは知ってますけど、
エンタメビジネスだからってなにもそんな、やたらイケメンの紳士とか、ナイスバディのミニスカ美女とか、あり得ない飛び道具とか、超人的なスパイのやつばっか作らなくてもいいじゃあないですか。
そんなのいるわけない、ファンタジーじゃないすかぁ!泣
ついに見つけた…!!
そんな折、私にベストマッチの衝撃をくれたスパイドラマが2つ発見されたのでした。
それは、
①MI5 スコーピオン(英)
②ホームランド(米)
です!!!!!
この二つ、どちらも国の諜報組織で働く人物が主人公となり、ミッションをこなしていくのだが、、、
ずばり、主人公が何にもかっこよくない!!!
普通の人間なんです。
そして、事件がリアル。リアルで地味。
地味で、かっこ悪くて、人間臭くて、失敗もする。でも、自分の利益を顧みず国のために命をはれる、めっちゃ仕事できる人の話。
我々パンピーの生活者には、ことが起こらないから見えないだけで、
本当は彼らのような人物に未然に防いでもらってるだけなのかもしれない…!?
そう思わせる自然さがあります。
少なくとも「んなアホな…(跳躍力ありすぎワロタ)呆😂」とかはならない。普通の人間だから。
「いやこれ、すごいことだけど、あるかもよ、、、ドキドキ」と思わせます。
頭が良くて勇気のある彼らは、誰にも褒められることはない「仕事師の仕事」を裏方として地道にしてくれるのです。
しかもあっさりと命をかけて。
そして、最後にはさほど報われない。
もう、好き。かっこよすぎ。
そんな主人公のスパイドラマです。
ついに見つけた、この2つのドラマのことを、
海外ドラマ好きとしてではなく、
「スパイ好きの視点」で話してみたいと思います。
ひとまず、最近またhuluでの配信(3週目)を見はじめちゃってるホームランドから。
気持ちがアツイうちに書いていきますね!
ホームランド(米・2013-) あらすじ
では、おおまかなあらすじから。
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主人公キャリー・マティソン(演 クレア・ディンズ)は、CIAの諜報員。
8年前にイラクで行方不明になったアメリカ海兵隊の軍曹ニコラス・ブロディ(演 ダミアン・ルイス)が発見され、英雄として帰還するところから物語は始まる。
キャリーはこのブロディ軍曹が、捕虜の間にアルカイダに寝返ったテロリストだと疑い、CIAの上司であるソール・ベレンソン(演 マンディ・パティンキン)の忠告を無視し、家中の監視という違法な捜査を始める。
一日中寝ても覚めても監視してるうちに、その苦しみに同情したのか感情移入してしまったのか、とにかく好きになってしまって、でもテロリストであるという疑いは強く持ったまま接触し、強く心を通わせていく……
かのように見せかけて実は.…
はたしてブロディは本当はテロリストなのか?
キャリーの恋は本物か、諜報か!?
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とまあ、ざっと出だしのストーリーはこんな感じです。
シーズンが8あるので、もちろんまだまだ展開に続く展開があるのですが。
とにかく、キャリーは、
プライベート侵しまくりの違法捜査はするし、
テロリスト疑いの奴に恋はするし、
思い詰めて勝手に接触するしと、
自分の思った通りにやるためにはルールに従わないのです。
おまけに双極性障害を隠して働いているから、諜報活動中も躁だったり鬱だったりはちゃめちゃで、失敗しまくってひどい。
こんなあぶないやつは国防できないでしょ、早くクビに!と思うのだが、そうして手段を選ばすガリガリ仕事をこなすもんだから、めっちゃ結果を出す。そんなキャリーを上司のソールはとても信用している。
キャリーはテロを止めるため、アメリカを守るためなら自己犠牲を全く厭わない。
もう、そんなことまで、、やめなよ〜…と可哀想になるくらい、自分のマイナスなど何とも思わず文字通り何でもする。
自分はボロボロになって、誰からも嫌われて、守っている国からも非難され、信用も職も健康も失って、非道徳で哀れで浅ましいクソ女と思われてもなお、
なんとしてもテロを止めるために、国を守るために、いろんな人を欺いてめげずに働きまくる。そんな主人公なのです。
主人公がかっこ悪い。ていうか自己中のビ◯チ。
そう、このドラマ、みんな主人公キャリーが嫌いになるんです一回は。
何だこいつ!しんど、見てられない.…!となります。
しかし、そのうちに可哀想になる。
主人公キャリーに感情移入できないのは、同感してしまったら耐えられないから。わざと感情移入できないようにミステリアスな部分を残しながら作られている感じがします。
人の心はわからない、だから面白い。的な。
「ホームランド」の私的ヒットポイント
①主人公が普通の人間
まず、「主人公が普通に人間」。
これは必須条件かもしれません。
普通の人間=つまり私も頑張ればなれるかもしれない、組織がどっかからリクルートできる人間。
この世に存在しそうにない能力や道具を使わない人間。悲しんだり喜んだり信念を持ったり思いが変わったり自己中だったりする人間。
主人公がスパイなだけの、言ってみればただの「人間ドラマ」。
その普通の人間が、
仕事として人の生死を扱ったり、国家世界といった多くの人生を左右する世界の情勢を動かしている、
というのが良い。
②何を考えてるかわからない
ふたつめは、「何を考えてるかわからない」こと。
ゴルゴもそうだけど、主人公の心のうちがわかりにくい。それがいい。
人の心ってそういうもんじゃないですかね?
家族が大事だから仕事を犠牲にする、
仕事が大事だから恋を犠牲にする、
恋人が大事だから仕事を犠牲にする、
自分の信念が大事だから家族を犠牲にする、
…などと、そう単純には行かないのが人生ですよね。
誰しもがそこを何とかうまいこと折り合いつけながらバランスをとって生きていると思います。
しかし、その「仕事」が国家や世界の安全であればどうだろう、簡単に折り合いはつけられるだろうか?
その「家族」が生死をわける問題であれば、どうだろう?
その「信念」が自分の生きる意味そのものであったなら?
多くの他者の命と、自分の身近な人物の命、そして自分の信念を天秤にかけて、「うまいバランス」などは取れない。
折り合いのつかないことを、どう折り合いつけて生きるのか。
私ならこうするかもしれない、でもキャリーはどうだろう?ブロディはどうだろう?
いろんな考えの人がいるからそれは予測つかない。
状況やアクシデントによって、心が信念がどう変わってしまうかもわからない、ミステリー。
彼女は変化を与える側か、変化を受けた側か?
果たして誰の行動が、だれの行動を変化させ、世界はどう進むのか。
そんな人間ドラマを見せてくれるのが、この「ホームランド」なのです。
③キャストがいい
そしてヒットポイント三つ目が、「キャストがいい」こと!
ここにきて当たり前のことを言い出しましたが笑。
やっぱりテレビドラマ(あるいは映画)である以上、キャストが愛せなければさすがに見てられません。
私的いちおしキャストは、キャリーの上司ソール・ベレンソンを演じるマンディパティンキンです。
これは、名演です。ナイスキャスティング!!
正直、キャリーとブロディだけでは見てられなかったかもしれません。この2人、演技に緊張感がありすぎて…メインキャスト2人のクレイジーさが表現された白熱の演技。
いや、クレア・ディンズ(キャリー役)とダミアン・ルイス(ブロディ役)は立派にやってますよ。そりゃゴールデングローブ賞とりますよ、な演技だったですよ。
でも、派手なのよ。演技が。
ストーリーの中身も相まって、疲れちゃって..笑
そこで、マンデイ・パティンキン(ソール役)ですわ。
熟年の演技力!
髭でだいたい顔隠れちゃってるんで、何を考えてるのかわかんないではあるんですが、それもいい。
はちゃめちゃで騒がしいキャリーとは対照的な静かな役どころも相まって、とてもいい。ハマっている。
穏やかで一見何を考えてるかわからなくて役に立たなそうなのに、部下であるキャリーの能力を信じて愛もあって、信じるだけでなくその部下をうまく使って、使う度胸があって、嫌われても厳しいことも言えて、上とはちゃんと戦って部下を守って、本来の目的である国家安全の役に立てている、クレーバーすぎる50代の男性上司。これぞ仕事のできる中間管理職!!!
うわあーーん、実社会にもこんな器の大きな中間管理職がいたらいいのに..… と、つい遠い目をしてしまう、微笑ましい存在です笑。
マンディ・パティンキンといえば米ドラマ「クリミナル・マインド」が代表作とか。
クリミナルマインド… 見た気もするのですが、気のせいかしら。何にも思い出せません笑。
ともかく私はホームランドのマンディ・パティンキンが好きです。おじいさん(ていうかおじさん?50代後半か?)の渋みが溢れています。ああ好き。
ただの枯れ専とも、ただの髭好きとも言えますが、まあいいでしょう笑。
シーズン3だか4だかでちょっと内面が垣間見えてミステリアス感が薄くなってきた時は若干閉口しましたが、見なかったことにして我慢します。(なんのこっちゃ)
まとめ
そんなわけで、スパイドラマ好き視点のホームランドのご紹介でしたが。
ドラマ好きのホームランド好きはかなりいるのですが、地味でも見てられるほどの「本物のスパイ」好きはネット上でもあんま見かけないです。
いや、いても怖いか笑。こわいのよ。ポップにはいけないすね。
ホームランドは、やはり他のスパイものと比べて「ファンタジーとしてふざけないで深刻」というのがとにかくおすすめポイントです。
そして、エンタメとしてもちゃんと見ていられるテイストに仕上げてあります。
事件を軸にしたストーリーではなくて、人間の内面を軸にしたストーリーだから、スパイ好き出なくても、アメリカ人でなくても、ドラマ好きなら楽しく見れます。
そのあたりが、もう一つのおすすめスパイドラマ「MI5」より人気ドラマとして大衆に好まれた所以ではないでしょうかね。「MI5」はイギリスドラマだけあって、さらに、かなり、地味なので…
ちなみに、ホームランドはシーズン8までありますが、2までで一旦終わりとしても大丈夫です。
シーズン3からまた新たなフェーズが始まります。
シーズン3からはまた少し派手なアレンジが増え、人気のシーズンとなっています。
長く楽しめるし、完結してるのも良いですね!
あ、現在(2024.9.5.)はhuluとディズニープラスで通常配信中ですよ。
次の長編動画をお探しの方はぜひ。
それでは
また今度は、スパイドラマ好きとしてはさらにさらにおすすめの「MI5」をご紹介できたらいいな、と思っています♡
bye!
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