見出し画像

終わりが見えると、今が愛おしいと思う

「会社を辞めて、独立します!」

なんて言うと、よく聞こえるでしょうか?

会社員なんて、
苦手な人とも荒波立てずに仕事をしなきゃいけないし、
嫌いな人とも毎日顔を合わせなければいけないし、
やりたくもないことをやれと言われ、
決められたことばかりじゃないか。

そんな会社員なんて、さっさとやめちまえ!

こんなふうに。


それが、一年後に会社を辞めると(自分の中だけで)決めている私にとっては、

会社員である今この環境が、
会社の人たちと働けるこの時間が、
愛おしく名残惜しいんです。

一緒に働く彼らのことが、とても好きなんです。


▶︎「永遠」は「不満」を浮き彫りにさせる

そうは言ってますが、めちゃくちゃいい環境にいるのか?と言われると別にそう言うわけでもないですよ。

店長は物忘れが激しいし、仕事ができなさすぎて、みんなイライラしてます。

副店長は、自分の休憩時間のことしか考えていない、会社一の適当人間です。

いちばん長い古株スタッフは、細かいし短気です。ちょっと物の角度が違うと怒られるし、自分の思い通りに行かないと、物音が大きくなり、空気がぴりつきます。

きっと私は「ずっとこの職場に居るのだ」と考えたら、
「うちの店長は仕事ができなさすぎてイライラする」とか
「副店長は自己中心的だ」とか
「あの先輩は細かすぎてめんどくさい」とか
言っていると思います。


人っていうのは、今の状態が『永遠』だと思えば、『慣れ』てくるんですよね。

『慣れ』てくると『欲』をもとめるので、『不満』がでてくるものなんです。

▶︎「終わり」は「感謝」に気づかせてくれる

そんな彼らだけれど、一方で、いいところもいっぱいあるんですね。

店長は誰ひとりとして悲しませない。いつも優しくみんなを迎え入れ、いつも人を楽しませることを考えている、心のあったかい人です。彼がいるからこそ私は辛い時も悲しくなりません。

副店長の緩さがあるから、お店がピリついても、息苦しくなりません。
やる気がないように見えますが、実は「思ってもないことを言えない」人なので、信頼されてもいるんですね。

古株スタッフは、一番スタッフやお客さんのことを考えています。
彼の気遣いや先回りする仕事ぶりにはものすごく助けられているし、彼がいるからお店がハキハキします。

こんなふうに、彼らのいいところを私はたくさん知っていて、そんなところがとっても好きです。

そして、ここにいることに『終わり』を作ったときから私は、彼らの欠点よりも長所が見えるようになったんです。

本当に不思議なものなんですけれどね。

人っていうのは、『終わり』が見えると、人の良いところに気がついて『感謝』できるものなんですよね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?