なぜ私はイケメンに恋をしないのか?〈言葉フェチ〉
今、ちいさな恋が始まったところだ。
ほんとうに小さいけれど。
恋愛の初期段階ってやつだ。
今までなんとも思っていなかった人に、ときめきそうになる瞬間が訪れ、その瞬間はまぐれだと思っていたのが、何度も訪れるようになってくる。
こうなると、やはり頭と心は別の生き物なのだなと考えるしかなくなる。
なぜなら、私の頭はいつも、結婚するにはもってこいな、金銭力があって、体格が良くて、容姿が良くて、背が高くて、両親にも気に入ってもらえそうな人を探し求め、そしてそういった人に時々出会うのだが、私の心はその貴重な瞬間を堂々と無駄にする。
全くときめいてくれないのだ。
私の心が恋をするのはいつも決まって、ひょろっと体が細くて、お世辞にも男らしいとは言えなくて、背も高くなくて、容姿はどうみても恋愛対象とはならない人。イケメンではないのだ。
どうして私の心はイケメンに、理想の結婚相手に惹かれないのだろう。
イケメンに恋がしたいと思っているのに。
そんな私の脳みそに遠慮なんかこれっぽっちもしてくれない。私の心はいつも、世間一般からは恋愛対象外とされる人に恋をしてしまう。
どうしてなのか、誰か教えてほしい。
ここから先は
1,050字
¥ 300
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?