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遺伝子治療関連銘柄の注目アップデート①:2020年下半期

こんにちは、ぴたごららです。

はじめに

さて私はバイオ株を絶賛勉強中でして、中でもモダリティ(治療技術)として遺伝子治療に注目しています。モノによっては病気の完治が狙える可能性がある、あるいは完治までは至らなくとも治療の頻度を下げることができるのが理由のひとつです。お試し的な部分もあるのですが実際に遺伝子治療銘柄でもあるBioMarin $BMRN への投資もしていて、1年から2年くらいかけてダブルバガーにならないかな、と思っているところです。チャート的には逆張りにあたりますし、いずれかのタイミングで買い判断に至った思考過程も言語化・記録しておきたいと思います(途中でブン投げないために)。

他にもめぼしい銘柄はないかなと探していたところ、よいまとめtweetが飛び込んできましたので、自分でも簡単にサマリーを作っておいて後々の投資判断に活用したいと思います。途中で出てくる暗号のようなものは開発コードと呼ばれるもので、治療薬候補の仮の名前みたいなものです。ちなみにですが、ソース元はPiper Sandler Researchとのことです。

Disclaimer:
本内容の正確性は保証できません。本記事、またその内容に基づいた投資判断につき、私はいかなる責任も取れません。また本記事は特定の医薬品の使用を推奨するものでもありません。

4D Molecular Therapeutics(未上場)

ファブリー病に対する4D-310のFirst-in-human試験(人に初めて投与する試験)を開始するとのこと。

現在ファブリー病の治療は酵素補充療法などがメインで、およそ2週に1回程度の点滴が必要になるようです。
4D-310のほか嚢胞性線維症、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、眼科領域では後ほど触れるウェット型加齢黄斑変性(wet AMD)への治療薬候補も研究中のようです。未上場のわりにちょっと手を広げ過ぎ、フォーカスがブレている感があります。

Adverum Biotechnologies $ADVM

Wet AMDに対するADVM-022のフェーズ1試験追加データ(4症例分)が開示予定とのことです。

こちらは少し気になったKodiak Sciences $KOD を調べる中でREGENXBIO $RGNX(次回触れます)とともに名前があがってきたのですが、REGENXBIOのwet AMDに対する結果があまり良さそうに見えなかったので投資判断としては保留にしています。現在の治療法では眼球への注射が必要になるため、これが1回で済んだり、あるいは注射の頻度が下げられるのであれば確実にニーズはあると思います。継続してチェックしていきたいところ。ちなみに今のところは会社として眼科領域に専念しているようです。
ちなみにですが、Kodiak(※遺伝子治療銘柄ではありません)にはたぶん投資しません。CMOの経歴とかが魅力的だったりしたのですが、リード候補品のパワーが現行治療法のジェネリック参入に耐えられなさそう、という読みです。

Akous $AKUS

前庭神経鞘腫に対するAK-Anti-VEGFに関して、米国食品医薬品局(FDA)との治験申請前会議を行うようです。

前庭神経鞘腫は脳腫瘍の一種で、症状として聴力低下を伴うことがあるようです。ただ、ほとんどが放射線治療で治るとの話もあり、わざわざ遺伝子治療という手法で取り組む必要があるかはよくわかりません。

Apic Bio(未上場)

筋萎縮性側索硬化症(ALS)に対するAPB-102の治験届けを2020年第4四半期に提出するようです。

ALSは有名ですよね。その95%は原因がわからない孤発性とのことですが、残り5%は遺伝性のもので、Apic Bioはその5%(SOD1, C9orf72という原因遺伝子)をターゲットとしているようです。その他A1AT(α1-アンチトリプシン欠乏症でしょうか?)などの治療薬候補の治験開始も目指しているようです。未上場なので投資のしようがありませんが、継続してチェックしていきたいです。

Applied Genetic Technologies Corp $AGTC

X染色体劣性網膜色素変性に対するフェーズ1/2試験結果と、色覚異常に対する治験の中間データが開示されるようです。

眼科領域(wet AMDはないですが、dry AMDは研究段階)と、一部聴覚の治療薬候補も保有しているようです。五感に関連する病気というのは医療関係者でなくとも明確にニーズを認識しやすいですし、着眼点としていいなと思っています。余談ですが、おそらくAGTCという略称はDNAをあらわすAGTC adenine, cytosine, guanine, thymineを意識したものですよね。遊び心があっていいなと思いますが、個人的には逆に正式名称が覚えにくいです。ちょっと調べただけでも眼科領域は競合が激しいように見受けられます。

Axovant Gene Therapies $AXGT

パーキンソン病に対する6ヶ月の有効性・安全性データと、小児のGM1-ガングリオシドーシスに対する低用量のデータが開示されるようです。

小児で、しかも致死性の疾患に取り組んでいるという企業姿勢だけで個人的にはグッとくるものがあります。投資判断は冷静にいきたいですが、進捗は随時チェックして応援したいと思います。
パーキンソン病もALSのように5%から10%程度は遺伝性のもののようです。ALSも同様ですが、いわゆる神経系の病気に対して遺伝子治療がどのような投与経路となるべきか、すなわちどこに注射を打つべきか、については追って勉強したいです。
ちなみにですが、この会社は英国のRoivant Sciencesという企業を母体に持っていて、○○vantという子会社やスピンアウトが多数存在します(Axovantはそのうちのひとつで、遺伝子治療を専門としたブランチという位置付けでしょうか)。本体であるRoivantは2019年に大日本住友製薬と戦略提携をしていますが、Axovantはその提携内やオプションには入っていないようです。

何かと話題なRoyalty Pharma $RPRXと同じく、Roivantは非常に気になるビジネスモデルをしているのでまたの機会にまとめたいと思います。

BioMarin $BMRN

I have a position.
また別でnoteをまとめようと思いますが、承認申請した血友病Aに対する治療薬候補Valoctocogene Roxaparvovec(通称Valrox)の欧州医薬品庁(EMA)の審査結果が分かるのと、リジェクトになったFDAへの再申請の道筋が明らかになるのでは、とのことです。EMAからは審査が遅れるとの通知を9月上旬に受けていて、完全に勘ですがこちらはFDAと同様にリジェクトになるのでは、と予想しています。市場がそこまで織り込んでいれば株価は動かないでしょうし、もし下がれば少し買い増ししようかなと思っています。

バイオテックの老舗らしく、ホームページはダサめです。

Bluebird Bio $BLUE

ちょうど本日(2020年9月22日)、多発性硬化症に対する細胞治療の承認申請について、 FDAが優先審査を受け付けたというニュースが出ています。Bristol Myers Squibb $BMYとの共同開発で、今年5月に製造工程の問題で一度リジェクトされたようで、今回は再申請にあたります。

遺伝子治療では既に承認を受けているZYNTEGLO(ベータサラセミア、別名地中海性貧血に対する治療薬)のローンチと、脊髄小脳変性症に対するLentiGlobinの有効性の追加データ開示を12月に予定しています。

様々な疾患にいろいろなモダリティで取り組んでいるので、特定のプロジェクトがうまくいけば株価が跳ね上がる、といった予想ができず投資判断は難しいですね。今日のニュースにも市場はあまり反応していないように見えます。遺伝子治療では既に承認を得ており、細胞治療にもきちんと参入できることが示されれば「ちゃんと新技術を製品にするバイオテック」としての地位を築けるんじゃないかなと思っています。2017年のGilead Sciences $GILDによるKite Pharma $KITEの買収(11.9億ドル)のようなシナリオを妄想しながらsmall positionを持っておくのもいいかもしれませんね。最近、太っ腹なGileadが私が持ってるバイオテック全部買ってくれないかな、と思っています。

本日はここまでで、また残りの銘柄も見ていきたいと思います。

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