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CRISPR Therapeutics $CRSP を買う前に気にしておきたいこと

こんにちは、ぴたごららです。今回はCRISPR Therapeuticsについていろいろ考えてみました。

Disclaimer:
本内容は非専門家である私がニュース記事等をまとめたもので、内容の正確性は保証できません。正確な内容に関しては原文をあたってください。本内容、またそれに基づいた投資判断につき、私はいかなる責任も取れません。
また、本記事は特定の医薬品の使用を推奨するものでもありません。

前置き

景気いいですよね、CRISPR Therapeutics。設立者のEmmanuelle Charpentierさんがノーベル賞に輝いてから株価は現時点で20%ほど上昇しています。受賞自体は栄誉あることですが、それと企業の業績・将来性が直結するかは別の話。今回はCRISPR Therapeuticsに投資する前に気にしておきたいリスク面を取り上げてみます。
ちなみにですが、私はARK InvestのETF ARKKを購入しており、否が応にもCRISPR Therapeuticsに間接投資していることになります(2020年10月8日時点で組み入れ5位、ETF全体に占める割合は5.1%)。では私がリスクを念頭においた上でARKKを買ったか。答えはノーです。ARKKを買うまでCRISPR Therapeuticsの存在も知りませんでした。つい1, 2ヶ月前のことです。
自分が買うものの中身も知らないのは良くない、ということでInvitaeの勉強をしてみたりもしましたが、結局アクティブETFだと総取っ替えされることもあるのであまりブーブー文句を言っても、という感じですよね。ただARK Investの内規で、1銘柄単独で10%を超える保有の仕方はできないらしいので、気になる銘柄があれば個別に追加購入するのも戦略としてアリですよ。

↑ビットコインを50億円分買ったイケメソ

話が逸れましたが、CRISPR Therapeuticsをざっと見てちょっと危ないなと思った点があるのでそちらについて。

この戦略で大丈夫なの?

本題に入る前にCRISPR-Cas9とは何か、という話ですが「DNA二本鎖を切断してゲノム配列の任意の場所を削除、置換、挿入することができる新しい遺伝子改変技術」とのことです。私も詳しくないのでわかりませんが、このような改変が比較的簡単にできるというのがCRISPR-Cas9という技術の優れている点とのことで、CRISPR Therapeuticsはその技術を使って革新的なお薬を開発することを使命としています。

↑開発中のお薬一覧

ベータサラセミア(地中海性貧血)と鎌状赤血球症を対象としているCTX001は一旦置いておきます。いや、私としては置いといてはダメで、保有するかどうか考え中のbluebird bioの競合品になるので後ほどいろいろ調べます。今回注目したいのは癌に対する細胞治療のCTX110, CTX120, CTX130です。

癌に対する細胞治療としては既にNovartis, Gilead (Kite)などが製品化をしていますが、彼らの技術では自家細胞(患者由来の細胞)を取ってきて、工場で改変(癌細胞だけを攻撃するように教育)して、それを患者に戻すというプロセスを経る必要があります(上図)。そのプロセスに3週間ぐらいかかってしまうので、たとえばその間に患者の容体が急変、あるいは待ってたのに育成が上手くいかなかった、といったことが起こり得るんですね。じゃあ他家細胞(他の人の細胞)を使って育成・待機させとけばいいじゃないかとなるんですが、普通にやると癌細胞どころか患者の全身を攻撃する超ヤバい狂犬みたいなヤツが出来上がってしまいます。それをCRISPR-Cas9の技術でムニャムニャして、普段は可愛いチワワだけど癌細胞を見つけた時だけ土佐犬になるぼくがかんがえたさいきょうのワンちゃんを作ろう、というコンセプトです。すみません、細かいところはわからないのでフィーリングです。
そんなにうまくいくのか、というのが直感的に疑問に思うところですが、個人的にリスクが高いと思っているのが以下の3点です。

1)新技術がふんだんに盛り込まれている
2)細胞治療のノウハウがあまりないところから他家細胞治療にいきなり挑戦している

実際にCRISPR Therapeutics社内にどれだけのエキスパートがいるかはきちんと調べていないのでわかりませんが、既に自家細胞治療の承認を受けている会社がステップアップとして他家細胞治療に挑戦するのとは難易度が段違いなはずです。とくにこのようなややこしい薬は製造のところでFDAにイチャモンをつけられることが多く、そこをクリアできるのか、というのが疑問です。

↓機関投資家が細胞治療製造の工場へのFDA調査を監視しているという衝撃のレポート

3)癌治療プログラムが先行している(ベータサラセミア等が並行はしていますが)
たとえ自家細胞治療であっても、細胞治療は重大な副作用を引き起こすことがあり死亡例も報告されています。そもそも扱っている患者が致死性の病気を患っているわけで、治療関係なくお亡くなりになるということは当然起こり得る事態です。1)とも関連してくるのですが、その場合にCRISPR-Cas9の技術自体が悪さをしていないことの証明って、できますかね?悪魔の証明に近いのですが、このようなことを問われた時に明確に答えを出せない可能性があります。
下の表は各遺伝子改変技術の長所と短所がまとめられたものです。CRISPR-Cas9は長所として早くて安いこと、短所として意図しない切断があること、が挙げられています。

↑原典がわからないのでtweetも貼ります

↑技術の安全性に疑問を持たれると総崩れ、という可能性も?

まとめ

このような不確実性から、私は今のところ個人的な追加投資はしないという判断をしています。でもキャシーが買ってくるんだもん。地獄の底までついて行きます。

↓ARKKについては以下で簡単に紹介してます。

参考:
CRISPR Therapeutics Corporate Presentation
https://crisprtx.gcs-web.com/static-files/6a4a2db8-faf2-4fe9-a2b7-d81a05312e9f

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