【脚本家】小森さじに15の質問【ピタ】
【プロフィール】
神奈川県横浜市出身。
フェリス女学院高校、東京大学文学部卒。
会社員としてアニメ関連の企画に数多く携わる中で、脚本への興味を抱き、退職してイギリスの大学院で映画学を専攻。現在はアニメの脚本を中心に、ドラマ、ゲームなど幅広く執筆している。
Q1. 名前(ペンネーム)を教えてください。
(ペンネームの方は由来を教えてください)
小森さじ(こもり・さじ)です。
イギリス留学中、孤独のあまり自炊に励んでいた際、小さじで砂糖を計量していて思いついたペンネームです。
Q2. 脚本家を目指したきっかけは何ですか?
CMプランナーになりたいと思って入った会社で希望とは違う部署に配属になったことがきっかけです。(社会人にはよくあることですよね)
何かを書きたいというよりも自分は社会で何をすればいいのだろう?と悩んでいて、そのタイミングで好きな映画を見返したこと、アニメ関係の仕事でキャラクターのセリフをたくさん書く機会があったことから、脚本という仕事を意識しました。
Q3. 得意なジャンルは?(コメディ、ラブストーリー、S Fなど)
登場人物本人は大真面目に何かをしているけど、周りから見たらちょっと変、という状況のお話を書く機会が何かと多いです。
人間の言葉を話さないキャタクターを描くことも多いです。
Q4. 脚本を書く上で最も大切にしていることは?
・誰かを深く傷つける脚本でないか。
どの作品も脚本家ひとりで創るものではないですが、自分の目が届く範囲で気を払い、想像力を働かせ、学び続けないといけないと思っています。
・何を書かないか。
どちらかというと描くことより描かないこと、言うことより言わないことが物語の空気や品性を作る気がします。
Q5. 登場人物を作り上げる際のアプローチ方法は?
どんな言葉を扱う人なのか、から考えます。なんでその言葉遣いなのか?背景は?思想は?と拡げていったり、逆にこんなことは言わないかなと立ち返ったりと、セリフを中心に組み立てることが自分は多いです。
人間語を話さないキャラも、脚本の前に口調を想定し、それをどう行動で表現できるか考えています。
Q6. 創作の際、どんな時にアイデアが降りてきますか?
部屋の中や近所をぐるぐる歩き回っているとき。
ぼーっと野鳥観察をしているとき。
Q7. 執筆時のこだわりや習慣はありますか?
時間の許す限り、図書館などに赴いて作品やその周辺について調べます。自分一人の視野は狭いので、作品がどのように社会において存在するのか考えるため、資料に多く触れることを心がけています。
Q8. 執筆のモチベーションを上げる方法は?
この話が好きな人が世界のどこかにいるはずだと妄想すると、頑張れます。
Q9. Writer's blockを乗り越えるための自分なりの方法は?
何も浮かばない自分に絶望しながら寝ます。
Q10. 執筆を仕事にして、最も幸せなことは?
自分の悩んでいたことや面白いと思っていたことが、作品を通じて違う形になり、違う人の違う話として共有できること。
私はセリフ一言を考えるのにも膨大な時間を使ってしまいがちなので、面白い、心に残るセリフなどと言っていただけたときはとても嬉しいです。
Q11. 好きな作家や影響を受けた作品は?
首藤剛志さん、映画『ミュウツーの逆襲』
生まれて初めて映画館で見た映画で、語り尽くせないほどの影響を受けました。
湯山邦彦監督とアニメ『ぷにるんず』でご一緒できて、様々なことを学ばせていただいた経験は一生の宝物です。
Q12. 印象に残っている言葉、セリフは?
Say it’s only a paper moon
Sailing over a cardboard sea
But it wouldn’t be make-believe
If you believe in me
(そう、それはただの紙の月 ダンボールの海を照らすだけ
でも、あなたが信じてくれるなら 本物のお月様になるの)
※少し意訳しています
1930年代のジャズソング”It’s Only a Paper Moon”の歌い出しで、映画『ペーパー・ムーン』の冒頭でも流れる部分です。
Q13. 趣味や仕事以外の関心事は?
音楽を聴くことです。UKロックをよく聴きますが、アイドルソングから高校で歌っていた讃美歌まで、好きな曲がたくさんあります。しばしばライブ会場にいます。
日本語の辞書を読むこと、外国語を学ぶことも好きです。ここ数年デンマーク語を勉強していたら、ラテン語にも興味が湧いてきました。
Q14. 今後挑戦してみたいジャンルや題材は?
校則がほぼない自由な女子校で過ごした、全くキラキラしていない青春時代のことをよく思い返します。いつか女子校の話を書いてみたいです。
Q15. 将来の目標や夢は?
自分が影響を受けたり助けられた作品があるように、誰かが動くきっかけになるようなものを書けたら、そんな力を持ったものが作れたら、と思っています。
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