見出し画像

伸びる人と伸び悩む人(希望編)

1.はじめに

キッカケは多いほど良い。はず。

そんな思いです。私が若手時代に早めに知っておきたかった。失敗体験に基づく教訓です。恥ずかしながら、私が本気で仕事と向き合ったのは、リーマンショックのコンサル(に限りませんが)不況があったからです。

リーマンショック後、コンサル業界に仕事が無くなりました。コンサル業界から同期や先輩、多くの人が転出していきました。私は転職活動をしても、キラキラな企業には箸にも棒にもかからず。行き先が無くなりました。

そんな時、先輩が、あなたはコンサルタント失格の烙印が押されている。心構えを変えて仕事に取り組まないと、どんな環境でも逃げ続ける。そんなアドバイスを頂きました。その先輩にとっては、雑談の一言だったのでしょう。しかし、私にはカミナリが落ちたかの様に、緊張感が走り、目が覚める思いをした事を、今でも鮮明に覚えています。

そんな自分語りはこれぐらいにして、伸び悩む人への希望編です。3つのパターンとその対処法を、私なりの解釈で記述します。

2.今に最適化してしまう

役割を変化できない人です。

指導する立場は、その年次に合わせ、期待するレベルを想定し、フィードバックします。よって、自分自身の能力が伸びなくても、年次が増えるごとに期待水準が高まります。

この期待水準変化に合わせ自らをアップデート、役割を進化させていかないと。いつまでも同じ作業を行う人から抜け出せません。昔は許容範囲と許してもらっていたアウトプットに、指摘と不満の声が出てきます。

更に、年次と共に仕事量が増えます。過去と同じペースで仕事をしていると、業務が回らなくなります。こうなると全てが悪循環です。前に依頼された仕事を完遂出来ず、差し戻される。その上で新たなタスクが降ってくる。

若手時代は、頑張ります。と、工数投入量で失敗を補ってきたが、いよいよ業務が回らなくなります。昔の成功法則が通用しなくなるのです。殻を破る。そんな例えが使われている様に、今のコンフォートな状態から、緊張感ある領域に、一歩踏み出しましょう。

ただし、明日から急に役割を変えて下さいと言われても、準備期間が足りません。今の役割をこなしている期間は、次の役割にトランジションする為のトレーニング期間でもあるのです。

常に2つ上の役割を意識して仕事しよう。と言うのはそういうことです。

幸い、コンサル業の仕事は繰り返し性が低いです。常に新しいタスクに挑みます。短サイクルを回す中で、前と同じ役割はしない。少しでも新しい役割に挑戦する。この心がけ1つでアウトプットが変わります。評価が変わります。仕事が少しは楽しく思える様になります。

3.作業に満足してしまう

言い換えると考える事を放棄してしまう病です。

端的に言うと、「育てて貰える」型の人が当てはまります。詳細は下記エントリーを参照ください。

確かに、コンサルタントの若手には、膨大な業務量の仕事が割り振られます。ただ、それは、未熟な(失礼!)20代前半から中盤の人でも、一定の解を導ける手順が整備されているから実現します。

何が言いたいかと言うと、若手時代に膨大な業務量と感じていた仕事は、実は、大した仕事量では無いと言う事です。では、なぜ、膨大な仕事量に感じるかと言えば、情報とスキルを持ち合わせていないからです。

仕事をしている気分になりつつ、その内実は、勉強時間、試行錯誤する時間に多くが充てられてはいないでしょうか。事実、私はそうでした。大量の情報収集、データ分析対をしている様で、対象業界や企業の基本情報の理解。戦略領域に限らず、いわゆるコンサルティング会社で必須と言われるフレームワークやツールの理解に多くの時間を割いていました。

つまり、非常に生産性が低かったのです。しかし、徹夜やタクシー帰宅、休日出勤に始発出社など、コンサルっぽい働き方?をして、「つれー実質1時間しか寝てないわー」なんて言って、自己満足してしまっていました。

こうした経験から言えることは、作業に埋没した自分にどこかで酔っている。これだけの時間を仕事に投入したのだから、良いはずだ。お気づきの通り、大きな間違いです。評価されるべきはアウトプットであり、プロセスではありません。

ここに、大きな不幸があります。コンサルタントはお客様の成果の実現に対価を頂いています。プロセスは評価対象ではありません。一方、特に若手時代は、直属の先輩の指示が気になり、お客様が視野から消えます。そうすると、指示された膨大(に思える)業務量を処理するマシーンに自分を貶めてしまいます。

大きな、大きな誤解です。作業に満足しないで下さい。コンサルタントの価値はお客様の成果の実現です。お客様の成果の実現には、思考が不可欠です。作業時間は最短に、思考時間を最大に。考えましょう。

考える事がコンサルタントの付加価値の源泉です。考えた思考の結果を絵にしたり、データで根拠づける。作業はサブです。メインは思考。考え続けましょう。

4.傷つく事を恐れてしまう

出来ない自分を認められない。これがまた深刻なんです。

このエントリーを読んで。伸び悩む人に対して、つべこべ言っている事は分かりました。でもね。となる。私は十分頑張っていますよ。悪いのは〇〇です。と。そういう反論、持論をお持ちの方もいるかもしれません。一理も百理も?ありますよ。そりゃゼロイチでは語れませんよ。

傷つきたく無いですもの。自分を自分で否定する事ほど、ツライことは無い。自分で自分を褒めないと、誰が支えてくれるんだ。そんな思いに私も共感します。

そうなんです。否定と捉えるとツライ。では、どうするか。先人は良い考え方を残してくれました。

「上には上がいる」、しかし、「皆さんの期待を裏切っていきたい」

これですよ。(時間が無い方は1分~再生ください)

すみません。精神論でまとめよう。有名人で押し切ろうとしました。私自身、論理的な詰めに妥協して、象徴的な事例に逃げるという、甘えが出てしまいました。。。

まあ、それは余談として、感じて頂けましたかね。勝ち負けとはまた違った次元で、事実を認める。そして、反骨精神を奮い立たせる。もうね、負けとかじゃないんですよ。プライド傷ついたとかじゃないんですよ。

私自身、新しい課題が見つかる度に、もっと成長出来る余地が見つかった。新しいチャンスを手に入れた。このチャンスをモノにして、伸ばしていこう。ダメな自分を受け容れよう。そんな思考になってから、メンタル的にも楽になりました。

「上には上がいる」と認める。そこから、新たな伸びしろに、気づくことがあるのではないでしょうか。そうそう。その上で、「皆さんの期待を裏切っていきたい」ですね。

5.まとめに変えて

自己認識を超えていく。この繰り返しをどれぐらい試みたか。
作業に逃げず、考えることにどれだけ向き合い、それを徹底したか。
第3者の目線で、自分の立ち位置を、見つめ直したか。

うざいわ。うるさいわ。そんなん分かっとるわ。と言われる事は覚悟で。自分自身の大いなる失敗も踏まえて、記述させて頂きました。

今更ながら、毎回、エクスキューズさせて頂いている様に、非常に上から目線で大変申し訳ありません。捉え方によっては、こうで無ければダメだ。そんな読み方も出来ると思います。

が、そんな意図は全くありません。自分自身を振り返り、身近に接する若手を見て。誰かが何かのきっかけで、少しでも何か、心持を変える。そんなキッカケになれば。これが一貫した想い。考えになります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?