頭の片隅シリーズ で、9983ファストリ案件どうなの?NDX100特別リバランスから学ぶ
前回の9983ファストリ記事に関しましては大きな反響をいただきまして誠にありがとうございました。
まあ日経平均のルールを知っているプロの多くは狙っている案件でもあるし実際今年の4月頃に各メディアが報じていたこともあり新鮮味はないかな?
とは思いましたが良かったです、間に合って 笑
7月21日引け後段階での日経平均寄与度は
↓↓↓
幸運なのか不幸なのか今TOPIX>日経平均、つまりNT倍率縮小傾向にある展開ですからこの流れが続けば9983ファストリの”裏ルール”による特殊な売却売り需要は取り越し苦労に終わるかもしれません。
もしかすると8月1日以降狙っていた投資家の買い戻しで上昇するかもしれませんね。
いや、今週はFOMCや日銀政策決定会合など重要イベントがグローバルで目白押しですから相場展開によってはまた11%というマジックナンバー近くに
神の『見えざる手』
で引き寄せられ、超えて、いやめっちゃ超えちゃう??
とにかく今週は9983ファストリの日経平均ウェイトは注目しておくべきだと思います。
■NASDAQ100リバランス狂騒曲
ファストリリバランス案件と7月21日に執り行われたNASDAQ100特別リバランスとの間に何かしらネタはないかな?と思い探していました。
そもそも皆さんはこのNASDAQ100特別リバランスの件をどの程度理解していましたか?
=時系列=
7月7日金曜日:米NASDAQが2023年7月24日取引開始前にNASDAQ特別リバランスを行うことを発表
7月14日金曜日:7月3日時点の発行済み株式数を元にプロ フォーマインデックス及びウェイト変更を発表
7月21日金曜日:プロ フォーマ指数に合わせるためリバランス
7月24日月曜日:寄り付き前に新指数移行
NASDAQ100指数はここ最近書いた日経平均と違って加重平均株価指数。
しかし同じく加重平均型の例えばTOPIXなどと違い浮動株比率を考慮に入れない完全な時価総額加重平均株価指数
つまり今回このNASDAQ100特別リバランスのルールが分かっていればタイミングの問題はあるにせよスマートマネーはいつか来る可能性があると予想できた可能性があります。
NASDAQのサイトへ行けばNASDAQ100について詳細なルールが書いてあり、その中に”Special rebalance schedule" として記述がされていました。
ここには
個別銘柄のウェイトが4.5%を超えて
上位5銘柄の合計ウェイトが40%を超えるとき
リバランス可能と書いてありますが、Stage1とStage2って2段階あるのですね。ふむふむ知らなかった(勉強勉強)特別リバランスに関しては明確なタイミングに関しての基準はあまり書いてない。
因みに今回のリバランスの基準日となった7月3日で見てみると
大幅に超えています。(上は8銘柄になっています)
ここから先は各メディアでも報じられていたので簡単に書きます。
今回NASDAQはNASDAQ100指数ウェイト上位5社
・MSFT Microsoft
・AAPL Apple
・NVDA Nvidia
・AMZN Amazon
・TSLA Tesla
の過度な集中に対処するため上位5銘柄の指数に占める割合を40%に低下させると発表しました。
この発表を受けて関連銘柄への注目が一気に上がりました。
一つ例を挙げますと、7月3日から日経プライム150指数の算出が開始されました。何らかの事件が起きてこの指数の採用銘柄のウェイトを機能リバランスしなくてはならなくなったと仮定します。
何が起きると思いますか?
答えは…ほぼ何も起きません 笑
何故ならば、もうすでに僕のnoteを読んでいただいている皆様は分かると思いますが日経プライム150指数にはお金がついてません。
ETF、インデックスファンド、パッシブファンドなどがこの指数をトラックし始めたなんて聞いたことがありません。つまりJPXや有識者がいくらこの指数が画期的だといっても
金のついてない指数なんて別に~
って感じです。だから僕は以前早くお金が付かないとだめだと言ったわけです。↓↓
ところがです、このNASDAQ100指数には欧米に24ものETFが上場していて、その最大のETFが皆さんもご存じの
Invesco QQQ Trust Series 1 ETF (Ticker QQQ)
です。
このQQQの残高は2000億ドル(約28兆円)!!
これ以外も含めるとETFだけで約2710億ドル(Bloomberg調べ)
お金がついてるってこういうことですよね。そりゃみんな気にします 笑
※あっ因みにQQQがNASDAQ総合指数のETFと思ってた方いませんよね?いや、普段NASDAQと呼んでる指数が何かわからないかたはコソッと調べておきましょう。
あとQQQは僕の因縁の銘柄💦ピカピカキャリアの僕に唯一汚点をつけたETF😆詳しくはnoteの自己紹介見て下さい 笑
単純に40%へ引き下げるだけで約96億ドル(1兆3000億円)の売り需要が発生するのです。
ただ実際は今回売却される上位5社の圧倒的な時価総額及び出来高を考えれば実は冷静に考えればそれほど大事ではなかった…
例えば先ほど添付したBloombergのデータだと7月3日時点で
MSFTは一日の出来高に対して6%
AAPLは同じく5%
ですから少しリバランスがあった程度。
前述の時系列でみると毎週金曜日にアナウンスがあり、現地メディアも各週末に報道したので、何となくとんでもないことが起きるのではないかという余計な危機感が煽られたかもしれません。
MSFTとAAPLの日足を見る限り7月7日発表直後(10日)下落して多少売りに押されたもののその後全体の地合いにも引っ張られ上昇。
MSFTに至っては生成AIの材料も出たのでぶっ飛び。
間近になって下落してきたものの売り方完全不利な状況。
短期勢を巻き込んで株価が動き出したのがリバランス直前でした。
これだけ見ると
『なんだこんな儲からないリバランストレードなんか見てるだけで十分』
と思うかもしれませんが
こがプロとノンプロの違い。
これはNASDAQ100指数のリバランスです。
想像してみてください。
今回上位5社の合計ウェイトが40%まで引き下げられましたが、QQQで保有している投資家はその売却代金を受け取ることは出来ません。
当然です。
指数に連動するETF始めインデックスファンドは価値の連続性を担保するために片方でウェイトが引き下げられたら、どこかでウェイトを引き上げることでファンド価値の連続性を保ちます。
つまり引き下げられた銘柄(5銘柄)以外の銘柄のウェイトが相対的に引き上げられることで指数は連続していくのです。
例えば誰もが知っているStarbucks株(SBUX)の動き
7月10日からこのリバランスポジションを取るプロがどれくらいいたかわかりませんが(既に遅いし💦)、もし僕なら確実にロングショートのポジションを組みます。丸腰ショートなんて…無理
今回はご丁寧にもリバランス1週間前にプロ フォーマ指数が発表されていますし、ほぼ完ぺきにリバランス後のポートを組むこともできました。
つまりこのリバランストレードの賞味期限はこの時点でほぼ終わり。
あとは当日の需給のみそんな感じのイベントだったというのが僕の結論です。
■で、ファストリ案件はどうなの?
NASDAQ100のケースと決定的に違うのがこのファストリ案件発動条件の日経平均構成率11%が非常に微妙な位置という点です。
日経平均ですからファストリ以外の高ウェイト銘柄を売れば比較的簡単にファストリ株を触らなくてもファストリ株のウェイトを動かすことが可能です。
ですから狙っている人が多すぎる。
個人の方だって狙っているのでは?
ここ最近のリバランストレードを見ていると、とにかく広く知れ渡ったリバランス案件は全く儲からない。リスクリワードが低すぎます。
まだ11%というガチャ要因があるのでファストリ案件が完全に終わったとは思いませんがそれでもどうでしょうか。
さらに基準日が7月末(7月31日)でリバランスが9月末(9月29日)という約2か月というインターバルもやりにくいと思わせるポイントです。
日本経済新聞社が仮にファストリ株が11%を超えた時どのように発表するのかも個人的にとても興味深いです。
特別な措置なので何等かの別の形で発表するのか?
それとも定時日経平均入れ替えの発表が9月1日辺りにされるのでその時に詳細を発表するのか?
証券会社は8月に入るとこの件に関してレポート出してくるとは思います。
■日経平均採用銘柄でStarbucksのような株を探そう
もしファストリ”裏”ルール発動となる(売られることになる)と、NASDAQ100の場合と同じで価値の連続性を保つためにファンドは他の銘柄を買いに行きます。
指数だけ考えていたらそんなオペレーション想像もできないかもしれませんが、日経平均に対してもある程度お金がついていることは先週書きました。
仮に先週書いた3000億円程度の売りがファストリに発生するとその分の買いはそれ以外の銘柄で買わないといけません。
これはファストリ株がどれだけ11%を7月31日基準で超えているかによってインパクトが変わってきます。
実際は全て9月28日に入れ替え等と同様にリバランスされるので細かいところは今の段階ではわかりません。9月1日辺りに予想されている日本経済新聞社の発表を待ちましょう。
ただファストリ案件の結果によっては買い需要が生まれる銘柄があるのです。
米国Starbucksのように
※Starbucks以外にも上昇している銘柄たくさんあります!
ETF含めインデックスファンドってそもそも運用方針がアクティブファンドのように超過収益αを目指す運用ではありません。
如何にベンチマークとなる指数と同じ動きをさせるかが運用者の腕の見せ所。ETFだとそれでもマーケットで取引できますからBIDOFFERスプレッド等cコントロールできないコストが発生してしまいそれで評価されてしまうのはあまりに不公平なのでNAV(Net Asset Value)が開示されています。
インデックスファンドのFMはリバランスが頻繁なことをすごく嫌がると聞いたことがあります。そこに相場観はなく、機械的にリバランス発生日の引け値で基本的にトレードする。トレードが増えればコントロール不能なコストが増え指数に対してパフォーマンスが劣後するからです。
インデックスファンド勢力が巨大になってきた故に、それを収益チャンスと見て様々な投資家が群がっている。ただ以前はスマートマネーだけの美味しい案件だったのが、今では誰もが参加できる案件になってしまい少々旨みがなくなってしまいました。
ただ考え方を変えればまだまだ重箱の隅に美味しいところが残ってるなということを感じたNASDAQ100リバランスでしたし、改めてインデックスイベントの面白さを確認できました。
こんなことでワクワクしてしまう僕はやばいですね…
皆さんは流行りの材料株等無理してビビりながら取引しなくても、225銘柄で少し頭を使えば収益チャンスがあることを学んでいただければと思います。
🐸