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転職活動中のネガティブな瞬間①/転職することにした(40代、女性)

本当に転職すべきなのだろうか。

転職活動を始めると、何度か「引き戻し」のような心理現象が起きた。転職活動中に経験したネガティブな状態のひとつだ。

転職すると決めたはずなのに、「本当に転職するのが正しいのか」「自分がやるべきことはこの会社にまだあるのではないか」「嫌なことがあるとはいえお世話になった人たちに申し訳ないじゃないか」など、本当は転職すべきではないのではないか、と自問自答が始まるのだ。

そして自問自答がエスカレートすると「今やるべきことがあるのにそこから逃げる自分が、新しい職場でうまくいくといえるのか」など、自分をいじめ始める。

自分でいうのも何だけど、比較的まじめで責任感が強く、「何事も自責で考えろ」と叩き込まれてきた人はこのように考えやすいのではないかと思う。転職したいのは、環境のせいか?自分のせいではないのか?と。

そんなときには、「本当に転職するのが正しいのか」「自分がやるべきことはこの会社にまだあるのではないか」「嫌なことがあるとはいえお世話になった人たちに申し訳ないじゃないか」という問いに改めて正面から回答してみる作業をした。

Q「本当に転職するのが正しいのか」
A:正しいのかは、わからない。でも正しいことをしたいのではなく、楽しいことや、やってみたいことをしたいのだ。

Q「自分がやるべきことはこの会社にまだあるのではないか」
A:あるかもしれないし、あるとすれば、それは永遠にあるだろう。つまりそれはいつどの会社にいたってやるべきことはあるのだ、と言っているようなもの。逆にここでなければならない理由がない。

Q「嫌なことがあるとはいえお世話になった人たちに申し訳ないじゃないか」
A:私が逆の立場であれば、申し訳ないという程度の動機で働く仲間は必要ではない。

自分で自分を論破するというちょっと変な作業だが、感情で揺らぎそうなときには効果的だったと思う。特に、転職するのが正しいのか(合っているのか)という自問は起こりがちだが、非常に意味がない問であることに気が付くことができた。転職が「正しい」からしたいのでは、そもそもないのだから。突然「善悪」「正誤」の物差しをもってこられても、「転職」のほうもびっくりしちゃうというものだ。

ところで、こんなネガティブ期の背景には、コンフォートゾーン(と感じる場所)から抜け出ていくことの不安・ストレスがあるのだという。

つまり、新しい環境に飛び込もうとするときに起こる不安・ストレスを解消する方法として、新しい環境に飛び込むこと自体をやめて、今いる場所にとどまるという選択肢を自ら提示してしまうようだ。今の職場にいると、こんなメリットもあるじゃない、と囁き出してしまうというのだ。

そう聞くと納得しかない。今の職場はラクだ。ずっと居続けることも、私の振る舞い次第で十分に可能だろう。そして日常的なストレスが少ないという点では、かなり快適な環境を保ちながら、居続けることができる。

それでも、決めたのだ。転職すると。

コンフォートゾーンの話を聞くと、とても気持ちが軽くなった。「なんだ、あるあるじゃん」と。10年以上お世話になった会社だもの。当然起こるべくして起こった心理現象だったのだ。

ネガティブ期をむかえて、転職活動をやめてしまうこともあると思う。それもまた良いと私は思っている。何がどうなってか、それでも転職することにする人が、転職するのだ。それだけのことなんだろう。





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