田舎での恋愛と結婚 〜大人編〜
人口流出と少子高齢化を少しでも食い止めるための施策でもある地域おこし協力隊。独身単身で移住したわたしは、知り合う人々から、さまざまな言葉をいただく。「お子さんは?」、「何人家族?」、「えっ!独身なん?」、「東京で男に捨てられたのか」、「男を捨ててきたのか」、「DVから逃げてきたのか」、「訳ありかもよ」、「早く結婚しないと」、「結婚する気あるのか」…まだまだあるけどこんな感じで。別に嫌な気はしないし、そう思われても、それはそれ、と思う。いい出会いとタイミングが合えば、結婚も出産も新たな家族を持つことも、わたしの未来図の中には、ある。(つべこべ言わず婚活しなさい!という声がどこからか聞こえる…)。
田舎の恋愛…まず、とにかく紹介されるしか出会いがないに等しい。そして、実家暮らしが多いので容易く泊まりに行ったりできない。例え相手の親御さんと知り合いにもなり、泊まりに行けたとしても、義母に新品のオバハンパンツを差し出されることもある。
いつどこで何をしていたか、すぐ分かってしまう。周囲は知り合いだらけで、車のナンバーや車種を大概の人が覚えている。(すごい記憶力!)。デートの移動も車なので、二人してお酒を飲んだりできず、お酒好きには喧嘩のタネになる。そしてデート場所の選択肢が少ない。みなさんはどこでデートしてますか?(してきましたか?)並べると、ないないだらけだが、大人になってからの田舎の恋愛で、いいことってどんなことだろう…。
しいて言えば、出会う人が誰々の友達とか先輩とか後輩とか、誰かと繋がっていることが多い。そんな訳で、田舎だと素性が知れてるので、どこの誰か分からないことはないし、安心できるところが、いいことかも知れない。かな。
田舎の結婚…「個人」と「個人」というより、「家」と「家」が当然である。例外もたくさんあるかも知れないが、多い。とある「嫁」の立場から分析すると、結婚=同居、敷地内同居という考えがあるので、自然と「嫁が家に入る」という流れになる。実家に里帰りする際も、嫁は、「帰る」のではなく「いってきます」、らしい。県外の人と結婚となった場合、親御さんがショックを受けることも。お互いが近場にいることが、親御さんにとっての田舎での生活の安心感につながるらしい。距離が近すぎて、ほどよい関係づくりに苦労することもある。家の鍵もかけないでいるので、留守でも家を行き来する。プライバシーは無いような感じにもなり、窓から覗かれていたりは普通にある。そんな!と思うかもしれないが、事実である。
嫁ぎ先では嫁は新人類。朝風呂に入るのが信じられなかったり、食生活も異なるし、子育ての価値観も違う。ただ、働きながらの子育ては、この頃は田舎でも当たり前になった。子育てのことを考えての移住はおすすめだ。待機児童とも無縁。わたしの住む府中市においては、ウッドスタートという、「木育」の提案があり、小さい時から「木」に触れてもらえるように、府中市内で生まれた赤ちゃんにお祝いとして府中で制作した木のおもちゃを贈る取り組みも始まっている。
さんざん書きましたが…田舎で結婚して暮らしている方々の声の一番は、子育てするには最高!水もお米もおいしいし、野菜も旬の採れたてが当たり前、空気もきれいで自然に囲まれてのびのびできる。独身・フリーランスのわたしも、良くも悪くも、のびのびしている。たくさんいる世話焼きさんたちに心配されつつも、田舎暮らしをそれなり満喫している。
(ありみつりさ)