この後どうする?
2018年現在、日本全国には約四千人の地域おこし協力隊が存在しているが、気になるのは任期満了後の生活。なかには延長、雇用など、各市町独自の制度もあるが、平均すると三年の任期が満了すれば役目は終わり、収入もなくなる。一体どのような任期満了後があるのだろうか。
調査したところ、さまざまな方向性やその実が挙げられる。
協力隊活動が休みの日に準備をし、任期満了後に創業する人・任期満了を待たず着任地で創業し協力隊制度を卒業する人・協力隊を続けながら創業する人・年度ごとの契約更新の場合、更新しないで他市町へ移住する人・任期満了後一旦都会に移り再び他市町の地域おこし協力隊に着任する人・NPO法人やその他法人格を立ち上げ収入ラインを確保して生業を生む人・県庁の職員になる人・市役所職員と結婚する人・地域の人と結婚する人・協力隊同士が夫婦になり事業(宿、カフェ、その他新規事業など)の生業を生む人・NPO法人の活動とアルバイトをしながら暮らす人・着任地の企業等に就職しサラリーマンになる人・就農する人・放浪の旅に出る人・都会に帰る人・自分を見失う人・発病する人・裁判を起こす人。
人の数だけ、「その後」がある。わたしの希望は、自分自身の新しい生き方・お勤めしないで個人事業主として暮らし続けること。合言葉は、そう、「たぶん、なんとかなる」。
現実問題、最も苦労したのは「任期後の家探し」。現在の住まいは地域おこし協力隊だから借りられる物件。一般賃貸はしていない。そのため、新たな物件を探したが、決まらない…と言うよりも、ない。空き家があるのに、住むところがない。
ぴろしま通信、創刊号夏号vol.1の新聞面に書き記した「空き家いっぱい なのになぜ住めぬ」体感中なのである。本当の、本物の「移住定住促進」とは、一体何なのだろうか?
若い人に来てほしい、店を開いてほしい、この田舎に住んでほしい、誰かがあの空き家に住んでくれたら、あの物件を借りてくれたらという言葉を沢山聞いてきたが、現実が伴っていないのが現実。いいですね、そうですね、と聞いてきたが、語られた夢は、夢のまた夢。わたしはまるで自分が人々の夢を食べて暮らす「バク」になったのかもとゆう妄想にとりつかれた。いけない、はやく人間になりたい。地域おこし協力隊は汗水涙流して働く一人の人間だ。
空き家の後継者の方々は「あんな古くなった所に住んでもらうなんて恥ずかしい。やめた方がいい」とか「まだ見ていない荷物が詰まっているので貸せない」とか「トイレも汲取りだしお風呂も五右衛門。住めるわけがない」、「貸すのはちょっと…。売るなら考える」と言われる。お気持ちは解らなくもないので無理は言わず。贅沢も言わない。
※アパート暮らしや独身男の嫁は空き物件には含みません。さて、この後どうする?
(ありみつりさ)