秋の空時計(ショートショート)
「いでよ、時計職人っ!!」
男が叫ぶと床の魔法陣が光り始め、部屋の中が眩しい光で塗りつぶされた。
しばらくして光が収まると、魔法陣の中心に法被姿の男が立ち、その隣には扉がついた1m四方の箱状の装置が鎮座していた。
「…あの、あなたは我らの時計店を救いに来てくださった異世界の時計職人、ということでよろしかったでしょうか?」
魔法陣のまわりを囲む数人の男たちの中から一人が進み出ておそるおそる尋ねる。
この男は時計店の店長で、周りにいるのはその店の職人たちであった。
「$S