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ぼくは今とても傷ついている。 朝起きて食堂に入ったら、クルーのジョージが仰向けになって床に倒れていた。 目を見開き、苦悶の表情。 どう見ても死んでいる。 ジョージの動かなくなった視線が向いている先、中央のテーブルには同じくクルーの女性二人、サラとミウが向かい合わせの席に座った状態で朝食のトレイに顔を突っ込んだ状態で息絶えている。 4人しかいないクルーのうち、ぼく以外の3人全員が死んでいた。 何があったらこんな状況になるの? 船内の監視カメラの映像を観れば何が起こったか
『接続エラー発生』 気がつくとユミは道端に座り込んでおり、手に持ったスマホにはエラーメッセージが表示されていた。 「イゴーロ」との接続が不安定になり、その影響で座り込んでしまったらしい。 『至急再接続してください』 繰り返しメッセージが表示されるが、やり方も分からない。 ふらつきながらどうにか立ち上がり、近くのベンチに腰掛けた。 身体を自分で動かすのも随分ひさしぶりだ。 イゴーロを装着して以来、これまで意識して身体を操作する必要がなかった。 イゴーロは数年前に各通
「兄さん、急に呼び出して何ごとだい?」 「きたか。 お前が開発したコールドスリープ装置はずいぶん注目されているらしいじゃないか」 「おかげさまで問い合わせが殺到して忙しくしているよ。 兄さんも意地を張らずに開発に加わってくれたら良いのに」 「ふん、なぜ私がお前の下で働かなくてはならない。 先に成果を出したからと言って調子に乗りすぎだ。 これを見るがいい!」 兄が仕切りのカーテンを引くと、小型車のような乗り物が現れる。 「私が開発したタイムマシンだ!」 「な、なにぃ
自動ドアを通って店に入ると、やたら明るいスタッフに迎えられた。 「いらっしゃいませ!スカルモバイルへようこそ! 本日は乗り換えですか? こちらへどうぞ!」 テーブルを挟み向かい合わせに座る。 スマホをテーブルの上に置き、氏名や年齢等の質問にボソボソと答えた。 「見たところまだまだ乗り換えは必要なさそうですが、何か問題でも?」 「半年くらい前から調子が悪くて…あちこちで診てもらったんですけど治すのは難しいみたいで…もう乗り換えるしかないかな、と。」 「そうですか…まあ