台にアニバーサリー | ショートショート
「じいちゃん…」
男手一つでミゲルを育ててくれた祖父が亡くなった。
事故で両親を失った時に引き取られ、それ以来唯一の家族だったのに。
支えを失ったミゲルは途方に暮れた。
そんなミゲルの元に遺産の管財人が訪れる。
未成年のミゲルが一人になっても生きていけるように、祖父があらかじめ手配してくれていたのだ。
祖父と住んでいた自宅と工房はミゲルが相続し、今後5年間ミゲルが成人するまで毎年生活費が支払われる。
管財人はそう説明すると生活費が入った重い袋をミゲルに手渡し、これ