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10分即興小説対決「ショート!ショートショート!」 プレ対決作品集
こんにちは。
BooiTuberのTerry"mo"Piroshiです。
わたくしテリーモの主催するVTube番組「放課後エレガント部」では、さまざまな「ディスプレイの前で遊べるアソビ」を企画しております。
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10分即興小説対決「ショート!ショートショート!」とは?
いろいろな遊びを行う放課後エレガント部ですが、
第8回目の配信では、
10分即興小説対決「ショート!ショートショート!」という企画を用意しています。
この企画は、文字通り「10分」という制限時間内で小説を書いてみる遊びを行う予定なのですが…。
お遊び企画とはいえ、レギュレーションを決めたり、本当に10分で小説なんて書けるの?
という疑問もあったことから、事前に部員を集めてプレ大会を開いてみることにしました。
プレ大会について
プレ大会のレギュレーションは以下の通りで行いました。
(結局、実際の本戦もこれでいくことになりましたが。笑)
アドリブ小説対決「ショート、ショートショート!」プレバージョン!
テーマを決め、10分くらいで短い小説を書いてみる対決コーナー。
・執筆時間は10分
・タイトルは視聴者から募集してその場で決める。
・タイトルは簡潔に。「時計」「ストロー」「朝焼け」のような感じで。
・ジャンルは不問。SF,ミステリ、なんでもござれ。
・小説対決ってタイトルだけど、詩でも、エッセイでも、読書感想文でも、俳句でもいい。
流れ
1、タイトルとルール説明
2、「お題」募集
3、執筆開始
4、執筆終了
5、司会が、それぞれの執筆に関して、各メンバー(お互いの執筆を見ていないと思うので)にむけて講評。
6、執筆陣の自白(感想戦)
7、雑談。
8、終了
今回はプレ大会で視聴者がいないため、メンバーがランダムで提示した単語の中からお題から選び、「火山」になりました。
そして、実際完成したメンバーの作例は以下の通りです。
プレ大会みんなの作例
巡礼さん の10分創作『火山』
『火山』
欠伸をする様に、電車の鉛色のドア大きな口をゆっくりと開く。
僕と同様、蛍光灯も仕事に疲れたのか薄暗く、寝たそうに瞬きを繰り返す。
当たり前のように同じ道を歩くのに飽きた。
上司のハゲ山の様な頭がゆっくりと赤みを帯びて、まるで火山が噴火した様に大声を吐き出し、土石流のように飛び出す唾が顔にかかる。
電車が終点についた。
仕事に行かない。
トシヤイズム の10分創作『火山』
(火山)
山彦の
返事がきたよ
マグマやん
カリーニー通信兵 の10分創作『火山』
(火山)
西之島
西之島おっきくなったな
いつの間にこんなにおっきくなったんだろう
知らないうちに
初めて海から顔を出したのは確かに1970年ごろだったかな
最初はほんの少しのただの岩だったのに
今でも殺風景な島だけど
なんかロマン感じる
少しの間噴火が止まってもうおっきくならないかな
と思ったら
また噴火がはじまった
もともとできた島を飲み込むほどおっきくなった
なんだろ、これからなにがおきるんだろ
ってなんかわくわくする
もしかしたら今あるどこかの島も飲み込むほどおっきくなるかもしれないし
もう終わりかもしれないし
日本全部つながったら面白いなー
とか思ったり。
変愛マスターもずこ の10分創作『火山』
"火山🌋''
「火山って観たこと無いけど日本にもたくさんあるらしいじゃん!」
「桜島と阿蘇山は知ってるよ」
「カルデラって火山の窪みに水がたまった湖らしいよ!」
「九州か北海道におっきい有名なやつあるらしいね~」
「てかさ、カルデラって昔食べたなんかであったよね!?お玉になんか粉いれてもやすヤツ!」
「んー!あれさ、横山のクラスやってたけどうちはやってないんだよね」
「ちびまる子ちゃんのお母さんも作ってたよね!」
「あれって固いカステラみたいな味だったよね?」
「そうだったか??それ、日がたったカステラじゃね?笑」
「そうかも笑」
「なんかお腹空いてきた~」
「それね!家ついたらチャルメラ食べよ」
「笑笑
じゃあまた明日ね!」
「うんまた明日~!」
Terry"mo"Piroshi の10分創作『火山』
『火山』
急にトシオが爆発した。
「火山に、ごみを捨てればいいんだよ。
そしたら、あんな高額なごみ処理施設だっていらないし、
究極のエコってやつじゃないの?」
トシオが、今までで一番いいことを思いついた!といった顔でこちらに投げかけてきた。
「それ、昔の人も考えたってテレビで言ってたよ。でもさ、よくわかってないらしいんだけど、溶岩に物を放り込むと、爆発を起こしてしまって不慮の事故も起きうるくらい制御しにくいらしいから、現実的ではないみたいだよ。」
一瞥もくれずに、ぼくはトシオに返事をする。
「そうなのか?なーんだ。せっかく俺が『ノーベル火山賞』を取れるアイディアだと思ったんだけどなー」
トシオは、本当に悔しそうな顔で、ぬるくなった缶ビールを一気に飲み干した。
僕らは、中学時代に知り合ってから30代も半ばになる今日まで、いつもこうやって時間をすりつぶしてきた。
「なんかさー、ないのかよ!せっかくの俺のアイディアを現実に落とし込んでやってくれるジョブズみたいな天才はよー!」
「いや、そこを考えて実現出来たら、それこそそいつが『ノーベル火山賞』だろ。」
「あーそっか。おまえ、やっぱ頭いいな」
そして、話が落ち着くと、二人はまた無言で酒を飲み続ける。でも、それがいい。
まるで、火山が急に爆発して、また静かになるように。
二人の関係はあの火山のように、いつまでもゆっくり燃え続ければいいな、なんて考えたりした。
すま の10分創作『火山』
「火山」
身体の奥底から溢れだしたものを、便器の中へぶちまける。
今日も何もかもが最低だった。
満員電車で知らないおっさんにべったりと密着された。ふらふらと危なげに自転車を運転するじいさんにひかれかけた。犬の糞を踏んだ。
だけど、そんなことよりも何よりも、最悪だったのは、あいつ。
ただ忘れ物を取りに帰っただけだった。水筒を忘れたのだ。いつもアイスティーを入れている水筒。今日はたまたま机に置き忘れた水筒。
オフィスの入り口で、私は呆然とした。
机の並ぶ部屋の中心に、課長が立っていた。ハゲた頭の課長。無能な課長。いつも私と言い合いになる課長。
課長は私の水筒を握っていた。そして水筒をゆっくりと下へ持って行った。ちょうど下半身の前。そして課長は、ズボンをはいていなくて。
そこからはもう思い出したくもない。ただ、あの時課長が呟いた言葉だけがフラッシュバックする。
「今日もバレなかった」
許せない。全てが。あのクズが。気づけなかった自分が。
便器にはいた内容物を見る。これはマグマだ。私の怒りの具現化。あいつを焼き殺して地獄に堕とすマグマ。
私は今噴火した。噴き出した怒りは、全てを焼き尽くすまで止まらない。
止めはしない。
かじやこむぎこ の10分創作『火山』
(火山)
爪切りが見つからない。
3日前に爪が気になってからずっと探しているのに、どこにもない。
お金を払うとき、髪を洗うとき、地面に落ちた何かを拾うとき、普段は意識しないのに
一度気になりだすとムズムズする。
ありそうな場所は全て見た。
それで無いならどこか棚の裏にでも落ちたか。
明日は休み。
掃除も兼ねるかと、引っ越し以来動かしていない棚を動かす。
ほこりが舞って少し咳き込む。
・・。
穴だ。
穴が空いてる。
これは、、、
プレ大会の手ごたえ
プレ大会を開催してみて、
最初の感想は「あれ?意外とみんな書けるものだな!」でした。笑
もっと、中途半端な作品や、「泣きの追加10分!」みたいなことになるかと思いきや、しっかりとまとめ切った作品ばかり。
さらに、時間に追われたおかげでしょうか。どの作品もその個人のキャラクターが伝わる「素」に近い文章となっていることがわかります。
実際に、「配信番組」という枠組みで行う場合は別の緊張感やプレッシャーなどからまた違った作品の出来具合になるかもしれませんが、十分この企画は成立可能だと感じられました。
感想戦の内容もとても興味深くて、これは録音して配信しなきゃならなかったと後悔している次第です。
この記事を書いている8時間後には、本番が始まる予定。
どうなるか楽しみで仕方ありませんなぁ。
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