週刊少年松山洋_タイトル_修正

そんなヒーローになる為の歌

たぶん“ヒーローに憧れなかった少年”なんて一人も存在しないんじゃあないでしょうか。

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昭和のジャンプヒーロー

私も子どものころからヒーローに憧れていました。

ただ、初めて『仮面ライダー』や『ウルトラマン』を観た時にはあまり“ヒーロー”ってものを感じませんでした。

絶対的に平和のために(勝手に)闘っているイメージの方が強かったからかもしれません。

あとどちらも随分と“大人”な感じがしていたんだと思うんです。

自分たちとはかなりかけ離れた大人としての存在。

ならば初めてヒーローというものを意識したのはいつだったか。

たぶん私の中で最初にヒーローを感じたのは剣崎順かもしれません。

『リングにかけろ』の剣崎順ですね。

主人公は高嶺竜児だったのですがちょっと違う、いや、もちろん竜児だってカッコ良かったし汗と努力のこれぞ車田節の主人公!って感じではあったのですが、やはり剣崎とはカッコ良さのベクトルが違う。

“カッコつける男の魅力”ってヤツですかね。

多くを語らず本音を漏らさず決める時にはキチっと決める。

そーゆーカッコ良さを車田正美(先生)に教わったんだと思います。

だから、基本的にそういう性格になっていくしそれが正しいコトって思って生きて来ました。

職業としてのヒーロー性というよりも、物語として生き様としてのヒーロー性に惹かれたんだと思います。

「人間どんなダセエ野郎でも一生のうち一度は出番の日がくる そのたった一度の日がわからねえようなマヌケはなん百年の生命があったとしてもムダってもんなんだ」

「一回きりの人生長い短いは問題じゃねえ…本物の男ってのは自分のそういう一度っきりの大切な一日を…たった一度の今日という日を感じとれるヤツのことをいうんだ…」

剣崎順の言葉です。

やっぱりカッコいい、理想の男って感じです。

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そして変身ヒーローへ

その次にヒーローを感じたのは『ウイングマン』の広野健太でしたね。

これも少年ジャンプで連載開始された当初から等身大のヒーローとして個人的にもドハマリしましたね。

悪に立ち向かう同級生のヒーローって感じで。

漫画の単行本のおまけページに描かれていた“チェイング”のポーズや“悪!裂!ウイングマン”のポーズも一生懸命真似してました。(このポーズはたぶん今でも再現できますね、完全に体が覚えてる)

ヒーローに憧れてなりたくてなったヒーロー=ウイングマンのはずなのに、物語の後半で悪の帝王ライエルに胸を撃たれて殺されたあおいさんを生き返らせるためにドリムノートに「あおいさんは生き返る」と泣きながら書いてウイングマンに関する全てのページを消して記憶すらも無くして、あおいさんを生き返らせるというシーンがたまらなく好きでした。

(ちなみにこのシーンからエピローグまでの一連の流れは少年ジャンプ連載時よりも単行本の時に大きく加筆修正されています、それもまた嬉しかった)

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人はそれを勇気と呼ぶ

その後も多くの漫画作品やアニメ・映画・ゲームなどの色んな登場人物たちに惹かれてヒーローに対する憧れの気持ちはずっと自分の中で確かにハッキリと存在していたんだと思います、が、最近この自分の中の“ヒーロー像”ってなんなんだろう、ってことに今更ながら気づきました。

『僕のヒーローアカデミア』第1話でオールマイトがデクに言ったセリフ

「トップヒーローの多くは学生時代から逸話を残している」

「彼らの多くが話をこう結ぶ」

「考えるより先に体が動いていた」

「君も!そうだったんだろう!?」

結局のところコレに尽きるのかな、と。

それを『勇気』と呼んだりもするんだろうけど。

自分の中では“男のカッコ良さってのはグッと歯を食いしばって押し殺す『痩せ我慢』なんだな”って思いました。

黙して語らず、勇気をもって行動し、グッと堪える男らしさ。

これが“カッコいい”ってことなんだと思います。

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現代のヒーローはどこにいる?

さて。

なぜ、今回このような“ヒーロー像”について語っているかというと。

先日まさに飲み会の席でこんな感じのヒーロー像についてたまたま語っていたら参加者の女性の一人に

“あーやだやだ、そんな男絶対モテないですね、最悪ですよ、それ”

とバッサリと一刀両断されてしまったのです。w

特に女性からは“黙して語らず”の部分や“黙って行動する”って部分の印象がすこぶる悪いらしく

“なんで言葉にしないんですか?カッコいいんですか、それ?”

“逆に感じ悪い”

“もっと好き好きー!ってちゃんと言って欲しい、いつも言葉にして欲しい”

って言われてしまって

(そんな剣崎順いねぇよ……)

なんて心の中で思っていたのですが、これ以上はなにを反論しても女性にはかないそうにも無かったので諦めました。

えっと、あれですかね、なんか、その、私の世代のようなおじさん達が見て育って憧れてきたヒーロー像ってもはや化石のような価値観なんですかね。

これも“時代が変わった”って言って良いことなのでしょうか。

少し前の歌の歌詞に

「昨今は恩義や人情は重んじた方が損してるらしい
最近は素直な心情は明かさない方がよく見えるらしい」

「昨今は恩義や人情を重んじた方がすみにくいらしい
最近は努力や忍耐も見せちまった方がよくうけるらしい」

なんて言葉がありましたが、そーゆーことなんでしょうか。

まぁ、とはいえ、ですよ。

正直、おじさんとしては今更生き方も価値観もそうそう変わる気もしないわけでして。

なんでしょう、つかず離れず一定の距離間でおかしな価値観の衝突や押し付けが発生しないように上手いことやっていくしかないよなぁ、なんて思っています。

それではここで一曲お送りしましょう。

米津玄師さんで『ピースサイン』です。

(なんかね、自分の信じていたヒーローが一瞬のうちに空中分解して砕け散りそうになっていたので心の平穏を取り戻すために文字にしてみました、多少は心が安定したような気もします、お付き合いいただきありがとうございました、『ピースサイン』いい歌ですよね)

有料部分は【私がオススメする特撮ヒーロー特集】です。

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