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公園

月かと思ったら、街灯の灯りだった。澄んだ夜空なのに、月と街灯の見分けがつかない程度に前が見えない。子供の頃よく登った木の腰から上がなくなっている。もう死んでいる。残った腰から下も、少しずつ風化するのを待っている。切られた断面を見れば、内臓とか最後に食べたものが残ってないかと思ったけど、背骨が引っこ抜かれたような穴と、年齢が刻まれているだけだった。
この木がうらやましいと思った。きっとのびのびと生きたのだろう。僕の何倍も、ゆっくり、ゆっくりと。早く成長することを義務付けられた人間とは違う。周りに急かされることなく、自分のペースで大きくなり、生きるのが辛くなったころに人間に殺してもらったのだろう。
この木のように生きたい。死にたい。



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