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異世界転生系のマンガが増えたね。



“ここはどこなんだ!俺は確か・・・”


どんだけ出るんだよ、この始まり方のマンガ。


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いろんなマンガサイトがあるけれど、最近“異世界転生”をテーマにしたマンガが増えてきた。簡単に言うと、主人公がある日突然異世界に送られて、見知らぬ土地で生きることになり、そこで魔王を倒すなりハーレムを作るなりするわけだ。主人公には人生をやり直すチャンスを与えられたことになり、様々な方法で生き生きと人生を謳歌する。

主人公が羨ましい。これに尽きる。

主人公には様々なタイプがいる。毎日の仕事に摩耗しているサラリーマン。退屈な日常を適当に過ごす高校生。ネガティブな人。しかし、楽しそうに自分の時間を謳歌している人物が主人公になることはそうそうなさそうだ。


異世界転生はいわば、人生のリセットだ。


現実の人々は皆どこかで、今の日常から抜け出したい、人生をやり直したい、そんな風に思っているのだろう。だからこんなテーマのマンガが増える。異世界転生を手引きしてくれる美女が空から現れるのを皆心のどこかで期待しているのかもしれない。


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僕も生まれ変わってみたい。自分の周り、いや自分そのものから全てやり直してみたい。もっと社交的になってみたい。怖がられるんじゃなくて、相手の懐にうまく飛び込めるような人でいたい。

女の子になってみたい。かわいくなってみたい。爪をいろんな色で塗りたい。かわいい服をいっぱい着てみたい。イケメンの先輩にキャーキャー言ってみたい。

イケメンになってみたい。モデルなんかもやってみたい。かわいい後輩女子たちにキャーキャー言われてみたい。

うん。キャーキャー言われてみたい。


今の自分の願望を詰め込んだ新しい自分を始めてみたい。


でも、今の自分じゃないと、もしかしたら服がそんなに好きじゃないかもしれない。イケメンだったとしても、女子が苦手になってしまうかもしれない。女子になったとしても、かわいいことをやらないタイプかもしれない。社交的になれたとしても、人の気持ちが全然わからない人になるかもしれない。

今の自分の好き嫌いも、苦手も得意も、長所も短所も、あこがれも、今の自分だからこそなのだ。別の他人になったら、全て変わってしまうだろう。

だったらもう、自分の全てを、自分だからこそだって、認めてあげるしかないじゃないか。

服が好き。寝るのが好き。ピーマンが嫌い。イケメンではない。人付き合いが苦手。一対一で話すのは好き。大人数は疲れる。臆病だけどやるときはやる。お腹が弱い。お酒はそこそこ。

全部、僕だからこその要素だ。僕を僕たらしめるものだ。

だったら、すべて受け入れて前を向けばいい。満足はしてなくても、そこまで悪いものじゃないはずだよ。
どうしても我慢できないところは、大抵のことならいくらでも改善の余地はあるはずだ。
周りの環境などにどうしようもない部分があれば、環境が変わったときに自分が繰り返さないように気をつければいい。

自分を恨んでも何にもならない。自分を恨んで憂いて蔑むのは、ラクなんだけどね。認めるほうがはるかに難しい。でも全て認めた人は、本当の意味で強い。


もしかしたら僕だって、次はもっと繊細で他の人の気持ちがわかるような男になりたいと願った人の転生体かもしれない。だとしたら、その人に言いたい。あなたの願うようには多少なれた気がするけど、他の色んな部分で悩んでいるよ。申し訳ない、と。

僕というものを僕が受け入れてあげないとね。生まれ変わっても僕になりたいと思えるようになれば、最高だな。



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