マガジンのカバー画像

#ポエム

23
ポエムって黒歴史になるってよく言うじゃないですか。というわけで僕の黒歴史をまとめています。
運営しているクリエイター

#言葉

荷物

荷物

なんだか随分と遠くに行ってしまったような気がする。
気がする、じゃない。皆が歩いている中僕は座り込んでいるんだ。置いて行かれるのは当然だ。
怖くなる。
部屋のテレビがついていることに今気づいた。
手元の画面と向き合っていると、全てを忘れてしまう。時間の流れも、自分が座り込んでいることさえも。
だから、今日はスマホを置いて、ちょっとだけ立ち上がって歩いてみたんだ。

言葉で、
何かを生み出し、
人の

もっとみる
僕より先に行った言葉

僕より先に行った言葉

カチ、カチ、カチ。
何もしなくても時間は過ぎていく。立ち止まっている暇なんかないはずなのに。
価値、価値、価値。
一人一人の価値がモノを言うこの世界で、前に進み続けることがどれだけ大変か。

茨の道を進む列車のレールを降りた。
次の列車に飛び乗るか、自分で歩いてゴールを目指すか。
もう何度も列車を見送った。でも自分の足で歩くのは怖い。
綱渡りだといって、道路の白線の上を歩いていた頃が懐かしい。

もっとみる
公園

公園

月かと思ったら、街灯の灯りだった。澄んだ夜空なのに、月と街灯の見分けがつかない程度に前が見えない。子供の頃よく登った木の腰から上がなくなっている。もう死んでいる。残った腰から下も、少しずつ風化するのを待っている。切られた断面を見れば、内臓とか最後に食べたものが残ってないかと思ったけど、背骨が引っこ抜かれたような穴と、年齢が刻まれているだけだった。
この木がうらやましいと思った。きっとのびのびと生き

もっとみる
思い出せない思い出

思い出せない思い出

ここも変わった。そこも変わった。あれだけ慣れ親しんだこの道も、もう僕の記憶の風景ではない。変わらず自転車に乗っているが、僕自身も変わった。大人になったら、なんて言っていたあの先生は、知らない間に消えてしまった。周りは、暗い。先も見えない。あの日々はもうほとんど黒く塗りたくった。それでも、黒の隙間から漏れる風は、下り坂を勢いよく走り抜ける僕に懐かしく吹きつけた。
#ピロリ日記 #日記 #エッセイ

もっとみる