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2024年のDTMer/ボカロP活動振り返り

年末恒例の振り返りです。
少し前の「M3参加のまとめ」をインタビュー形式にしたところ好評だったので、今回もインタビュー形式でまとめてみます。


大きな変化があった年

ーーでは、ピロッシーさんの2024年を振り返っていきましょう。本日はよろしくお願いします。

ピロッシー(以降ピロ):はい、よろしくお願いします。

ーー7年間のタイ生活を終えて2024年4月に日本に本帰国されましたよね。やはり変化の大きな年だったのでしょうか?

ピロ:はい。特に「リアルの交流」に関して大きな変化があった年だと思います。日本に帰って忙しくなったら活動を続けられないかもしれない、と心配してましたが、杞憂でしたね。

ーー続けることができて良かったです。では、その変化を振り返っていきましょう。

ピロッシーさん(2024年12月撮影)

2024年は百点満点

ーー昨年末にあげた2024年の目標は「活動を続ける」「アルバム制作」「リアルの交流」でしたね。それぞれいかがでしたか?

ピロ:百点満点ですね!先ほど話したように活動を継続できているし、CDアルバムも2枚作ることができました。それにリアルの交流も広がりました!

ーーそれは素晴らしいですね!では「作品」と「交流」のそれぞれの面で深堀りさせて下さい。

制作の幅が広がった

ーーではまずは「作品」から振り返りましょう。2024年の作品は、オリジナル新曲が3曲、コラボ曲が5曲、カバー1曲、歌ってみたが4曲、それにCDアルバムが2枚ですね。

ピロ:いやぁ、あらためて見るとオリジナルの新曲が少ないですね。実質、1月の「7 years have passed」と5,7月の「Angieir」の2作品だけですね。「Angieir」はネタ曲とその焼き直しですから。

ーーとは言え、「7 years have passed」は思い入れのある曲ですよね?

ピロ:はい。7年間のタイ生活の想いを詰め込みました。本帰国前にあの曲を完成させることができて、満足できました。

ーー先ほどの「Angieir」も、ネタ曲の焼き直しとは言えしっかり作り込んだのでしょう?

ピロ:もちろんです!これまでのSolaria&可不で積み上げた経験の全てをつぎ込みました。日本語と英語の複雑で感情的な掛け合いは満足の出来ですよ。

ーー自信作なんですね。他にもご自分で満足している作品はありますか?

ピロ:「蜃気楼」ですね。サウンドのクオリティは過去イチだと思っています。それから「20年前の僕達は」も、世界観を作り込めました。

ーーこれらはコラボ作品ですね。こうやって振り返ると、オリジナルの新曲が少なかったからと言って制作できなかった訳ではないんですね。

ピロ:ええ。むしろコラボのおかげで制作の幅が広がったように感じます。

「自分らしさ」は「自分が楽しい所」に

ーー2024年はコラボを多く手掛けていましたね。

ピロ:楽しかったですよ!実はコラボのおかげで「創作を楽しむ」事に気付いたんです。

ーー「創作を楽しむ」とはどういう事でしょうか?何かエピソードはありますか?

ピロ:「爆走シューティングスター」や「Princess」では「生歌のボカロ化」をしたのですが、単に歌声を変えるだけでは面白くないなぁ、と悩んで。「ピロッシーらしさ」を加えようと思ってツインボーカル化したら、一気に制作が楽しくなったんですよ。

ーーなるほど。単なる作業ではなく「自分らしい創作」に変えたんですね。

ピロ:「Princess」ではアレンジも好き勝手やらせてもらいました。「自分らしさ」は「自分が楽しい所」にあるんだなって実感しましたよ。

ーーそれはコラボだからこそ気付けたことですね。反響はいかがでしたか?

ピロ:そういう所こそ良い反応を頂けたんですよ。「ズルい女」の歌みたでは自分が楽しむためにテトと一緒に歌って踊ったのですが、それが皆さんにも楽しんで頂けたようでした。

ーーなるほど、今後の創作の指針になりそうですね。

ピロ:はい。私はそもそもアーティストではなく単なる趣味人なので。今後は「クオリティを作り込む」よりも「自分が楽しむし、みんなにも楽しんでもらう」ような方向にシフトしていくと思います。

レベルアップできた実感

ーーでは次に、CDアルバムの話を聞かせて下さい。4月の「PiroP Works 2021-2023」、10月の「僕らが生きた日々を」の2枚ですね。

ピロ:はい。1枚目は練習のような物でしたが、2ndはSolariaと可不にフォーカスして、明確なテーマを持って作りました。ありがたい事に、両方合わせて80枚以上をお届けする事ができました。

ーーこれらのCDアルバム制作はいかがでしたか?楽しめましたか?

ピロ:半々かなぁ…難しかった所と、新たな楽しさに気付けた所と。音作りには苦労しました。全曲Mixし直しましたし、打ち込み直しも多数、アレンジを変えた所もありました。

ーー単に曲を並べただけでなく、大きく作り直したんですね。それは大変でしたね。

ピロ:でも、とても勉強になりました!今年は新曲は少なかったけど確実に一段階スキルアップできた実感があって、それはCDアルバム制作のおかげです。

ーー先ほど「クオリティを作り込むことより楽しむこと」とおっしゃってましたが、クオリティ面でも成長があったんですね。

形ある物を作る楽しさ

ーーもう一方の、アルバム制作で気づいた「新たな楽しさ」とは何でしたか?

ピロ:「形ある物を作る楽しさ」ですね。

ーーとすると、デジタルアルバムではなく物理的なCDだった事に意味があった、という事ですか?

ピロ:その通りです。そもそも、リアル交流する際の名刺代わりのつもりだったのですが、作ってるうちに自分の作品が「目に見える形」になる事自体が楽しくなったんです。子どもの無邪気な工作のようで。

ーー子どもの工作ですか!それはまさに、純粋な「創作の楽しさ」ですね。

ピロ:それに、これまで手がけてきた作品たちが形を得て、繋がってきた方々に届いて、と。ネット上だけでは感じられない喜びも得られました。

私自身の世界と地続きなんだ

ーーでは、次は「交流」の面で振り返りましょう。本帰国後は、4月の「ニコニコ超会議」と10月の「M3」の2回のリアルイベントに参加されていますね。初めての参加はいかがでしたか?

ピロ:とても刺激的でした!失礼な話ですが、皆さんが実際に存在していて、私自身の世界と地続きなんだ、と肌で感じることができました。

ーーリアリティを感じたんですね。単にネットかリアルか、というだけでなく、物理的に日本とタイが離れていたことも大きかったのでは?

ピロ:そうですね。文字通り「遠い国の出来事」だったんでしょうね。

ーー今後もリアルイベントには参加しますか?

ピロ:はい、もちろんです!もっと様々なイベントに遊びに行って、皆さんとお会いしたいと思っています。

ここを「自分が生きる世界」に

ーーそういったリアルな交流を経たことで、今後の活動はどう変わっていくのでしょうか?

ピロ:うーん…実は私にも分かってないんです。自分がどこを目指しているのか?そのために何をしたいのか?

ーー変化が大きすぎて、目指す先を見失っている状態でしょうか?

ピロ:その通りです。先日タイに帰省したのですが、驚くほど心も体もリラックスできたんですよ。逆に言うと、まだ新しい日本の生活に順応している最中、と言うことなんでしょうね。

ーー仕事や生活も新しい上に、この活動でもリアルな交流があって、その変化に追いついていないんですね。

ピロ:ですので、まずは慣れて行く所からかな、と。そのためには、様々な場所に出かけて、色々な人と交流して、ここを「自分が生きる世界」にしなきゃいけないと思っています。

タイでリラックスするピロッシーさん(2024年4月撮影)

「楽しむこと」への転換期

ーー活動を開始してから4年が経過する所ですが、現在は一つの転換期になりそうですね。

ピロ:そうですね。振り返ると、最初の2年目まではスキルアップに必死でした。でも3年目以降は「交流」や「楽しむこと」へ目線が変わってきたと思います。

ーー実際、相互の皆さんと飲みに行ったりお茶をしたり、山登りにも行っていますね。

ピロ:まさか相互さんと山登りに行く事になるとは思いませんでしたよ!音楽活動だけでなく、そうやってリアルな交友関係が広がる事はありがたいですね。

ーー今後もそういう交流を増やして行きたい、という事でしょうか?

ピロ:そうですね、機会があれば様々な方々とお会いしてみたいです。せっかくのご縁ですから。

山登り(2024年12月撮影)

年末に「楽しかったね」と語れること

ーーでは最後に、2025年の抱負をお聞かせ下さい。

ピロ:まずは日本に慣れる事ですね。それから、色んな方々とコラボをしたいです。作品を作り込むというよりは「作る過程」を楽しめるようなコラボがいいですね。

ーー2024年も多くコラボをしましたが、さらに増やしたいという事ですね。ご自分の作品はいかがでしょうか?

ピロ:v-flowerフォーカスのアルバムを作りたいんです。「Flower×Flower」でEMUさんに描いて頂いたイラストをジャケットにしたいので。そのために、何曲かのリメイクを進めたいと思っています。

ーーでは「コラボ」と「アルバム」ですね。あれ?2024年の目標とあまり変わらないのでは?

ピロ:え?あ、えっと…そんなこと言われても…だって…別に、いいじゃないですか…

ーーもっと大きい目標はありませんか?新曲でバズりたい、とか、プロセカ収録とか、ボカコレTOPとか。

ピロ:いや、そういうのは私はいいんですって。ただの趣味人だし。

ーーもちろん結果や数字が全てではないですが。先ほどから「楽しむ」とおっしゃってたので、そこに何か目標があるのでは?

ピロ:あっ、そうか。1年後の年末に、今よりも交友関係が広がっていること。その人たちと2025年末に「楽しかったね」と語れること。うん、それを目指そう!

ーーいいですね。アーティストとして上を目指す、ではなく、人間として日々を楽しむ、と言うことですね。

ピロ:最近「10年後にどうありたいか」を考えるんですよ。そうすると、10年後は「アーティストとして活躍」なんかじゃなくて「友人と楽しんでいる姿」を目指したいな、と思ってます。どうすればそこに繋がるかは、まだよく分からないんですけどね。

友人と楽しむピロッシーさん(2024年10月撮影)

気軽に声をかけて下さい

ーーでは最後に、皆さんに一言お願いします。

ピロ:いつも仲良くして下さってありがとうございます。2025年はぜひ色々な方と繋がりたいので、気軽に声をかけて下さい!コラボでも、飲みに行くのでもウェルカムです!

ーー本日は貴重なお時間を頂きまして、ありがとうございました。ピロッシーさんの2025年の活動が楽しさで溢れるよう応援しています。

ピロ:こちらこそありがとうございました!今後とも末永くよろしくお願いします!

10年後を語るピロッシーさん(2024年10月撮影)

取材・文章:ピロッシー
撮影:ピロッシー

追記

上記記事を書いた後、大みそかにこれらの想いを込めた曲を作りました。


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