しゅーまい杯観戦記事&データコーナー
6月24日。矢向青馬堂書店に112名もの海賊が集いました。
今回は運営陣のしゅま、あーる、筆者も「みんなと戦いたい!」ので、プレイヤーとして参戦することに。
「ジャッジ業務?」
「早く終わるデッキを握れば問題ない」
そんなわけでしゅまがゾロ、あーるがキッド、筆者がゼット。負けたら対戦相手に3パックを自腹で配るシステムなので、負けるわけにはいきません。
それでは大会の様子を一緒に振り返りましょう!
デッキ分布と勝敗
デッキ分布と各々の星取りは下記の図をご覧くださいませ。
最大人気はゾロ。白ひげは二番手につけました。その後にレベッカ、ロー、ドフラミンゴと続きます。
リーダーごとの勝率に目を向けると、ゾロが56%、白ひげが54%。ミラーマッチを除外すれば両者とも60%近くの勝率になることが推定されます。勝ち組デッキだったと言えるでしょう。
レベッカは勝率40%、ドフラミンゴに至っては30%。新リーダーたちにとっては厳しい環境でした。
少数勢力に目を向けると、カタクリとゼットがそれぞれ勝率60%近くを叩き出しました。ゼットに至っては、AO選手が予選6勝全勝で突破したことも注目です。
トップ15分布
激戦を勝ち抜いて決勝ラウンドに駒を進めたリーダーたちはこちらから。
ベスト15 ササキ(白ひげ)対 IKE(ゾロ)
「向こうのヒカルさんのクロコダイルの方が面白いですよ!」
ササキが観戦記事席を回避しようとするも、ヒカル卓のマリガン準備もバッチリ進んでいたことから、提案は受け入れられず。
ササキは去年の12月から白ひげを使い続ける大ベテラン。筆者が知る限りもっとも早くサッチを白ひげに組み込んだプレイヤーだ。最初にサッチを見た多くのプレイヤーが「冗談だろ?」「本気か?」という反応をしたが、結局ササキの先見の明が証明されることになった。
一方のIKEはサイコロ型タイマーを机にセットし、冷静にマリガン準備まで進めている。ワンピカードの教科書やゾロの教科書など、執筆実績抜群。初戦でユキのローに敗れるものの、サブマリンを決めて決勝ラウンドに駒を進めた。
先手のササキはパス。IKEはナミが空振りするところからゲームが始まる。
2ターン目にササキはリーダー7000アタックで確実にライフを削ると、白ひげ海賊団とイゾウから2枚の5マルコを連れてくる。小型キャラを殲滅する構えだ。
IKEはリーダー6000アタックの後に、速攻ゾロでもう一度6000アタックをお見舞いする。どちらとも1000カウンターに阻まれたが、5マルコで焼かれない合理的な選択だ。
ササキは予定通りリーダー攻撃から5マルコでナミを退場させる。
IKEは先ほどのターンと同様にリーダーとキャラゾロで6000攻撃を繰り返す。前者は防がれるものの、後者はササキも防ぎきれずライフは2へ。その後5マルコを出し返してイゾウをKOする。
ササキはイゾウから白ひげ海賊団を加え、マルコ7000でキャラゾロを討ち取る。リーダーの攻撃でIKEのライフを3に。2体目のマルコを登場させるが、KOできるキャラは相手の場にはない。残りライフは1へ。このライフを守って、9ニューゲート着地まで行きたいところだ。
IKEは相手の目論見を察し、まずマルコ8000アタック。相手の手札を2枚捨てさせると、リーダー10000攻撃で最後のライフを削る。そして、バギーからディアブルジャンブを加える。
「マルコでは止めさせない」という力強いメッセージだ。
ターンを返されたササキは、この試合ではじめて長考する。全力で来られると厳しい。しかも、IKEがマキノを持っているとしたら、さらに守りきれなくなる。相手のライフも多く、リーサルは狙えない。これらの問題をすべて整理した上でとった行動は以下の通り。
マルコ6000攻撃。IKEはノータイムで通す。これでライフは2。
もう一度マルコ6000攻撃。これには浮かせていたドンからラディカルビームが飛んでくる。
そして、リーダー6000攻撃。ここでIKEはマグラを2枚切って守る。IKE視点では次のターンにリーサルを決められるか定かではないため、ライフ2をキープした方が勝算が高いからである。
相手のマグラが無事に捨てられたことを確認し、ササキは9ニューゲートを着地させる。もし先に9ニューゲートを着地させると、相手がマキノやマグラを捨ててくれないからだ。リーサルを決められないなら、手札を削る方がいいという判断である。
IKEはまずリーダー6000でマルコへ。これは出番のなくなった白ひげ海賊団が捨てて蘇生される。そして、7ドンをマルコにつけて14000パンチ。これはササキが4枚がかりで守り切る。2ドン構えてターンを返す。
九死に一生を得たササキは、マルコ9000アタック2回でIKEのライフを0にする。9ニューゲートの10000はラディカルと2000カウンターでしのがれる。残りすべてのドンをリーダーにつけて10000。IKEの手札からラディカルビームが放たれる。が、もう他にカウンターは残されていなかった。
ササキ勝利。IKEにとっては、1ターン目ナミの空振りで1枚カードが足りなかったのが大きく響いた。
データワンピ用分析データ
アタック回数
ササキ11 IKE8
準々決勝 さきょう(レベッカ)対 ヒカル(紫黄クロコダイル)
「今日レベッカ何人でしたか?」
「10人位!3番人気!」
「今日はレベッカ使いの頂点になれた!」
観戦記事席でさきょうはデータを確認し、喜びを表現する。
「今日紫黄クロコダイルは何人でしたか?」
「一人!あなただけ!」
「今日は紫黄クロコダイル使いの頂点になれた!」
ヒカルも喜びを爆発させる。
デッキビルダー同士の戦いの火蓋が切って落とされる。
先手のさきょうはレベッカの能力を起動する。が、10クザンなど強力なカードがトラッシュに落ちるだけの憂き目にあう。2ターン目にはバルトロメオを引き当てるものの、立ち上がりとしては芳しくない。
たった一人の紫黄クロコダイル使いヒカルは4コストのブラックマリアを立てて防御を固める。もっとも、まだレベッカ側に攻撃の手段は用意されていないが。
さきょうはブロッカードフラミンゴで山札を操作すると、レベッカ能力でバルトロメオを再び加える。デッキのエンジンがかかってきたようだ。
ヒカルは6000アタックでさきょうのライフを削り、ベーブを立てる。マリアはドフラミンゴに殴られることを警戒して立ったまま。防御網が盤石になっていく。
さきょうは7ルフィを立たせて、攻撃の準備を整える。
「ルフィ殴らず?」ヒカルが問いかける。
「コリーダコロシアムがないので」さきょうが諭す。
「レベッカのこと知らないのがバレちゃう!」ヒカルが動揺を見せる。
それでも気を取り直してリーダーとベーブでアタック。どちらもカウンター1枚でしのがれるものの、カタクリでルフィをライフゾーンに放り込む。
攻撃手段を失ったさきょうは、レベッカ、バルトロメオ、サボと一気に面を並べていく。
ヒカルはカタクリとリーダーの攻撃でライフを3まで削り、少し悩んで一言
「今出した方がいい!」
9コスヤマトを実質バニラキャラとして着地させる。
慎重策を選び、ブロッカーたちは立たせておく。コリーダコロシアムから一気にルフィが牙をむく可能性があるからだ。
さきょうも大型キャラ合戦に負けじと10コスクザンでベーブを退場させる。
クザン環境では、三千世界やバスタードがとてつもない威力を発揮する。逆襲の準備が整う。
ヒカルはカタクリ、ヤマト、リーダーで8000や9000パンチを連打していく。ブロッカーたちが差し出され、相手のライフは2へ。ブラキオボムバがサボを葬る。
ブロッカーを失うのはさきょうだけではない。キュロスの登場時効果でマリアがKOされる。
「そういうこと?!」
ヒカルがレベッカの本領に気付く。
クザンがカタクリを落とそうとするも、これには2000カウンターが2枚合わせられる。
さきょうはサボで失った防御網を修復していく。
ヒカルは特に出すカードが手札になかったのか、それとも、もう何も出すまでもないと判断したのか、ヤマト、カタクリ、リーダーで9000、11000、12000と仕留めに行った。さきょうはライフ0まで受け、サボを差し出して耐え忍ぶ。
再びクザンの攻撃でカタクリを狙うものの、2000カウンターが2枚。
ブロッカードフラミンゴとサボで固め直す。手札は潤沢にも8枚。まだ耐えられる。
ヒカルはこのターンも攻勢を緩めない。10000、11000、11000。バリアや2000カウンター、ブロッカーたちをぶつけて、さきょうはこのターンも守り切る。
今度こそは。クザン12000でカタクリへ。ここには2000カウンターが3枚合わせられる。バスタードでヤマトをKOし、ブロッカーを立てて返す。
ヒカルはカタクリとリーダーにドンを振り分ける。
カタクリ11000。ブロッカーが立ちはだかる。
リーダー12000。さきょうの手札に守り切る術はもう残されていなかった。
データワンピ部向け
アタック回数
さきょう3 ヒカル17
準決勝 AO(ゼット)対 うなぎ(ゾロ)
「今日ゾロ4回倒してきた。でも、同じ人相手に2回目は・・・キツイ」
ゼットでゾロを4回倒すっていったいどういうことなのか。
同じ日にゼットを使ってゾロに2回負けた筆者には、AOの言っていることは異世界の言葉にしか聞こえなかった。
「2回目でも・・・何もわからない!」
対するうなぎも困惑する。予選ラウンドで当たって免疫がついているとは言え、謎のゼットの全貌はわからないからだ。
先手のAOがパス。うなぎはバギー2体から。片方は空振り、もう一方がジェットピストルを加える。
2ターン目にAOはジャックを出す。いったい何を捨てるのか。筆者が固唾を飲んで見守る。
「何も捨てません。さすがに殴り返し要員がいないとゲームにならない」
うなぎの攻撃は潤沢な2000カウンターで止められる。ダダンからゴードンと展開を優先していく。
ジャックがにらみをきかせたことで、相手の小型キャラは殴ってこれなかった。AOはサボで防御を固め、サカズキを2枚捨てる。
「どこにうつの?いらない!」
サカズキで1ドンキャラを倒してもまったくうれしくない。
うなぎはダダン、リーダー、速攻ゾロと攻撃を畳みかける。手札を補充したいAOはライフ2まで受ける。
サボとリーダーの攻撃でゾロとダダンを倒し、ボルサリーノ。さらに2ドン構える。防御網の構築はさすがに手慣れている。
「相手の手札全然減らない!」
さすがのAOもうなぎの潤沢な手札に圧倒される。
ゴードンのアタックはボルサリーノが止める。
ゴードンのデバフからバギーでボルサリーノを狙うも、衝撃波が予定調和し、もう一体のバギーを失う。それでもリーダーの攻撃でボルサリーノを撃破。さらに、最初に加えたジェットピストルでサボを倒す。うなぎにとって面倒なブロッカー陣の殲滅に成功する。
さらに場にイゾウを加える。
AOはジャックでバギーを倒し、リーダーで本体を狙い、ライフを2まで追い込む。そして、4クザン。上から引いてきたボルサリーノをそのまま場に出す。ブロッカーが途切れない。
うなぎはリーダー6000から入る。手札の消耗が激しいAOはこれを受け入れる。その後、うなぎはイゾウ2体からブロッカーマルコを2体加え、ゴードン&5マルコでクザンを退場させる。これだけ動いて、うなぎの手札はまだ7枚。AOが「相手の手札全然減らない!」と声を上げるのも納得するしかない。
10クザンでマルコに狙いを定める。リーダ能力でイゾウを丁寧に処理し、マルコを的にすることで手札を削りに行ったのだ。
うなぎはリーサルを狙いに行く。マルコ8000。
「(ディアブルジャンブは)ないと信じるしかない!」AOは最後のライフに手を伸ばす。
「ない!」
そう言って繰り出したリーダー9000攻撃にはボルサリーノが差し出される。
マキノからイゾウにバフをかけ、10000攻撃。AOは5枚がかりで守り切った。
最終ターンとして、詰みを狙いに行く気だったAO。引いてきたカードを見て天を仰ぐ。
「ここで引くのかー!」
ジャックでマキノを処理。リーダー効果と攻撃でイゾウたちをKO。
10クザンでライフを1まで追い詰めると、ブロッカーを2面並べる。
「速攻はない!」
AOの読み通り、うなぎに速攻はなかった。マルコとリーダーの攻撃にブロッカーが差し出される。うなぎが今度はブロッカーマルコを2面並べ返した。
AOの本当の最終ターン。ジャックが9000で殴ると、2000カウンターが3枚で防がれる。リーダーの攻撃が通り、ライフは0。10クザンの攻撃にマルコが立ちはだかると、AOは負けを認めた。
データワンピ部向け
アタック回数
AO12 うなぎ13
決勝 ヒカル(紫黄クロコダイル)対 うなぎ(ゾロ)
「長い一日だった」
決勝戦の場にたどり着いた両者。しかし、真に長い一戦はここから始まる。
使用者たった一人の紫黄クロコダイル。対するは使用者最大のゾロ。
マイナー対メジャーを体現する戦いが決勝戦となった。
「配信緊張する!」
ヒカルが正直に心情を吐露する。公式戦も勝ち上がれば配信卓が待っている。予習ということで。決勝卓の様子は近日中にyoutube町田組で放映される(宣伝)。
うなぎが白ひげ海賊団から5マルコを加え、ヒカルはミキータからオールサンデーを加える順調な立ち上がり。
うなぎはリーダー攻撃から相手ライフを3にすると、ダダンと、加えたばかりのゴードンを展開していく。場に出されたゴードンを見て、ヒカルの唇が歪む。
ヒカルはリーダーとミキータ双方を殴らせてライフを3に削る。場に出されたゴードンのせいで、4コスキャラを出しても、5マルコで討ち取られるため、展開を制限されているのだ。
うなぎはダダンでミキータKO。リーダー攻撃は阻まれたものの、5マルコ着地。ヒカルはリーダーでダダンをKOし、オールサンデーでドンと手札を加速していく。
うなぎはここでゴードンをマキノで強化し、攻撃。ゴードン起動。リーダーの6000とマルコの攻撃でライフを2に追い落とす。そして、5マルコでオールサンデーを討ち取る。相手の反撃の芽を確実に潰していく。
ヒカルのリーダ攻撃でうなぎのライフは2。そして、ヤマト。ヒカルのライフも2に持ち直す。
うなぎはマルコたちの7000攻撃からリーダー8000攻撃でヒカルのライフを0に追い詰める。バギーからジェットピストルを加え、イゾウから4マルコ着地までスムーズに動いていく。
リーサルが遠いと判断したヒカルは、5マルコにヤマトを差し向け、KO時効果でラディカルビームを吐き出させる。リーダーの攻撃は防がれるものの、8クロコダイルでライフを1に回復する。手札も9枚。防御は十分な構えだ。
うなぎはマルコたちで7000攻撃を4回刻む。ヒカルは鳴り鏑2枚、2000カウンター、1000カウンターで最初の3回をしのぎ、最後の1発は受ける。うなぎは4マルコを置き、リーサルを防ぐ。
ヒカルはマルコを的にし、手札を削っていく。ヤマトでイゾウをKOしながらライフを補給する。
うなぎは無限に生き延びたマルコ9000アタックから仕掛ける。ヒカルはリーダー能力とキャラクロコの能力を駆使して手札を入れ替えながら熱息と1000カウンター。
次の7000攻撃にも2000カウンターを2枚。なんとか耐えしのぐが、手札は残りわずか2枚。
リーダーの7000攻撃は防げず、4マルコの9000アタックにとどめを刺されることになった。
うなぎ、優勝!
データワンピ部向け
アタック回数
ヒカル9 うなぎ15
エキシビジョン
冒頭で運営陣も戦い、「負けたら自腹で3パックをプレゼント」という話を覚えているだろうか。
あーる。2勝4敗。ラーメン屋さんでネギ。
しゅま。3勝3敗。
筆者。4勝2敗。
「全員が決勝ラウンド進出したら(大会の進行は)どうするの?」
そんな無邪気な質問から、はるか遠い戦績が刻まれていく。悪くてもみんな4勝2敗で損失を抑えられるだろう。
そんな見通しは甘かった。それだけ参加者のレベルが一気に上がっていたのだ。
運営陣の財布が大破。筆者も翌日の朝ごはん抜きの憂き目に。
「もう二度とWANTEDなんかやらない!」
反省の声があがった。だが、カッとなってはいけない。冷静に考えよう。
「負けたなら、もっと大きな規模でリベンジするべきではないか」
カジノで負けたプレイヤーが負けを取り返す方法の一つに、「マーチンゲール法」と呼ばれるものがある。簡単に言うと、「負けた倍額を賭けて、それで勝てばいいだけ」という脳筋プレイだ。負け続けていても、どこかで1回勝つだけですべてチャラにできる魔法なのである。
データ分析の売上をWANTED用パックにぶち込む。負けたからにはもっと大きく賭けなければ。
運営陣が不甲斐なく負けたのは、賭けたパックが少なかったからに違いない。もっと負荷を。
ここからのデータは、全マッチアップを集計した詳細な対戦データです。
・白ひげ対ゾロは〇勝〇敗。
・レベッカはドフラミンゴを完封。じゃあいったい何にカモられたのか
・ドフラミンゴ大ブレーキ。○○に大敗したのが原因。
・赤ゾロに有利?!意外な伏兵。
これからのエリア予選やシャンクスチャレンジに向けて、データを見ながら一緒に勉強しましょう。
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